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コードギアスの二次創作サイト。 ルルーシュ(ゼロ)至上主義です。 管理人は闇月夜 零です。
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ギ ア スの小説を書いています。
ゼロ(ルル)至上主義です。
騎士団多め。
表現力がなく×ではなく+どまり多数。
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「軽いショック症状ね。‥‥しばらく休んでいたら落ち着くと思うけどぉ?」
そういって枕元を離れるラクシャータに、咲世子はホッと息を吐いた後、深々と頭を下げる。
「はい。‥‥お手数をおかけしました」
「さぁ~て、と。一応プリン伯爵のところにも行っとこうかなぁ。えっと?付いて来て貰っても良いかしらねぇ?アッシュフォードのお嬢ちゃん?」
「咲世子さん、少しの間お願いしても良いですか?」
ラクシャータに頷いたミレイは咲世子に頼むと一緒に部屋を出た。

二人になったものの、どう声を掛けるべきか、藤堂は悩んでいた。
目の前で憔悴して座るロイドという男は、ルルーシュに対して騎士に‥‥と願ったという。
主と仰ぐ者が、たった一つ、大切にしている存在に仇を成したのだと思えば、この状態はありえない事ではないだろう。
そこへ、控えめなノックが届く。
「‥‥。なんだ?」
ロイドが反応しないので、藤堂が返事を返す。
「あれぇ。藤堂、ここにいたんだぁ?今アッシュフォードのお嬢ちゃんと一緒なんだけどぉ。入れて貰えるぅ?」
「空いている。入ってくれ」
藤堂は青い顔を上げるロイドを見ながら返事をした。
すぐに扉が開いてラクシャータとミレイが入ってくる。
「まずぅ。お姫さまは平気よぉ。少し休めば良くなるわぁ。‥‥あんたを励ますのは業腹だけどぉ、だから元気出したら?」
「‥‥そ、うか‥‥。ありがとう、ラクシャータ」
ロイドが素直に礼を言うと、ラクシャータはすぐさま両腕をさする仕草をした。
「ぅわ~。明日は絶対雪だわねぇ。‥‥藤堂、少し詰めなさぁい。お嬢ちゃん、あんたも座ったらぁ?ちょっと話がしたいからさ?」
「‥‥‥。邪魔なら消えるが?」
「それならそうと言ってるわよ、藤堂。‥‥まぁったく、一人涼しい顔しちゃってさぁ。絶対、部外者じゃないでしょ、あんた」
ラクシャータの言葉に、ミレイとロイドは顔を見合わせ、ミレイはロイドの隣に座って向かいの二人に視線を向ける。
「な~んにも知らないって割には、さっき、あのお姫さまを運ぶ時はすっごく丁重に扱ってたわよねぇ?」
「‥‥って、ラクシャータ、君‥‥」
「そーりゃ、気づくでしょぉ?アッシュフォードがついてたりぃ?幼少時にナイトメアに乗ったり~とか有ればぁ?その場にいた事もあるしぃ?」
ラクシャータは「馬鹿にしないでくれるぅ?」と嫌そうに眉間にシワを寄せた。
「‥‥‥そーだっけ?」
ロイドは首を傾げて昔の記憶を引っ繰り返すも、出てくるのは主の事ばかりで。
「あんたはお姫さまの傍にはあまり来なかったから知らないでしょ~けどぉ。‥‥心配しなくても他に話すつもりはないわよぉー」
ラクシャータはロイドを小馬鹿にしたように言った後、ミレイに向かって他言しないと断言した。
「‥‥言葉を交わした事もなければ、直接会った事もない。ただ、‥‥何度か遠目に拝見しただけだ。‥‥七年前に、な」
三人の視線が集まった事で、藤堂は観念してそう告げた。
「あぁ、なるほどねぇ。あんた、そういえば、枢木スザクの師匠だったっけぇ?」
「そうだ。‥‥開戦のドサクサで亡くなったと聞いていた。身を隠しているのならば、触れない方が良いと判断したから黙っていたが」
スザクの事は軽く肯定するだけに留めた藤堂は、ナナリーについての説明を続けた。
苗字が変わっている以上、身を隠していると判断するのは当然だろう。
「あぁ、な~んだぁ。そういう意図かぁ。何考えてるのかと思ったわぁ」
「‥‥それについては、感謝します。‥‥頼っておいて失礼とは思うけど、ゼロは皇族であるクロヴィス殿下を殺害しているから」
ミレイはみなまでは言わなかった。
「んー?でも待ちなぁ。藤堂、あんた確か、ゼロとも七年前に一度会った事があるとかないとか言ってなかった?もしかして‥‥」
ラクシャータは眉を顰めながら、藤堂を見て言う。
「それは判らない。が、おれが会った時には彼女達は傍にはいなかった。‥‥ゼロの事だから、気づいている可能性の方が高いとは思うが‥‥」
藤堂は曖昧に答える。

そこへ再びノックの音。
ミレイがさっと同席者を見渡して返事をする。
「はい。どなたですか?」
「ゼロだ。荷物がある。不都合がなければあけて貰えるか?」
このタイミングで?とは誰もが思ったものの、荷物と言われてミレイは立ち上がる。
続いて何故か藤堂も立ち上がり、ソファを回った。
「今、開けます」
ミレイが鍵を開けて扉を開くと、ゼロが立っていて、その横にそれ程大きくはない箱が置いてあった。
「キョウトからの荷物に入っていた。わたし宛てだったから開けたが‥‥。中身は客人に宛てられているようだったから持ってきた」
「それは‥‥ありがとうございます。‥‥入ってください。あ、荷物は持ちます」
ミレイは扉を全開にしてゼロを招き入れようとしたが、ゼロが荷物を抱えようとしたので、慌てて制する。
「見た目の割に重いから止した方が良いぞ。‥‥藤堂、頼む」
ミレイがゼロに持たせるのを悪いと思っているのだと気づいたゼロは、近くまで来ていた藤堂に言う。
「あぁ、承知した」
そう言って荷物を持ち上げた藤堂は、ゼロの言った通り見た目に比べてかなり重いそれに眉を顰めた。
だが、何も言わずに持って入ると、ローテーブルの上にそっと乗せ、ミレイは扉を閉めて鍵を掛けるとテーブルに近づく。
「キョウトからって‥‥差出人は桐原公ぉ?」
興味をそそられた様に、荷物の箱に視線を向ける。
「‥‥表向きはそうらしいな。‥‥だから気付かずに開けたのだが‥‥。中に手紙が入っていた。内容は見ていないが」
表向きと言う言葉に、ラクシャータは首を傾げ、ロイドとミレイはハッとして中にあるという手紙を探す。
手紙を見つけたのはミレイの方が早かったが、手を伸ばして浚うのはロイドの方が早かった。
一通の白い封筒、その宛名は「ゼロ」であり、差出人は「桐原」とあり、封もあいているので、ロイドは視線をゼロに向ける。
「‥‥その中にもう一通の封筒が入っている。また中に入れて持って来ただけだ。見てみろ」
「あ、‥‥座ってください。‥‥藤堂さんも」
自分も立っていたミレイが二人を促した。
手前の一人掛けソファの前にはミレイが立ったままだったので、ゼロは奥の一人掛けソファに移動して腰を下し、藤堂とミレイも元の場所に座り直す。
その間に、ロイドは中から封書を取り出した、今度は淡い紫。
宛名には「ロイドとミレイ」とあり、差出人は書いていなかった。
ロイドは丁寧な手つきで封を切り、中身を取り出す。
手紙を開くロイドの横から、ミレイが覗き込んだ。
黙々と文面を追っているらしい二人に、ゼロと藤堂、ラクシャータは無言で二人の反応を見ている。
ロイドは真摯な表情を一貫して動かさず、ミレイは徐々に表情を驚きに変化させながら終わりまで目を通していた。

ロイドは自分のペースで二度読み返すと、手紙はミレイに渡し、荷物を漁る。
「‥‥一体どんなこと書かれてたのぉ?プリン伯爵ぅ?」
何の説明もないまま、箱を漁るロイドに、ラクシャータが不機嫌な声を投げる。
「あ、コレかなぁ~。だってぼくの好物を入れてくれてるって書いてあったんだよ?それが先に決まってるじゃないか」
そんなロイドを見て、ラクシャータは呆れて黙り、藤堂は「どうやら少しは元気になったようだな」と思って少し安堵する。
「‥‥ロイドさん。ナナちゃんと咲世子さんの分まで食べてしまわないでくださいね」
ミレイもまた、呆れた様子でそこだけはと注意する。
断熱素材で包んだ物を取り出したロイドは、傍目にも嬉しそうに包みを解いていた。
「わかってますよ~。それは当然じゃないか~。‥‥あ、君の分は貰っても良い?」
「ダメに決まってるでしょ?わたしだって好きなんですから、譲るつもりはありません」
図々しいロイドに、とんでもないとミレイは拒否する。
包みの中からは保冷剤と、プリン。
十分冷たいそれに、ロイドはご満悦だった。
「‥‥でぇ?わたし達を目の前にして一人で食べるつもりなのかしらぁ?プリン伯爵ぅ?」
プリンを前に小躍りしそうなロイドを見るに、「ラクシャータの呼び方はあながち間違いじゃないな‥‥」と藤堂は実感を持って納得してしまった。
ロイドはむっと顔を顰めて言い返そうとしたが、ゼロの存在に気付いてゼロが来る前の会話を思い出した。
「‥‥ゼロぉ。あんた、あの車椅子の少女の事、知ってたのぉ?」
ロイドの視線が流れた事に気づいたラクシャータがゼロに尋ねる。
首を巡らせてラクシャータを見たゼロは言いたい事がわからずそのまま思案する。
「‥‥おれが七年前、彼女に会った事があると言ったら、ゼロに会ったのも七年前だから面識が有ったのか、と問われていた」
仮面の下で混乱している事を知っていた藤堂が、ラクシャータの問いを補足した。
「‥‥彼女の、素性‥‥か?‥‥なるほど?それで警戒していたわけか。確かに知っているが、殺めるつもりはない」
落ち着いたゼロは内心で藤堂に礼を言い、クスリと笑って肯定し、案じているらしい三人の懸念も取り除く。
「‥‥‥‥。それは七年前に交流が有った、から?」
「いや?ないな。盲目で車椅子、『ナナリー』と言う名前‥‥七年前を知っていればすぐにわかる事だ。‥‥だから藤堂にも訊ねなかっただろう?」
「なら何故?貴方はクロヴィス殿下を殺めているわ。‥‥それとも、クロヴィス殿下個人に何か?」
同じ皇族と言う事でミレイは心配していたのだが、「もしかしてクロヴィス個人?一体どんな恨み?」と考える。
「‥‥日本に送られた時点で、切り捨てられた‥‥つまり縁が切れていると解釈していたが‥‥違ったのか?」
ゼロの考えを口にし、もし違うのならば‥‥と怪しい響きを乗せた最後のセリフに、ロイドとミレイは慌てて否定するべく首を振った。
「違ってない違ってないわ。悔しいけれど、切り捨てられたのは事実だわ‥‥。名目はどうあれ事実上人質だったはずなのにそれでも開戦したんだもの」
「全く。亡くなったって聞いた時には‥‥って、ミレイくんは生きている事知っていたんだよね‥‥ずるいなぁ~」
「‥‥仕方がないでしょう?あの時は亡くなった事にして匿わなければ、本当に日本かブリタニアかに殺されていたんだから」
危機一髪で助けた時の状況を思い出したミレイは、もしあの時間に合わなかったらと身を震わせた。
「勿論、お助けした事と匿った事はちゃんと感謝してるよ~。ご無事ならそれが一番なんだし」
遠くで訃報だけを聞いたロイドと、近くで命を狙われる様を見て来たミレイと、どちらが辛かったかなど比べるべきではない。
二人はその事をわきまえていた。

───────────
作成 2008.02.11 
アップ 2008.03.13 


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ナナリーin騎士団【8】騎士団客室。ロイド復活。(五人の会話)

※引き続き、あとがきその時で書いてません(汗

前半ラクシャータメイン?
何気においしい役どころかも。
なんとなく、(それぞれ違った)裏事情を知ってそうなメンバーが揃いましたね^-^;;
今回の暴露はラクシャータと藤堂とゼロ。
バラそうかバラすまいかと悩んだ結果...だったかなぁ?
ロイドとミレイの騎士候補達が健気。

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