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★霧崎睦月様へのリクエスト作品★
(藤ルル/ゼロバレ)
「なんだお前達。まだこんなところで止まっていたのか?藤堂、任せておいたはずだが?」
呆れた口調でその場の全員に言った後、ゼロは藤堂に向けて尋ねる。
「あ、あぁ。すまない。それと‥‥‥」
藤堂はまずは謝罪の言葉を口にし、そしてどう話すべきかと悩んで言葉を切った。
「ゼロ!貴方がルルーシュだってホントですか!?」
「なッ‥‥なんだ、いきなり」
カレンの直球に、ゼロは驚いて声を上げたものの、意思の力を総動員して、問い返す。
「藤堂さんが、写真に写っていた『彼が、ルルーシュ君がゼロだ』って言いました。ホントですか?どうして藤堂さんにだけ教えていたんですか?」
ゼロはカレンの言葉に、藤堂を見る。
「‥‥わたしは、教えて良いなんて一言も言った覚えは無いぞ、藤堂」
ゼロのその言葉は遠回しな肯定だった為、あちこちで息を呑む音がした。
「あ、あぁ。すまない。写真の人物描写を千葉が話したらラクシャータと紅月が」
「‥‥なるほどな。二人とも面識があるからわかるだろうな。だが、しらばっくれるくらい出来なかったのか?」
「あぁ、すまない」
謝罪しか口にしない藤堂に、これ以上責めるのも酷だとゼロは溜息を吐いてカレンの問いに答えた。
「説明が面倒だった事もある。藤堂とは面識も有ったし、わたしとスザクの関わりを正確に知っていたからな。顔を見せるだけで事足りたのが理由だ」
「それなら、わたしだって知ってます。わたしだってルルーシュの事知ってました。スザクの事だって」
「お嬢ちゃん。そこまでにしてあげなさぁい。ゼロだってきっと考えた末だったんでしょうしぃ」
カレンの言い募る言葉を止めたラクシャータの瞳には全てを理解した光が浮かんでいた。
「考えた末って?」
「つまりぃ。7年前を知っていた藤堂とぉ、それ以前を知っていたわたし、今を知っていると言うお嬢ちゃんとぉ。誰に話を聞いてもらうのが良いかって事よぉ」
「その通りだ、ラクシャータ。あの時、わたしは動揺していた。まさかスザクが白兜に乗っていたなんて思ってもいなかったからな」
ゼロは自嘲気味な笑声を発し、それがかつて無頼から聞こえてきた笑い声を思い出してカレンは顔を歪ませる。
「わかるわぁ。ナイトメアにナンバーズが乗るなんて今までありえなかったんですものぉ。まぁたくぅ、白兜はハードもデヴァイサーも規格外よねぇ」
「その上、スザクはユーフェミアの騎士になった。‥‥わたしは藤堂の意見が聞きたくなったのだ。7年前のスザクとの関わりを知っていた藤堂に」
ゼロは苦い声でそう言い、「だから藤堂の前で仮面を外したのだ」と締めくくった。
「それは完全に白兜のデヴァイサーが悪いわよぉ。まさかゼロと知り合いで傍にいて、それで第三皇女の騎士に収まるとはねぇ。完全な裏切り行為だわぁ」
ラクシャータがどこか懐かしむような、それでいて呆れた口調で評した。
「あのさ、ゼロッ。もうバレたんですから、仮面外しませんか?」
唐突に、朝比奈が口を挟んだ。
「なんだそれは。バレたのは名前と学生だという事だけだろう?顔を見せる必要はない」
「有りますって。てか隠しているなんて勿体無いです。おれももっと見たいですし」
朝比奈がゼロに詰め寄りながらせがむ。
「ダメです」「ダメよぉ」「ダメだゼロ」
ゼロが考える仕草をした時、カレン、ラクシャータ、藤堂が、一斉に反対した。
「な‥‥藤堂さんまで。どうしてダメなんですか?」
「ダメに決まってるじゃない。見えないの?そこでディートハルトがカメラ準備してるのがッ!」
「あ‥‥。すみませんでした」
ビシッとディートハルトを指してカレンが指摘すると、それを見た朝比奈は即座に謝った。
確かにあの顔をディートハルトに見せたらお終いだった。
どこまででもゼロを追って行きそうで怖いものがある。
「それにぃ。全員、虜にしてしまいかねないしねぇ?お嬢ちゃんが言ったでしょ?『男女問わずモテまくって』って。完全な事実だから、活動に支障がでるわよぉ」
ラクシャータの言葉に、カレンがうんうんと頷いた。
「‥‥‥中佐は何故反対を?」
千葉が藤堂に尋ねる。
「‥‥それはだな。朝比奈、ルルーシュ君に惚れるのは認めないぞ。‥‥おれの、恋人だからな」
藤堂は若干テレながらそう言うと、ゼロを後ろから抱きしめた。
「「「「ッ‥‥なんだってぇ~~~!!!」」」」
「ッ‥‥と、藤堂ッ。何もそこまでバラす必要はなかったのではないかッ?」
ゼロが慌てた声を出したが、それが肯定の言葉である事を、果たしてゼロは自覚しているのかどうか。
「ダメだ。それとも君はおれに嫉妬して欲しいのか?」
「‥‥ふむ。それは良いかも知れないな。藤堂はいつも冷静だし、少しくらい慌てるところを見てみたい気がする」
藤堂の例えに、ゼロは思わず真面目に考え込んで、素でそんな事を返してしまう。
「‥‥慌てるとは限らないだろう?そうなった時、おれは何をするか自分でもわからない。危険だから試さないでくれないか?」
「わかった。とりあえず、今はまだ仮面を外す気はないな。‥‥ラクシャータ。一度だけ尋ねる。離れるか?それともこのまま残るか?」
ゼロは頷くと藤堂の腕の中から逃れないままにラクシャータに尋ねる。
「残るわよぉ。勿論。今まではぁナイトメア弄る為にここにいたけどぉ。これからはぁ貴方についていく為にここに留まるわぁ」
「そうか、助かる。‥‥カレン。君は?」
「従うわ。わたしは零番隊隊長、紅蓮弐式のパイロット、ゼロの騎士だもの。それに、もうスザクにあんな事言わせたままになんてさせないから」
「‥‥‥良いのか?」
何故か念を押すゼロに、カレンは苦笑した。
「良いのよ、もう。というか、これまでの態度、謝るわ。本当にごめんなさい、ルルーシュ」
「いや。おれの方こそ、知っていてからかったりしていたからな」
「ゼロ、一人称」
藤堂が注意を入れるとゼロは「あ。」と言った後押し黙った。
「え!?ゼロって表じゃ一人称『おれ』なんですか?あの姿で『おれ』‥‥なんかすっごくかわ‥‥、すみません、藤堂さん睨まないでください」
「言ったはずだぞ、朝比奈。ゼロは渡さん」
藤堂はゼロを抱きしめる腕に力を込めながら言う。
「藤堂、息苦しいから力を緩めろ。それと苦情は後でC.C.に言っておく事だ。ちゃんと言わないとあいつには通じないからな」
「すまん、ゼロ。‥‥そうだな、そうしよう」
「‥‥扇。お前達はどうだ?離れるか、残るか」
「従うよ。君にリーダーをして欲しいと頼んだのはこちらだ。今更それを撤回するつもりはない。これからもよろしく頼む。‥‥但し」
扇はゼロを受け入れ、頭を下げて今一度頼んだ後、ゼロをヒタと見据えた。
「但し、君が学生だというのならば、まだ睡眠は十分に必要な年頃だという事を念頭に入れておいてくれないか?もっと大人を頼って欲しい」
扇が元教師らしく生活態度を注意した。
「良いかぁ?今度テメェが白兜と直接対決するような作戦練りやがっても従わねぇからそのつもりでいろよ」
玉城は親友だって思ってた相手に直接対決を挑む必要はないと言う。
「つまり、中佐ではなく、扇さん達が中佐に嫉妬しているようですよ?自分達にも頼れ、と」
黙ったままのゼロに、千葉が言う。
「‥‥そ、そうだな。‥‥ありがとう、諸君」
「ゼロ。感動するのは良いが、惚れてくれるなよ」
ゼロが微かに肩を震わせているのが伝わってきて藤堂は、ゼロが受け入れられた事を良かったと思う半面、少し複雑な気分で水を差した。
了
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作成 2008.04.11
アップ 2008.04.13
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霧崎睦月様へ。
お気に召していただけましたでしょうか?
リクエスト内容に合致しているかはいまいち不明ですが、
どうぞ、お受け取りください。