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コードギアスの二次創作サイト。 ルルーシュ(ゼロ)至上主義です。 管理人は闇月夜 零です。
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ギ ア スの小説を書いています。
ゼロ(ルル)至上主義です。
騎士団多め。
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租界を、ブリタニアの男子学生が一人後ろを気にしながら走っている。
少し離れた場所では、その男子学生を追いかけるように走る複数の女子学生。

学園の外に出れば追ってこないだろうと思っていたルルーシュは、走りながら己の甘さに内心舌打ちをする。
このままでは早々に息が上がって追いつかれるのは目に見えている。
第一、かなり目立つので、何処で誰に見咎められるかも知れない今の状況は、ルルーシュにとって、かなり有り難くなかった。

千葉は一人、ゲットーの一角で呆然と壊れた壁──正確には壊れた壁に貼られた破れた貼り紙──を見ていた。
なんとか読み取れる文字を繋げるに、この場所に在ったハズの店の転移の知らせ文らしい。
移動先が租界だと言うのも問題だが、地図の部分がほとんど読み取れない事も大問題だった。
地名で、大まかな場所はわかっても、随分と様変わりしているに違いないその場所にたどり着くのは至難の業だろう。
千葉は一度腕時計に視線を送ってから、その場所に向かうべく踵を返した。

「角を曲がって、身を、隠すッ。‥‥ゲットーに、近い、から‥‥、それで、諦める、ハズだッ」
弾む息の合間に、そう呟いたルルーシュは、早速手近な角を曲がった。
もう一度曲がれば‥‥と思っていると、その場所から出てきた相手とかなり派手にぶつかってしまった。
勢いが出ていた事も手伝って、ルルーシュはかなり派手にすっ転ぶ。
「くッ‥‥失礼した。‥‥急いでいたもので‥‥ッ」
自分に非があるとわかっていたルルーシュは、上体を起こしただけで相手を気遣って声を掛けたのだが。
そこにいた人物に見覚えがある事と、相手が口の前に指を立てて短く「しッ」と鋭く注意したのとで、途中で口を噤んだ。
「あ、すみませ~ん。こっちに学生が一人来ませんでした?すっごく綺麗な男の子なんですけどぉ?」
ルルーシュを追っていた女子の一人が千葉に声を掛けた。
どうやらルルーシュの事は千葉の影になっていて見えなかったらしい、というか、明らかにイレブンの千葉に対し声を掛けるとは勇気のある奴だ。
「‥‥少年なら、その先を左に曲がって行ったぞ」
「どうもありがとう」
千葉のおこなった嘘の説明に女子達が礼を言ってその方向へと駆け出していった。
足音すら聞こえなくなってから、ルルーシュは立ち上がる。
「‥‥まずは礼を言います。‥‥助かりました。‥‥あの先に、危険はありませんか?」
「あぁ、気にしなくて良い。ぶつからなければ逃げ切れていただろうし‥‥。あの先は租界の別の道に出ていたはずだ。‥‥怪我はないか?」
千葉は相手の少年がかなりの美形──美人と言っても差支えない──と気づいて目を見張りながら、声をかけた。
「ぁ、はい‥‥。受け身らしきものはちゃんと取れましたから‥‥。本当にすみません」
「あー‥‥それはもう良いんだが。少し道を尋ねても良いだろうか?」
改めて詫びるルルーシュに、千葉はそのままでは相手の気がすまないのだろうと、そう聞いてみる。
これで場所が分かれば、千葉としても助かるのは確かなのだ。
「おれでわかる場所なら良いんですが?‥‥どこですか?」
千葉はメモを書いた紙を見せながら、「ここなんだが‥‥」と指で示す。
「‥‥あぁ、『なごみ』、確か和菓子屋、でしたよね」
ルルーシュはメモ用紙を覗き込んでから頷いた。
一度咲世子に連れて行ってもらった事がある、かなりおいしい和菓子を提供する店だ。
「‥‥知っているのか?」
「えぇ。‥‥ただ、口で説明するには、入り組んだ場所にいますから‥‥」
「‥‥案内して貰うわけには、いかないだろうか?」
入り組んだ、と言われて千葉はますます単独での到着に不安を抱いた。
ルルーシュは珍しく不安そうな千葉に、少し考えてから時計を見る。
「‥‥一時間なら時間を取れます。おれで良ければ案内しますよ」
千葉はホッとした表情を浮かべて頷いた。
「よろしく頼む。‥‥わたしは千葉という。‥‥君は‥‥」
「‥‥‥‥。ランペルージ。学生です」
ルルーシュは無難に姓だけを名乗った。
藤堂の事を考えたからだが、どの道カレンの耳に入れば同じか、と諦めが入りながらも「こっちです」と言って先に立って歩き出した。

小さなキャンピングカーを改造して和菓子屋を営む『なごみ』の主は、見知った顔に笑みを浮かべた。
「いらっしゃい、久しぶりだねぇ、千葉ちゃん。今日もいつも通り五つかい?」
「あ、いや‥‥。‥‥そう、五つを包んで、それとは別に二つ、頼めるかな?」
「はい、まいどぉ。‥‥彼氏かい?」
連れの顔が見えていない店主は、そう言って千葉をからかいながら、和菓子を詰めている。
「‥‥ここまでの道がわからなかったので、案内を頼んだだけだ。‥‥もう少しわかりやすくして欲しかったが」
「あー‥‥そうか。すまないねぇ、千葉ちゃん。馴染みには来て欲しいけど、来て欲しくない連中もいるもんだから‥‥」
千葉は紙袋を受け取って料金を渡す。
「‥‥なら租界に移動したのは‥‥」
「以前いたゲットーの辺りも、急に軍人が押し寄せてきたからねぇ‥‥。ほとんど仕方なく、だよ。それに道も悪いから車じゃねぇ」
諦めの入った店主の言葉を聞いた後、千葉は少しばかり強引に話を終わらせて店を後にした。

「‥‥聞こえていたか?」
少し離れた場所で待っていたルルーシュに、近寄った千葉は気まずそう尋ねていた。
「‥‥聞こえていましたが、だからと言ってどこかに報告するつもりはありませんよ」
ルルーシュは肩を竦めて、投げやりに言った。
実際、そんなつもりは毛頭なかったし、店主の言っている事は事実だったから腹も立たない。
いや、ルルーシュ自身が、ブリタニアや軍人に対して腹を立てている状態だから、共感するところの方が大なのだ。
千葉は暫くルルーシュをジッと見つめていたが、紙袋から和菓子をひとつ取り出すとルルーシュに差し出した。
「案内をしてくれた礼だ。‥‥こんなもので悪いが‥‥」
「迷惑をかけたお詫びと、嘘の証言をしてくれたお礼に案内したはずだったのですけど?」
ルルーシュは首を傾げて千葉の差し出す手を見る。
「あぁ。だが、予定時間を越させてしまったようだから、な」
千葉に言われて時計に目をやったルルーシュは、思った以上に経っている時間に目を丸くした。
計算上では時間内だったはずが、疲れていたせいか、歩く速さがいつもよりゆっくりになっていたようだとルルーシュは分析した。
「‥‥では遠慮なく。‥‥ゲットー付近まで行けば後はわかりますか?出会った場所まではとてもご一緒できませんが」
「あぁ、助かる。最後まですまない、ランペルージ君」
ルルーシュは貰った和菓子を鞄に入れると、少し足早に歩き出した。

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作成 2008.01.31 
アップ 2008.03.16 


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Ⅱ.ばったり遭遇「千葉」編 【1】千葉は買い出し中、ルルーシュは逃走中(笑)。

ばったり遭遇と言うと、ぶつかるしかないのかぁ~と言いたくなるけどまたぶつかってます。
何気に仲が良さそうです。ほのぼの?
ルルーシュを追っていたのは学園の女生徒でした....後でミレイの雷が落ちそうだなぁ女生徒達に。

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