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「おーい、藤堂ー」
玉城の声が格納庫に響く。
「あ、おい朝比奈。藤堂は?」
目当ての人物を見つけられずにいた玉城はちょうどやって来た朝比奈を呼び止めた。
「‥‥藤堂さんでしたら、部屋にいますけど?」
玉城のくせに藤堂さんを呼び捨てにするなんて‥‥と思いながらも朝比奈は答える。
「んじゃこれ。藤堂宛に荷物が来てるぜ」
と玉城が示したのは、一抱えありそうなダンボールの箱だった。
箱に近づいて確かに藤堂宛なのを確認した朝比奈は、首を傾げながらも箱を抱え上げた。
「じゃあ部屋に運んで来ますね~」
見た目の感じよりも随分と重い荷物に疑念を膨らませながら、朝比奈は藤堂の部屋に向かった。
両手が塞がっているので、足で扉を蹴ると千葉が出て来て、朝比奈に渋面を向けるも荷物を見て黙って扉を全開にした。
「朝比奈、それは?」
「藤堂さん宛の荷物です。下に行った途端渡されました」
「誰からだ?」
仙波の声が奥から飛んで来て、朝比奈は首を傾げた。
「え?‥‥さあまだ見てませんよ」
答えた朝比奈はテーブルの上に荷物を置いて息をついた。
テーブルの上に置かれた箱に藤堂と四聖剣の視線が注がれる。
差出人の名前はなく、宛名は「藤堂鏡志朗」のみ。
住所や黒の騎士団を示唆する記述は何もないと言うのに、何故ここにあるのかと悩んでいたのだ。
そこへ、ノックが響き、一斉に扉を振り向いたのは、驚いたからだ。
「‥‥誰だ?」
千葉が声を投げると「わたしだ。藤堂はいるか?」とゼロの声。
「あぁ、いるぞ。入ってくれ」
藤堂の返事にゼロが扉を開けて入って来た。
「次の作戦に関する事前資料だ。ミーティングの前に目を通して置いてくれ。‥‥‥‥それと、忘れ物だ」
「あ、あぁ。わざわざすまない」
応じた藤堂はゼロに近づき書類と忘れ物を受け取った。
「‥‥それと、食べ物は眺めてないで早目に食べた方が良いぞ」
ゼロは去り際にそう言って出て行った。
「‥‥‥‥‥‥食べ物?‥‥って、この箱の中身?どうしてわかったんでしょうか?」
暫く続いた沈黙を、朝比奈が破る。
藤堂は、軽い溜息を吐いた後、箱を開けた。
「‥‥‥‥‥‥」
「これは‥‥重箱か?かなりの量だな」
箱の中には、重箱が並べられていた。
取り出した重箱は全部で4つ、それと手紙が一通。
箱はどけて全てをテーブルに広げてみた。
そこに並んだのは、みんながみんな何かの祝い事メニューと言う事請け合いの日本料理だった。
赤飯に炊き込み御飯、尾頭付きの鯛や、伊勢海老、入れ物が入れ物だけにおせちにも見えかねない代物ではあったが。
「あッ。今日って藤堂さんの誕生日でしたっけ?」
朝比奈が思い出したかのように叫ぶと、他の3人もまたなるほどと思わず納得してしまった。
藤堂は手紙を開封して中を見るとそこには一行、『「奇跡の藤堂」へ「鬼籍の皇子」より』と有って、藤堂は思わずむせて咳込んだ。
慌てた千葉が背中をさすってやる。
「平気ですか?中佐」
「何が書いていたんですか?」
「い、‥‥いや。‥‥どうやら、昔の知り合いからの贈り物らしい。一緒に食べよう」
気を落ち着かせた藤堂は四聖剣に言った。
「良いんですか?‥‥てか、おれ達、何にも用意してませんよ?」
「まぁ、忘れてたくらいだしよ。てかよくわかったよな、その知り合いっての?中佐がここにいる事とか。この場所とか」
朝比奈が躊躇いと、申し訳なさに控え目に訊ね、卜部は差出人の藤堂の昔の知り合いとやらに首を傾げた。
「以前から頭が良かったから、多分造作もなかっただろうな。信頼できる者だから心配はいらないぞ」
藤堂が保証すると、四聖剣はホッと息を吐いてそれぞれ椅子に座った。
「では、とりあえず、一言だけでも」
と仙波が言うと、四聖剣は頷き合って、まだ一人立っている藤堂に向かって声を揃えた。
「「「「藤堂中佐(さん)。お誕生日、おめでとうございます」」」」
藤堂はただ鷹揚に頷いただけだった。
(‥‥生きていたのか、‥‥ルルーシュ君。料理よりも、四聖剣からの言葉よりも、君が生きていると言う報せが一番の贈り物だったぞ)
いつしか藤堂の表情に笑みが浮かんでいたが、四聖剣は目の前の料理と祝いの言葉に対する笑みだと思った。
了
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作成 2008.04.08
アップ 2008.04.08
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届け物 藤堂の誕生日。藤堂+四聖剣+a。
藤堂の誕生日.....間に合いました(ギリギリ
もう、何が書きたかったのやら。
料理苦手なので、咄嗟に思いつきませんでした。
とりあえず、当日アップ出来ただけで良しと...しておきます。
最近、四聖剣が出張ると藤堂の影が薄くなるような気がしています。