04 | 2025/05 | 06 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | ||||
4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
「七年前、おれが会ったのは一人だけだ。だからこそ、双子だと言う事も知らなかった‥‥」
藤堂は同じ顔と同じ「ルルーシュ」と言う名を持つ二人、ゼロと枢機卿に尋ねられてそう切り出した。
「‥‥それで?それをゼロの方だと断定するのは何故かな?」
シュナイゼルはそれにもまた面白そうに先を促す。
「おれの会ったルルーシュ君は、妹君の事を全力で守ろうとしていた。‥‥今のゼロのように、だ」
藤堂は迷いもなく、そう言いきる。
「‥‥まるで、わたしがあの子の事を守っていないとでも言いたいようだね」
『ルルーシュ』は心外とばかりに訊ねる。
「ゼロが言っていたな。『‥‥あの時、皇女のみを狙った理由は、返り咲きを目論んでいた為ですか?』と。皇女とは妹君の事だろう?」
「君はそれを否定しなかった」と藤堂は厳しい目を『ルルーシュ』に向けた。
『ルルーシュ』は笑みを浮かべる。
「『初めまして、藤堂鏡志朗』‥‥と言うべきか?確かに、七年前、わたしが会った日本人は枢木の家の者だけだった」
ゼロは答えず、フイッと顔を背けただけだった。
「では桐原公に会ったのも、ゼロだけだな?‥‥枢木スザク‥‥は?」
千葉が確認するように問いかける。
「枢木スザクが親友と思っていた相手は、このわたしの方だよ。ゼロではなく、ね。‥‥そうだろう?ゼロ」
変わらない笑みで『ルルーシュ』が告げると、カレンはハッとしたようにゼロに視線を向ける。
学園で、ルルーシュ・ランペルージは枢木スザクを友人として遇していたのに?と、訝しげな視線になっている。
ゼロは、どこか諦めたように深い溜息を吐いた。
「‥‥‥‥その通りですね。‥‥スザクは我々の見分けはついていなくて同一人物だと見ていたようですけど‥‥」
「だろうね。あいつは表面しか見ないから、それだけで第十一皇子をわかった気になっていたからね」
「‥‥‥‥それで親友?おかしいでしょ、それは。それに、だったらゼロだって同じなんじゃ?」
朝比奈が首を傾げて『ルルーシュ』に意見した。
ゼロは朝比奈に視線を向けると肩を竦める。
「スザクと会う時は常に片方ずつ‥‥あいつも双子だと知らない。‥‥『ルルーシュ、スザクとは仲良くなった。そのつもりで』‥‥そう言っていましたね。‥‥兄上は」
「わたし達が別々の反応を返せば、双子である事も、その双方共に来ていると言う事も知られてしまうからね?合わせる必要が有っただけ」
「スザクと喧嘩をしたのはわたし、仲直りをしたのは兄上。‥‥いつもそんな感じだったのは確かですね」
「そう。君はいつもスザクを怒らせてばかりいて‥‥。けれどスザクが折れて謝る時はいつもわたしだったからね」
「えっと‥‥。ゼロが弟?なら、七年前に日本に来たのは三人で、ブリタニア本国に帰ったのは一人だけでそれが兄のそいつ‥‥って事なのか?」
扇が確認の為、整理しながら言ってみる。
「その通りだ、扇。我々が双子だった事を知っているのはとても少ない。日本では枢木ゲンブだけ。だから兄上が本国に戻った事を知る者はいなかった」
「そう、ゼロ、君以外は。本国でさえ、亡き母上を除けば、妹と‥‥。このシュナイゼル義兄上だけなのだから」
「‥‥アッシュフォードの者も知っていますよ。あそこは母上の後見だったのですから」
「父であるブリタニア皇帝すら知らない秘事。お陰でゼロ、君が勝手に宣言した皇位継承の放棄を取り消すのにとても苦労したけれど」
ゼロと『ルルーシュ』とによって、さらさらと語られる話に、ついていけなくなって朝比奈がキレた。
「ちょ~~~~っと待った~~。なんか話が随分とそれまくってませんか?今のおれ達の仕事は第二皇子シュナイゼルを捕らえる事だったはずだし」
「そりゃ、ゼロの素性とかいきなり知っちゃって驚きまくりはしたけども」と言い訳しながら、朝比奈は一同に訴える。
「‥‥わたし達を捕まえると?それでどうするつもりかな?父上への人質に、と思っているのなら無駄だよ?」
シュナイゼルはそれでも笑みを絶やさない。
「兄上。‥‥シュナイゼル義兄上にも、ここで投降していただきます。わたしの目的は、ご存知でしょう?」
「‥‥クロヴィスにユーフェミア、それにコーネリア。三人の皇族を、異母兄弟を殺してきたゼロ。勿論、知っているよ?母を殺された、その復讐だね?」
シュナイゼルは平然と殺された異母弟妹達の事を口にした。
「おかしいね。わたしよりも君と仲の良かった兄弟ばかりじゃないか。まぁ彼等しかこのエリア11に来なかったからかも知れないけど?」
『ルルーシュ』もまた、何でもない事のように笑みを浮かべたままに言う。
「‥‥‥‥。今また一人や二人追加されたところで、咎に違いはありません。‥‥速やかに停戦し、投降してください」
ゼロは銃を構えなおし、再度投降を呼びかける。
「ゼロ。‥‥‥‥知っているだろう?」
スッと笑みを消したシュナイゼルが、低い声音でゼロに問う。
それに合わせるかのように、『ルルーシュ』の表面からも笑みが失われた。
「‥‥ブリタニア皇帝の事ですか?‥‥弱者に優しくないあの男の事ですから、投降すれば切り捨てられる可能性は高いでしょうけれど」
「‥‥その通りだよ。折角この地位まで登り詰めた。わたしも、猊下も。それを君は奪おうとしているのだよ?」
真顔で言うシュナイゼルに、しかしゼロはフッと笑みを浮かべた。
「御冗談を。わたしが、知らないとでも?‥‥では言い方を変えればいかがですか?」
「おやおや。そこまで気づいていたのか?流石はゼロと言ったところだろうね?‥‥良いだろう。投降はしないが、停戦は受けよう」
ゼロが何を知っていると言ったのかは不明だが、そのゼロを褒め、シュナイゼルはあっさりと前言を翻した。
そして通信装置に手を伸ばし、オープンチャンネルを開くと、そのまま声を出す。
「わたしは、神聖ブリタニア帝国、第二皇子シュナイゼル・エル・ブリタニアです。この場の戦いは一旦わたしが預かる。よってブリタニア軍将兵は戦いをやめたまえ」
シュナイゼルはそのままゼロにマイクを差し出した。
「‥‥わたしの名はゼロ。黒の騎士団も同様だ。今すぐ停戦せよ。この場でのこれ以上の戦いは双方認めない」
マイクを受け取ったゼロは続けてそう言い、更に藤堂に向ける。
「‥‥‥‥。仙波、卜部。聞いた通りだ。騎士団を率いて、後退していろ」
藤堂が言い終わると、ゼロはマイクをシュナイゼルに返した。
「わかったね?戦闘は一時御預けだ。みな大人しく待っていなさい」
シュナイゼルは再度マイクにそう言うと、通信を切った。
「立ち話も無粋だね?ゼロ‥‥。どこかで落ち着いて話をしようじゃないか?」
シュナイゼルの提案に、ゼロは即答せずに、騎士団幹部を見る。
「藤堂、扇、カレン、千葉、朝比奈。‥‥お前達はどうしたい?」
千葉と朝比奈は目顔で藤堂に従うと伝える。
「‥‥ゼロ。主導権はどちらが持っているんだ?」
藤堂の言葉に、ゼロはくすりと笑い、シュナイゼルと『ルルーシュ』もまた「ほぉ」と感心する。
「6:4でわたし、ですよ。‥‥ひっくり返る可能性は否定できませんが」
「そうだね、認めるよ。今は君が持っているね、ゼロ。取り返したいとは思っているけれど?」
「わたしがそう簡単に渡すとでも?」
「だけど、チェスの勝負ではいつもわたしが勝っていたね?」
ゼロとシュナイゼルは穏やかに昔話をしていた。
「‥‥‥‥。良いだろう。話し合いとやらの席には、同席させて貰うぞ」
藤堂は、皇族達の様子を見ながら首肯していた。
───────────
作成 2008.02.06
アップ 2008.03.23
───────────
双子設定「ゼロ&枢機卿」 【2】七年前の事実確認と一時停戦。
藤堂による事実確認から始まる双子の相違点?
ゼロの一番はナナリーだけど、枢機卿の一番は違っていた...かな。
ゼロを含む皇族が何を考えてるんだかと、書いてて思いましたね。
そして、暴走してます、現在。
話がどんどん、ずれて行ってます。
この先、ちょっととんでもなくなっているので、自分が引いてます.....(汗
会談がまとまるまで時間がかかりそうです(涙