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※「恐怖と勝敗、そして...」の続きです。
生徒会室で。
赤いパイロットスーツを着たカレンは、生徒会のメンバー(ミレイ、リヴァル、シャーリー、ニーナ)と向き合っていた。
「‥‥今頃何しに戻ってきたのかなぁ?カレンさんは?」
リヴァルがおどけた声でまず口を開いた。
重たい雰囲気に耐え切れなくなったとも言う。
「幾つか言いたい事があって」
「‥‥座って良いかしら?落ち着いて話を聞いた方が良さそうだし?」
ミレイが応じる。
カレンが頷くと、みんなに指示を出してそれぞれ椅子に座った。
「どうせなら部屋の外にいる団員もどけて欲しいくらいだけど?」
ミレイの言葉に、カレンは扉に近づいて開く。
外に待機していた団員が、ハッとしてカレンを振り返った。
「お前達は建物の周りで警戒してろ。ここは良いから。‥‥ここと、隣の建物とね。後は学園の周囲を。軍は入れるな。今度こそ」
「ちょっ、待ってカレンッ!」
隣という言葉に、ミレイは悲鳴を上げる。
「咲世子さんに用があるんです。‥‥何してる、良いから行って」
「「はッ」」
バタバタと駆け去る足音を聞きながら、カレンは扉を閉めた。
「聞いて良い?咲世子さんに何の用があるっていうの?」
低い声でミレイは尋ね、振り返ったカレンはミレイを見たが、その問いを黙殺した。
「‥‥まず、苦情を言って良いかしら?どうして枢木スザクを助けたのか。何故、白兜を解き放ったのか。みんな、白兜にここから追い払われたって言っているわ」
「ゼロの黒い機体が建物を背後にして戦ってたからよ。そしてスザクの白い機体が撃たなかったから」
「‥‥余計な事をしてくれたわよね。おまけに、その作業にかまけてナナリーちゃんを一人にしたんでしょう?驚いたわよ、誘拐されてたって知った時は」
カレンのその言葉に、ミレイもリヴァルもシャーリーもニーナも、それぞれ視線を逸らして俯いた。
「スザクが騎士団を追い払わなければ、貴方達が彼女の元を離れなければ、そう思うわ」
「‥‥待ってカレン。あなた今、『誘拐されてた』‥‥って言ったわよね?じゃあ」
「ええ。救い出したわ。学園を守る。そう言ったのはこちらだったし。‥‥お陰で騎士団の団員にかなりの被害が出たけれど」
「何処にいるの?無事なのね?」
「来る気ある?咲世子さんには来て貰わないとだけど。会長達に強制するつもりはないの」
「行くわ。勿論。連れてってくれるんでしょ?ナナちゃんのところへ」
ミレイはキッパリと言い切る。
「ちょっ会長。そんな即答ですか!?そりゃ、ナナリーちゃんの事は心配だけど‥‥危なくないっすか?」
リヴァルは驚いた。
「目を離したのは確かよ。わたしにはナナちゃんの無事を確かめる義務があるのよ。貴方たちにまで来いとは言わないけどね」
「いや、勿論行きますよ、おれは。唯一つだけ。今戦況?ての?どーなってるんすか?」
ミレイの決意を聞いたリヴァルは行く事を決め、それでも気になる状況をカレンに尋ねる。
「わたしがここに来た事で察してると思ったけど?ブリタニア軍は租界から撤退したわ。政庁の一部にまだいるらしいけどね」
「らしい‥‥って、あなたも戦ってたんじゃないの?あの赤いナイトメアで」
「‥‥そのハズだったのだけど。租界を離れてたのよ。そう、ついさっきよ。ナナリーちゃんを連れて租界に戻って来たのは」
「ヘッ?‥‥じゃあ、ナナリーちゃんを助けたのってカレンさんだったのか?」
リヴァルの驚きはもっともで、赤い機体が精鋭中の精鋭だと言う事は一目でわかるからだ。
それを戦場から離してまで一人のブリタニアの少女を助けようとしたのだと言う事に、驚いたのだ。
「わたしと‥‥後二人。一人はゼロ、よ。そしてその邪魔をしに現れたのが白兜って言ったら信じる?」
「「嘘ッ!?スザクが?」」
シャーリーとニーナが驚きの声を上げた。
「扉の前に立ちはだかって妨害してくれたわ。‥‥捕まえて簀巻きにしてるけど。‥‥今度は逃がさないでね」
カレンの声に暗い響きを感じ取った一同はコクコクと頷いた。
「良いわ。咲世子さんにも連絡して、みんなで行くわ。安全は保障してくれるのでしょう?」
「勿論。約束するわ」
ミレイの言葉に、カレンはしっかりと頷いていた。
『‥‥おい。本気で少しかかるぞ、お前等。先に手当てして来い』
ガウェインの中から、C.C.の声が聞こえる。
「何に時間を取られている?‥‥第一、おれ達が説明を求めるのは間違ってはいないと思うが?」
藤堂が声に出して尋ねる周りで、四聖剣や他の幹部、団員達がうんうんと頷いている。
『確かに間違っちゃいないな。だが、カレンが後で説明すると言っていたはずだな?カレンの説明で判らない事があれば聞きに来れば良いだろう?』
「カレンは出かけている」
『そんな事は知ってる。‥‥なんなら、今ここで禁句とやらを言っても良いぞ?』
ズザザザッと騎士団員がガウェインと「怪物」から離れる。
「捨て身の戦法だね~‥‥」
そう評した朝比奈の声は明るいが、作った笑みは引き攣っているし、たらりと汗も掻いていた。
『煩いぞ、C.C.。もう少し静かに出来ないのか?』
小さくゼロの声が回線に割って入って来て、団員達の身がピシッと引きしまった。
『あぁ、もう。いつまでもやってろ。わたしは先に降りるからな』
C.C.の宣言と共に、ガウェインのハッチが開いた。
それぞれに伸び上がるようにして中を覗こうとしていたが、離れていた事もあって、しかと見る前にC.C.が出てきて再び閉ざされてしまった。
C.C.がひょいとガウェインから飛び降りる。
それからスタスタと団員達の間を抜けて、「怪物」の前に立った。
「おい、貴様。降りて来い。それとも『疑惑の名前』とやらを呼ぶか?」
『おぉぉぉぉお。呼ぶハ危険!!今降りませ』
「アイツはわたしが預かる。ラクシャータを呼べば喜んで調べるだろう」
「えぇ、勿論喜ぶわよぉ。勝手に見てもいーのかしらぁ?」
「好きにしろ」
プシュー‥‥と音を響かせて開いたコックピットから、メカオレンジが現れた。
生身の姿を見るのが初めてな騎士団員達は、その変わりように驚いた。
「「「‥‥‥‥なッ‥‥」」」
「あぁ、念の為に言っておくが、禁句とやらの効果は生身の方が強いらしいから気をつけた方が良いぞ」
「「「「「「「そ、それを先に言え先に!!」」」」」」」
団員の大半による非難の大合唱が高々と響き、より遠くに下がり、動かなかった藤堂と四聖剣、ラクシャータはやれやれと溜息を吐いたのだった。
了
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作成 2008.03.08
アップ 2008.03.25
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転機 生徒会とカレン。CCとメカオレンジ。
カレンは咲世子と生徒会メンバーを迎えに行ってました。
そしてせっせとスザクの所業を吹き込んでますね....(汗
....なんか、この話、スザクちっとも良いとこなしですね。
所詮は25話捏造だから仕方がないか。
そしてやっとこさ、メカオレンジ出てきましたね、ちょろっと^-^;;