(「入.団試.験」設定/過去捏造/皇子i.n本.国/セ.シルi.n離宮)
セシルはすぐに皇子と皇女に打ち解けて貰えた。
皇女にせがまれて一緒に遊びながら、何か有れば困るとどこか気を張っていた。
セシルはだからすぐに気づいたのだろう。
皇族の住まう場所にしては人が少ないという事に。
「殿下。‥‥あの、使用人とか、いらっしゃらないのですか?」
セシルが尋ねた相手は皇子で、「もしかしたら聞いても判らないかも知れない」とも少し不安に思いながらだったけれど。
「いない。ははうぇがいないときにはひとはいないことになってる。でもせしるはははうぇがつれてきたからすきなだけいるといぃ」
幼い皇子の一生懸命な言葉を聞いて、セシルは「普通は逆じゃなかろうか?」と首を傾げる。
「あの、ロイドさ、‥伯爵とかは?」
「ろぃどはくるぞ?きょぅはははうぇがつれてぃくとぃってたからきてなぃけど。ぅんだれかきてる」
なるほど、とセシルは納得した。
今回は様子を見にやってくる人達がみんな都合がつかなかったから自分に白羽の矢が立ったのだという事を理解した。
「‥‥えーと、そうすると料理の仕度をした方が良いのかしら?」
にっこりとセシルは幼い皇子に微笑みかける。
皇子はこっくりと頷いてから一言、「てつだぅ!」と告げた。
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2008.06.14作成
2008.06.24-2008.07.02up
2008.07.28再録
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