04 | 2025/05 | 06 |
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<I.F.ギ.ア.ス暴.走>
「おれを撃て」 【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】【8】【9】【9x】【10】【11】【12】【13】【14】【15】【16】 【17】
「スザクを解任しろ」
<1.7.話.派.生>
17の後 【1】【2】【3】
ナナリーin騎士団 【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】【8】【9】【10】【11】 【12】 ♪♪♪♪
<学.園.イ.ベ.ン.ト>
「黒の騎士団」 【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】【8】【9】【10】
<ば.っ.た.り.遭.遇>
Ⅰ.「扇+a」編 【1】【2】【おまけ】
Ⅱ.「千葉」編 【1】【2】【3】【4】【5】 【6】
Ⅲ.「藤堂+a」編 【1】【2】【3】【4】【5】 【6】
Ⅳ.「桐原+a」編 【1】【2】【3】【4】【5】 【6】
<黒.の.騎.士.団.入.団.試.験.(.審.査.)>
【ボツ】 審査編初期/審査編初期Ⅱ
審査「ロイド」編/ 【IF】 面接「ロイド」編
審査「ダールトン」編/面接「ダールトン」編 ♪♪♪
幕間 影響と反響編
審査「ジェレミア」編/面接「ジェレミア」編
幕間 団内の反応編/反響と戦慄編
幕間 親展と感想編 ♪♪♪♪♪♪/親展と発覚編
審査「ミレイ&リヴァル」編/面接「ミレイ&リヴァル」編
幕間 合流と変化編
審査「ヴィレッタ」編/面接「ヴィレッタ」編
◆入団試験派生 幕間 「酒の席」編
<季.節、行.事.も.の?>
一日遅れのバレンタイン
ひな祭り 【発端】【始動】【準備】【不明】【不在】【風聞】【前日】【節句】【当日】【雛祭】
ホワイトデー 【前】【中】【後】
鯉のぼりと団欒/母親役選出 ♪/父の日騒動 ♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪ ♪
カーネーションとゼロ
今日はゼロの日(違) ♪ ♪
七夕と願い事/七夕と願い事『ブリタニアからの寝返り』 ♪♪♪♪♪♪♪♪
ハロウィンの魔法 【前】【後】【後日談】
恐怖の日/恐怖の夜はまだ明けぬ。/恐怖の夜の裏側で。
節分の催し 【前】【中】【後壱】【後弐】【後参】【後四】 ♪♪♪
C.C.の悪戯心
川の流れのその先は?
届け物
こんな日にさえも。
<ギルフォード.関.連>
休暇と思い出/再会
<(メ.カ)オ.レ.ン.ジ.関.連>
光と闇の想い/反撃の烽火/恐怖と勝敗、そして.../対決と救出/対決と帰還/転機/合流/一つの解答/難解な君/会話/白と黒の顔/暴走/心の叫び/説明Ⅰ/説明Ⅱ
<双.子.設.定>
「ゼロ&枢機卿」 【1】【2】【3】
<その他(続かないかもしれない話)>
合衆国日本成立後「合同葬儀」 【1】
ナリタ捏造「藤堂+四聖剣とゼロ」 【1】【2】【3】 【4】【5】
災厄は突然に 【1】【2】【3】 ♪♪♪♪♪♪ ♪♪♪♪♪♪
<SS(超短編)>
既視感(デジャヴ)
<拍手文単体>
【逆転?】シリーズ ♪♪♪♪♪♪
【証言】シリーズ ♪♪♪♪♪♪♪♪♪ ♪♪♪♪♪
【ルルーシュ】
漸くの事で、ゼロの仮面のお陰でバレずに済んだ自失から覚めた。
覚めたからといって迂闊な事を口走るわけにはいかないので、今後の展開のシミュレートを始める。
まず最優先しなければならないのは怪しまれる事なくカレンを黙らせる事。
これ以上、カレンの持つ情報を藤堂や四聖剣に話されては、本気で困る事になるからだ。
しかし、だからといって、多少の事ではこの場を乗り切る事は出来ないだろう。
なんといっても朝比奈が異様に聞き出す気満々だからだ。
【藤堂】
千葉の言った色彩に覚えがあった。
昔、まだこの地がエリア等ではなく、日本だった頃。
死んだと、殺されたのだと聞かされて、絶望を感じた事を今も、昨日の事のように覚えている。
千葉の人物描写に耳を傾けたところで、開く扉の音に邪魔をされて不機嫌になる。
扉を開けたのは紅月で、紅月は千葉の言う人物を知っているらしかった。
だから即座に扉を閉めるように言ったのは、紅月を追い出す為ではなく、むしろ逃がさない為だった。
それを正しく察知したらしい朝比奈が素早く席を立つと扉を閉めて鍵を掛け、更には扉の前に居座った。
どうやら、朝比奈もまた紅月の話を聞く気満々なようだと気付いた。
【千葉】
先を知りたいと思った、しかしそれは仙波大尉達の言った意味でではない、と思う。
唯、知りたいと思っただけなのだ。
日本人の、イレブンの自分に対して、何の隔たりもなく接してくれたブリタニア人は初めてだったのだ。
ディートハルト達は同じ団員という事で、除外しておく。
まぁ、あの少年も身近に日本人がいたのかも知れないが、それでも嬉しかったのは確かで。
だからこそ、気になっていたのだ。
彼が時折見せた、寂しそうな表情や、辛そうな表情が。
彼の事を知りたいと思うのは、そのせいだろう、と思っている。
朝比奈が何故か聞き出す気満々なので、何かしら知り得るだろうと思った。
【朝比奈】
ふ~ん。
すっごく興味ある。
あの千葉さんが気に掛けるってだけでも珍しいのに、藤堂さんもなんだか気になってるみたいだし。
第一あのゼロがやめさせないんだから、ゼロも気にしてるって事だよね。
それぞれすっごく個性的っていうか、他者に無関心な人達ばっかりが気にしてるその少年の事がすっごく気になる。
千葉さん曰くすっごく美少年らしいし、出来るなら会ってみたいな。
さー、話して貰うよ、紅月さん?
ぜーったいに逃がしたりしないからねー。
【仙波、卜部】
な、なー仙波さん?
何も言うな、卜部。
けどさー、仙波さん。
言うな。関わらぬ事だ。
でも。なんだかその少年を巡った争いが始まりそーな雰囲気が。
言うな。藤堂中佐と千葉だけでも大変だと言うのに。
‥‥ゼロも参戦しそーだし、それを朝比奈が煽る気満々だなー。
紅月が防波堤になるかも知れぬし、嬉々として差し出すかも知れぬ。
ぅわー‥‥。関わりたくねーなー。
ならば黙って関わらねば良い。
うん、そーするよ、仙波さん。
【カレン】
ど、どーすれば良いですか、ゼロッ!
朝比奈さんは嬉々とした表情で期待の眼差しを向けてくるし。
藤堂さんはさぁ話せと言わんばかりに睨みつけてくるし。
千葉さんも控えめながら話を聞きたいオーラ出してるように思えるし。
仙波さんと卜部さんは逆に聞きたくないと言った様子でさりげなく視線を逸らしているし。
ゼロ、話しても良いんですか?
というか、あいつの話をしてゼロを煩わせるのもどうかと思うんですけど。
というよりも、あいつの話をゼロの耳に入れたいとは思わないんですよね。
お願いですから止めてください、ゼロッ!
ゼロが一言言ってくだされば、藤堂さんや四聖剣が幾ら尋ねてきても話したりしませんからッ!
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作成 2008.08.29
アップ 2008.10.07
(「父の日騒動」続編【14】/ラク+四聖剣)
「あらぁ?収まったみたいねぇ、あの二人ぃ」
残された四聖剣の耳に不意にラクシャータの声が飛び込んできた。
慌てて声を振り返った四聖剣が見たのは呆れた様子のラクシャータ。
「ラクシャータ。これか?お前の言ってた『後で馬鹿らしくなる』って言う状況ってぇのは」
卜部がラクシャータに尋ねる。
「そぉよぉ。今まで心配してたのにってぇ、馬鹿らしくなってなぁい?」
そういうラクシャータは呆れた様子はあれども楽しそうである。
「いや、まぁ。中佐もなんか復活したみたいだし、おれは別に」
「ていうかラクシャータ。一体どうなったのかわかってるわけ?」
卜部が答えきる前に、朝比奈がラクシャータに食って掛かる。
「んー‥‥まぁねぇ。大体判ってるわよぉ。けどぉ、あんた達には教えてあげなぁい」
ラクシャータは勝ち誇った笑みを浮かべて言う。
そして、絶句する四聖剣を残し、キセルを揺らしながら立ち去って行った。
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2008.08.27作成
2008.09.10-2008.09.23up
2008.10.18再録
──「反響と戦慄」編──
ダールトンは黒の騎士団の格納庫にそれを見つけた時、柄にも無く絶句していた。
「あぁれまぁ、グロースターじゃないのぉ。これってぇ、あんたの?」
いつの間にか、隣に来ていたラクシャータがのんびりと驚いた声を上げた。
「わたしの専用機ではあるが、わたしが持参したわけではない。‥‥‥‥何故ここに‥‥?」
グロースターの隣にはサザーランドまで並んでいる。
「わたしが運ばせておいた。次の戦闘には参加して貰おうと思ってな」
ゼロの声にダールトンとラクシャータが振り返ると、ロイドとジェレミアを纏わり付かせたゼロと、軍事責任者の「奇跡の藤堂」がいた。
「貴方が?まさか単独で潜入なさったとは言いますまいな?」
「‥‥‥‥おれも聞きたい、ゼロ」
藤堂が問いに便乗する。
「いや?流石に一人で二機同時は無理だ。短期の臨時協力者を調達して任せた。その際、操縦させたから将軍とオレンジ君は調整に念を入れてくれ」
ゼロは軽くそう答えると、「ラクシャータ、プリン伯も協力してやれ」と技術者二人にも声をかけた。
「いぃわよぉ」「任せてくださ~い、我が君♪」
ラクシャータとロイドはあっさりと快い返事を返したが、主の手を煩わせたとジェレミアは恐縮し、藤堂とダールトンは気にかかる言葉に眉を寄せていた。
「ゼロ。その、『短期の臨時協力者』というのはなんだ?」
「言葉通りだが?藤堂。オレンジ君のナイトメアは紅蓮が壊していたから、そこらのを盗って来たらしいがな」
とぼけているのかホントに分かっていないのか、そう説明するゼロに、藤堂とダールトンは顔を見合わせてからそれ以上の質問は控える事にした。
ダールトンの出奔をイコール黒の騎士団への転向と結びつける事は出来なかった。
既にロイドという前例が有ったからこそ、余計に結びつける事を拒否していたと言うべきだろう。
更にダールトンの人柄というか、人格というか、およそ寝返りをするような人物に見えなかったという事も一因だった。
そうして、捜索という無為な時を過ごしている間に、気付けばジェレミアという三人目が軍病院から消えていた。
ジェレミアはオレンジ疑惑という恨みをゼロに抱いていると広く思われている為、更に騎士団と繋げる声はなかった。
どちらも、騎士団の出動がなかったせいだとも言えたが。
コーネリアは、エリア11に到着したばかりのシュナイゼルに呼ばれ、ギルフォードを連れて彼の執務室に来ていた。
「お呼びと伺いましたが?」
「あぁ、そうだね、コーネリア。まぁ、座りなさい。ギルフォード卿、君もね」
手元の書類から目を離さないまま、書き付ける手を止めないまま、そう言ったシュナイゼルにギルフォードは眉を寄せた。
しかし、コーネリアが気にする事無くソファに沈み、ギルフォードを招いたので、気を落ち着かせたギルフォードもソファに座った。
一段落をつけたシュナイゼルが顔を上げて立ち上がり、コーネリアとギルフォードの正面に座るのに数分。
「‥‥それで、義兄上。お話とは?」
「ロイドが黒の騎士団に下ったと聞いたのでね。相対した君達に直接話を聞こうと思ってね」
シュナイゼルの言葉に、今度はコーネリアも渋面を作る。
「義兄上。今はそれどころではないのですが」
「あぁ。ダールトン将軍が出奔したんだってね。‥‥それにクロヴィスのところにいたジェレミア辺境伯もだね」
「全く。何を考えているのかッ!」
「そう言えば、グロースターとサザーランドが紛失したんだって?盗まれたのかぃ?」
シュナイゼルの言葉に、コーネリアとギルフォードは「昨日の出来事なのに何故知っている!?」と目を剥いた。
「まさかとは思っていたのだけど、二人とも騎士団に下ったのではないかな?」
「そんなッ!ありえません、殿下。ダールトン将軍は真面目実直な方ですし、裏切りをおこなうような人物では‥‥。それにジェレミア卿はゼロを恨んでいます」
ギルフォードが慌ててダールトンの弁明をし、ジェレミアの事情というか私怨すら出して説明する。
弁明しながらもギルフォードにも思い当たる節が有ったので、その勢いはあまり強くはなかった。
「しかしナイトメアを持って行った。ダールトン将軍の専用機とジェレミア辺境伯が乗っていた物と同じ型のがね」
シュナイゼルはそれでも平然としている。
「何が仰りたいのですか義兄上」
「奪ったのは使うからだろう?次の黒の騎士団との戦い、二人が出て来る事を想定しておいた方が良いよ?」
コーネリアはシュナイゼルの忠告めいた言葉に、気分が重くなるのを感じていた。
ブリタニア軍は驚愕していた。
コーネリアとギルフォードは、シュナイゼルに可能性を示唆されていただけ驚きは少なかったがそれでも愕然としたのだ。
ゼロのナイトメアと思われる無頼の隣に、赤い最精鋭紅蓮弐式と、「奇跡の藤堂」の乗る月下隊長機がその存在を主張している。
その周囲に、元特派の主任ロイド・アスプルンドが乗っていると判明しているランスロットが今度は最初から姿を見せていた。
更にはダールトン専用機のはずのグロースターと、サザーランドが一機、どちらも先日盗まれたナイトメアが控えているのだ。
『ま、まさかダールトンだと言うのかッ!!?』
コーネリアは思わずオープンチャンネルでそう叫ぶように訊ねていた。
『その通りですよ、コーネリア皇女殿下。この度、採用させて頂きました。そうそう、騎乗するナイトメアがないと不便だと思い徴収させて頂きましたよ?』
応じたのはゼロで、人を喰ったような言いように、ブリタニア軍将兵は呆れ、ダールトンは慌てる。
『ゼロッ。その、もう少し穏便な言い方をして戴きたいのですが』
『穏便?‥‥グロースターとサザーランドは有り難く受け取りました、で良いか?』
『ダールトンッ!!何故そこにいる?わたしに愛想をつかせたのか?そんなに至らない主だったというのか!?』
『いいえ、姫様。わたしは姫様にお仕えする事が出来て幸せでございました。ですが、ゼロを敵にする事だけは出来ません』
『何を言っている!?』
『‥‥お気持ちは変わりませんか?ダールトン将軍』
コーネリアの焦る声とは異なり、ギルフォードは何かを悟ったような、冷静な声音でダールトンに問いかけた。
『変わらぬ。姫様には申し訳ないと思いますが、わたしは今後、ゼロにお仕えする所存です』
『くッ‥‥。わたしはそんなにゼロに劣ると言うのかッ!答えろッ、ダールトン!!』
「ぅわぁー。コーネリア皇女殿下ってば気づいてないんですねぇ~」
騎士団内の回線でロイドがポツリと呟くように言う。
「‥‥確かに気づいておられなければ、この反応は致し方ないとは思われますが‥‥」
それを受けてジェレミアが応じる。
「その点、ギルフォードは気づいているようだが?」
そう割り込んだのは、オープンチャンネルを切ったゼロだった。
「彼はコーネリア殿下の選任騎士だからねー。先に将軍が来ちゃった事も手伝って身動きできないんじゃないかなぁー、逆に?」
「身動き‥‥って、別に気づいたからと言って必ず寝返るとは限らないだろう?」
「「限るから申し上げてるんです(よー)。我が(君/主)」」
ロイドとジェレミアに同時に言われて、ゼロは「そ、そうなのか‥‥」と曖昧に頷いた。
『劣りはしません。ですが‥‥』
『ダールトン将軍。貴方がそちらに付く事にしたと言い切った以上、最早覆りはしないと判断し、今後はブリタニアの敵として扱います』
ダールトンの言葉を遮るように、ギルフォードはダールトンに対して宣告を下し、言葉を切ってそれを聞いたダールトンは笑みを見せた。
『‥‥それで良い。ギルフォード卿。‥‥ゼロ、ご命令を』
『なッ‥‥ギルフォードッ、何故!?』
慌てたのはコーネリアで、ダールトンを切り捨てるような事を言ったギルフォードに抗議した。
『藤堂、カレン、‥‥‥ロイド、ダールトン、ジェレミア。仙波、卜部、千葉、朝比奈。作戦を開始する』
ゼロは暫く迷った後、オープンチャンネルで言う事でもないか、と愛称を言うのを控えて命じた。
これに若干二名程が狂喜乱舞したのはいうまでも無く。
「ハイテンションな白兜とサザーランドがこれまで以上の活躍を披露した」とだけ記しておく事にする。
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作成 2008.05.28
アップ 2008.10.04
(「父の日騒動」続編【13】/藤堂+ゼロ+四聖剣)
月下隊長機から降りて来た二人。
その遠ざかる背中を四聖剣は見つめる。
「‥‥‥‥‥‥ぇーっと?」
茫然とした朝比奈の呟きは全員の気持ちだ。
「心配をかけてしまったようだな、すまない」
藤堂は四聖剣にそう言って詫びた。
その表情はすっかり穏やかで。
「すまないな、邪魔をした」
と言って立ち去ろうとするゼロを呼び止める。
「ゼロ。付き合おう‥‥‥‥‥‥今日は」
四聖剣は藤堂の言葉に仰天した。
そして一斉に心の中で叫ぶのだ。
「「「「最後の言葉が付け足しにしか聞こえませんッ!藤堂中佐(さん)!!」」」」
しかし、当然二人に聞こえるはずもなく。
四聖剣が動揺している間に話を纏めたらしい二人は。
「じゃあ藤堂を借りて行く」
「後は任せた」
それぞれそう言い置いて背中を向けて歩いて行った。
「あれか?『雨降って地固まる』ってヤツ?」
卜部がぼそりと呟いた。
四聖剣は真相を知りたいと心底願っていた。
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2008.08.19作成
2008.09.06-2008.09.18up
2008.10.09再録
トレーラーの一階で、騎士団幹部達は休憩を取っていた。
四聖剣の3人は隅の方に陣取って座っている。
傍目にはいつものように休憩を取っているように見える。
しかしいつもと違うところがあった。
一つには四聖剣と一緒に休憩を取る事の多い藤堂の姿がない事。
一つには四聖剣の最年長者、仙波の姿がやはり見られなかった事。
そして一つにはその場にいる卜部、千葉、朝比奈の様子がいつもよりも硬い事があげられるだろう。
ゼロのいない緊張しなくても良い、穏やかな時間。
それを破るかのように、ばたばたと騒々しい音とともに駆けつけてきたのはその場にいなかった幹部の南だった。
「扇ッ!大変だ」
その言葉に、一同の表情に一瞬にして緊張が走る。
名指しされた扇は、がたっと立ち上がって南を見る。
「どうした!?」
「今、キョウトから‥‥てか桐原公から連絡が有って、至急に扇副司令と話がしたいって」
南の言葉に、その場の空気がざわついた。
何故「副司令」の扇を名指ししたのか?とそれぞれが疑問に思ったからである。
「‥‥おれ、に?ゼロにではなく?」
「あぁ、出来るだけ早い方が良いらしいから‥‥‥‥」
戸惑っている南にこれ以上聞いても分からないだろうと、扇は頷いて出口へと向かう。
そこへ着信音が鳴り響き、扇の足も止まった。
慌てたのは着信音が鳴った携帯の所持者である卜部である。
「ッ‥‥すまん」
卜部はそう言うと幹部達に背を向けるようにして通話を繋げた。
『すまない。今、良いか?』
スピーカーにしていないので、相手である藤堂の声が聞こえるのは当然ながら卜部だけである。
「あー‥‥はい」
『‥‥不都合ならば、適当に相槌していれば良い』
「はい」
卜部の様子に足を止めたままの扇を筆頭に視線が卜部に集中している。
『桐原公が扇に連絡を取るそうだ。一応、おれのところにも連絡が有った為に至急に出かけたと言う事にしておいてくれ』
「え‥‥と」
『これから戻る。話は戻って、落ち着いてから話す。頼んだ』
「えッちょッ待ってくださいッて、それなら‥‥って切れてるし」
慌てた声を出した卜部はがっくりと肩を落として切れた携帯に力ない苦情を述べた。
「‥‥今の、藤堂さんか、仙波さん?」
そろっと尋ねたのは急ぎのはずの扇だった。
「あー‥‥中佐、です。中佐のところにも桐原公から連絡が有ったとかで‥‥」
卜部は答えながらも恨めしげな視線を携帯に向ける事を忘れない。
無言で続きを促す恐らくはその場全員の視線を受けて、卜部は「この落とし前は取って貰いますからね、中佐ぁ」と心中で叫んでから続けた。
「大至急だって呼び出されたとかで、仙波さん連れて出たそうです。詳細は戻ってからで、後扇さんにも桐原公から連絡が行くとかなんとか‥‥」
卜部の説明に、視線は自然と扇へと移る。
扇はうろたえながらも「と、とにかく桐原公と話をしてから、だな」と言うと通信室へ向かう為に扉から出て行った。
残った幹部達は顔を見合わせてから、扇の後を追う事にしたらしく、我先にと部屋を出て行った。
残されたのは四聖剣の三人だけとなった部屋で、卜部は深々と溜息を吐いた。
「中佐はなんと?」
「んー‥‥とだな」
卜部は唸りながら周囲を見渡し、誰もいない事を確認すると、声を潜めて続ける。
「急用で仙波さんと出掛けたってぇ先が桐原公んとこだったらしいな。んで、これからこっちに戻って来るんだと。後は言ったとおりだ」
「‥‥‥あれ?じゃあ桐原さんって今こっちに出てきてるんですか?」
「じゃねぇのか?」
引っ掛かりを覚えた朝比奈が尋ねると、卜部は投げやりに答えて嘆息した。
一方扇は桐原との連絡を取り付ける。
『すまぬな』
「いえ。‥‥それで、おれに話とは‥‥」
『実は所用で租界にきておるのだがな。身辺をうろつく不振人物を捕らえてみれば騎士団の者らしく、相違なければ引き取りに来るように、との要請をな』
桐原の言葉に扇と、部屋の外で聞いていた幹部達は驚く。
「えっと、藤堂さんを呼んだのがその件、ですか?」
『いや?それはまた別件だな。‥‥さて、所持していた身分証には「ディートハルト・リート」とあるのだが?』
扇は危うく声を上げそうになり、背後から聞こえた「ぐぇ」とか「げぇ」とか「なにしてんだあの野郎」と言った声は無視する。
「た、確かに、団員‥‥ですが‥‥。き、桐原公に何かご迷惑を!?」
扇は蒼白になるのを感じながらもなんとかそう尋ねてたのだった。
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作成 2008.08.19
アップ 2008.10.02
(証言シリーズ/藤ルル??)
ゼロ?
んー、そーだなぁ。
実は少し参ってる。
以前より見かけるようになった。
というか、声を掛けられるんだ。
藤堂中佐がおかしな行動をするようになった辺りか?
‥‥うん、そうだな。
ゼロが「藤堂はいるか?」って感じに声を掛けてくる。
その度に、だらだらと嫌な汗が流れるのだ。
毎度言い訳考える身にもなって下さいって中佐ぁ。
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2008.08.20作成
2008.09.12-2008.09.24up
2008.10.07再録
(証言シリーズ/藤ルル??)
藤堂さん?
藤堂さんが何か!?
わたしは関係ないでしょ!
知りたいんなら四聖剣の人に聞けば?
わたしは知りません、あんな人!!
‥‥‥‥何を怒ってるか、ですってぇ!?
怒ってて当然じゃないですかッ!
藤堂さんッてばゼロに!!
ゼロにあんな事をッ!!
きぃ~~~!!!
(以下解読不能)
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2008.08.20作成
2008.09.07-2008.09.19up
2008.10.01再録