忍者ブログ
コードギアスの二次創作サイト。 ルルーシュ(ゼロ)至上主義です。 管理人は闇月夜 零です。
| Admin | Write | Comment |
フリーエリア
ギ ア スの小説を書いています。
ゼロ(ルル)至上主義です。
騎士団多め。
表現力がなく×ではなく+どまり多数。
カレンダー
04 2025/05 06
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
カウンター
アクセス解析
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ゼロはトレーラーの自室に篭り、「これだからこの手のイベントはッ」と忌々しげに呟いてソファにどさりと沈み込んだ。
今ここにC.C.はいない。
朝出掛けに、「ピザ10枚」と言ってきたので、今日は部屋で大人しくしているだろう、それが今は救いだった。
このまま寝てしまおうか、そう思わないでもなかったが、朝比奈が用事が有ると言っていたのを思い出し、ゼロは顔を顰めた。
朝比奈のテンションに今はついていけないと、ゼロは藤堂へ連絡を入れた。

朝比奈が再度ゼロを迎えに行く為に部屋を出ようとした時、奥の部屋から仙波が出て来た。
「朝比奈。迎えにはわしが行く事になった」
そう言った仙波は朝比奈を部屋に押し戻すと自分が出て行った。
誰にも何も言う隙を与えない、素早い行動だった。
朝比奈が我に返った時には、既に仙波の姿は何処にもなく、朝比奈は奥の部屋に直行した。
「藤堂さん、どういう事ですか?迎えはおれが行くって言ってたのに」
「諦めろって、朝比奈。仙波さんを指名したの、ゼロだしさぁ」
卜部が言うと、朝比奈は「が~ん」と擬音つきでショックを受けていた。

千葉は月下のコックピットの中でモニター越しに、仙波を発見して首を傾げた。
荷物を担いだ団員を一人従えてアジトから出て行った仙波は、どこか団員に気を使っているように見えたからだ。
「折角ゼロが良いものをくれたというのに、みなどこへ行ったのだ?‥‥中佐までおられないし」
千葉は一人そう呟いたのだった。

仙波は頭痛がする頭を手で押さえながら、背後に向かって声を投げる。
「別に、あの姿のままでも宜しかったのでは?」
「だが、用があるのは『ゼロ』なのだろう?団員姿で行っても意味がないだろう?」
あっさりした答えが返ってきて、仙波の頭痛は酷くなる。
「‥‥いつもこのような場所で着替えを?」
「あぁ。人がいた時の為に、他にも幾つか確保してあるが?‥‥もう良いぞ、仙波」
ゼロを振り返った仙波は、ずずずいと近寄ると有無を言わさぬ口調で言った。
「次からは、わし等四聖剣の誰でも良いから、呼びつけるか、着替えずにアジトまで来るように。宜しいですな!?」
ゼロが戸惑っていると、「この件は藤堂中佐にも報告させていただく」と言って、先に立って歩き出した。
ゼロはまだ戸惑いながらも、その後に従った。

仙波が立ち止まって「ここです」と示したのは、一月前にゼロが男性幹部を連れてきた場所だった。
「‥‥‥‥帰る」
ゼロはポツリと呟くと踵を返して引き返し始める。
仙波は慌てて止める。
「ゼロ。‥‥用事が済んだ、という事は千葉達にお返しを渡したという事ですな?ご自分だけお返しを渡しておいて、わし等に渡すな、と?」
仙波の言葉に、ゼロの足がピタリと止まる。
「まさか‥‥全く思われなかったのですか?」
この期に及んでゼロが逃げに出るとは思っていなかった仙波は、もしやと思って尋ねてみたのだが。
「わたしは男だ。この日に何か貰うなどと思うわけがないだろう?」
ゼロにキッパリと肯定されてしまった。
「ゼロ。この場合、前提条件が異なりますぞ。一月前に渡せば、今日貰う可能性は高くなると言う事ですな」
仙波はそう言ってゼロの認識の誤りを訂正すると、「さあ入ってください」と促した。
ゼロは諦めの息を吐くと扉に手を伸ばした。

ゼロは入った途端、にゅ~ぅと突き出されたカラフルな物体に、固まる。
いや、それが花束だという事は、ゼロにも理解できたのだが、差し出してきた人物が玉城だった事で、頭が拒否してしまったのかも知れない。
「‥‥‥。あー‥‥その、なんだ。この前の、ケーキは美味かったからさ。おれ達にゃあんなの作れねぇし、それぞれで何かってのも金がねぇしで、コレやる」
玉城が黙ったままのゼロに向かって、ポソポソと言い訳じみた説明をしてみせた。
「「「「感謝の気持ちとして、受け取ってくれ、ゼロ!!」」」」
杉山と、南と、吉田他、前回集まった隊長クラスの男達が唱和する。
その中に、ディートハルトがいないのを素早く確認したゼロは、玉城の持つ花束を受け取った。
「‥‥‥あ、ありがたく、受け取ろう」
声を引きつらせながらもゼロはそう言った後、一同を再度見渡して尋ねた。
「──ところで、今日の作業は終わらせているのか?」
礼を言ったゼロに、浮かれて騒ぎ始めていた男達は、その一言で、ピタリと動きを止めた。
「ッ‥‥な、なんでぇ、今日くらい、固い事言わなくたって良いじゃねぇか」
「玉城。言葉は正しく使った方が良いぞ?固い事ではなく、当たり前の事だ」
ゼロが言い直すと、杉山と南が笑い、つられた他の者にも伝染した。
「ま、おれ達の用件は済んだし、帰って作業の続きでもするか」
杉山の言葉に、玉城以外が頷いて、玉城は南と吉田に引きずられるようにしながら出て行った。
「後は任せた」との言葉が仙波に残された。

その場がゼロと仙波だけになった後、ゼロは仙波を振り返る。
「わし等の当面の作業は終わっておりますよ」
仙波の言葉に、ゼロは諦めて奥の部屋へ向かった。
扉を開くと朝比奈が突っ込んでくる勢いで近づいて来た。
「酷いよ、ゼロ~。おれが迎えに行くって言ってたのにー。なんで仙波さん?」
「朝比奈、耳が痛い。もう少し静かに話せんのか」
「遅くなってすまなかったな、藤堂」
ゼロは朝比奈をスルーして奥に座ったままの藤堂に声を掛けた。
「いや。‥‥用事は済んだのか?」
「あぁ‥‥、当面はな」
後ろで仙波が扉を閉めて鍵を掛けるのを音で察したゼロは、そのまま仮面を外した。
仮面をつけた状態で花束を持つ図は、ミスマッチ過ぎて笑いを誘うか、不気味なだけだが、仮面を外せば、似合う‥‥どころか花束が霞んで見えさえする。
「今日も綺麗だね~‥‥てか、なんか疲れてる?顔色悪い気がするけどー?」
ゼロが仮面に手をやった時からウキウキと期待に満ちた目で見ていた朝比奈が、それと気付いて表情を曇らせて尋ねた。
「‥‥少し寝不足なだけだ」
「とりあえず、座りなって。茶ぐらい出すぜ」
「ぐらい、じゃないですよー、卜部さん。さぁさ、行きましょ、ル‥‥‥‥じゃなくて、ゼロ」
危うく言い直した朝比奈はゼロの背を押して奥へ誘う。
「‥‥待てッ。わたしは靴を脱がなければッ」
畳の間との境にある段差に躓いて危うく転びそうになるゼロを、近くまで来ていた卜部が慌てて抱きとめた。
「ッぶねぇ~。朝比奈、テメ、慌てすぎ。‥‥大丈夫か?ゼロ」
卜部がそのまま朝比奈に文句を言って、ゼロを気遣う。
後ろにいた仙波は問答無用で朝比奈の頭に拳を落とした。
「ッ~~~。ご、ごめんね、ゼロ」
朝比奈は自分に非がある事が判っているので、痛いのを我慢してゼロに詫びる。
「あ、あぁ。‥‥助かった、卜部。朝比奈も、そう気にするな。なんともなかったのだから」
礼を言って一人で立つと、ブーツを脱いで、揃えてから畳の間に入る。
「以前も思ったが似合わないな‥‥」とゼロは思い、マントも外して畳んで端に置いた。
「しっかし、ゼロ。ちゃんと喰ってるのか?腰回りなんてありえないくらい細いんだけど」
手をわきわきとさせながら言う卜部にゼロはさっと赤くなった。
「──ッ食べている。食べても太らないのだから仕方がないだろう。それより、花瓶とかないのか?このままでは花が可哀相だ」
「んじゃ、おれが水につけてきてやるよ。別に今愛でる必要はねぇんだろ?」
卜部は言うと、ゼロの手から花束を取り上げて一旦部屋の外に出て行った。
「ゼロ、とりあえず座れ。疲れているようだし、ゆっくりしていけば良い」
藤堂の声を聞いて、平静を取り戻したゼロは畳の上に正座した。
「‥‥ッあ。お茶でも注ぐか?」
「って、ゼロ?君、客だって自覚ある?お茶くらいおれ達にだって淹れられるんだから、ゆっくり座ってなよ」
座ってすぐに立とうとするゼロに、朝比奈は呆れて言う。
「何かしていないと、どうも落ち着かなくてな‥‥‥‥」
ゼロはそう応じながらも息を吐いて気持ちを落ち着けた。
そこへ卜部も戻ってくる。
「では、始めましょうか、藤堂中佐」
仙波が頃合いと藤堂に声をかけた。
「おれ達は、君のように手作り等はとても出来ないから、買って来たモノになって申し訳ないが」
藤堂の言葉に、仙波、卜部、朝比奈がテーブルの上に皿を載せ始めた。
いちごのショートケーキ、いちごタルト、いちごプリン、それにいちご大福と見事にいちご尽くしだった。
ゼロは目を見張ってそれらを見てから、藤堂と四聖剣を見上げる。
「‥‥‥‥買ってきたって、こんなに、どこで?」
「紅月さんに良い店教えて貰ったんだよね。前にゼロ、いちごが好きだって言ったこと有ったろ?それで」
朝比奈がにこにこと笑って説明する。
「どうだ?気に入ったか?まずくはないと思うんだけどさ?」
卜部が首を傾げながら問いかける。
「『まずくはないと思う』ではなく、素直に『おいしいと思う』と言った方が良いだろうに‥‥」
仙波は卜部の言葉を注意していた。
「ゼロ、‥‥まぁ食べてくれ」
藤堂が少しテレながら勧めた。

始まりは一月前のゼロの我が儘だったはずなのに。
花を貰い、お菓子を貰う。
そんな可能性など、全く考えていなかったゼロは、この時、やっと心からの笑みを見せた。

「ありがとう‥‥本当に、嬉しい‥‥」
ゼロは、ルルーシュはそう言うと真っ赤になって俯いた。



───────────
作成 2008.03.14 
アップ 2008.03.14 


───────────
ホワイトデー 【後編】騎士団編。藤堂、四聖剣、玉城、杉山、他。

最後です。
藤堂はどっしり構えてるよなぁとか思ったら。
四聖剣の方が出張りましたね^-^;;
仙波と卜部がご活躍?
ちょっと朝比奈が可哀想です。
終わりました。眠いので寝ます。おやすみなさいzzzzz

PR
この記事にコメントする
NAME:
TITLE:
MAIL:
URL:
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
PASS: 管理人のみ表示

この記事にトラックバックする



この記事へのトラックバック
≪ Back  │HOME│  Next ≫

[57] [56] [55] [54] [53] [52] [51] [50] [49] [48] [47]

Copyright c No.1(再録用ブログ)。。All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog / Template by カキゴオリ☆
忍者ブログ [PR]