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★零夜様へのリクエスト作品★
(ルルーシュ騎士(カレン、藤堂)話でスザク糾弾?)
最後に千葉が一礼をして去って行くのを見届けてから、カレンと藤堂はゼロを振り返り、視線を合わせるためにその前に膝をついた。
「ゼロ。手は痛まないか?かなり派手な音がしていたが」
藤堂が尋ねると、ハッとしたカレンが問題の腕に手を伸ばす。
「平気ですか?ゼロ。‥‥まったくあんの体力バカのせいでッ。次会った時はギッタギタにやっちゃって良いですか?ゼロ」
「カレン。‥‥猫を被っている場所でやるのは難しいだろう?一応病弱設定なんだから大人しくしていろ」
「紅月が病弱設定‥‥ボロ出してないのか?」
そのそぐわない設定に、藤堂は唖然として尋ねる。
「あ、藤堂さんバカにしてるわね?これでも見破られた事は‥‥ゼロにしかないわ」
「いや‥‥。生徒会のメンバーはみんな気付いていると思うぞ?わたしの猫を見慣れているからな。もう少し気をつけて被った方が良い」
「ぅ‥‥そりゃ‥‥貴方には敵わないのは認めるけど‥‥そんなにバレバレでしたか?」
「少なくとも会長とリヴァルにはバレてると思うな」
ミレイとリヴァルの会話を思い出して、「バレているのだが」と思いながらも控え目に言って苦笑した。
「‥‥それでも!それでも良いんです。病弱じゃない事が他のみんなにバレたってそんな事は気にしないわ。スザクは許せないから!」
自分の病弱が偽りだとバレる事と、ルルーシュの現状とを秤にかけたカレンは即座にルルーシュの現状改善を取って言う。
ゼロは仮面の下で目を見開いて固まった。
「ゼロ。スザク君が君を選ばなかったからといって君の存在が否定されたわけではない。スザク君に君という存在を理解する努力が足りなかったからだ」
「藤堂さん。それ、違いますよ。枢木スザクは初めから理解しようとなんてしてないもの。彼の事をきちんと考えようとしていればわかったはずなんだもの」
「‥‥そうか。努力すらしなかったか、スザク君は‥‥。何も見ようとはせず、流されて、惰性で現在に辿り着いたのか‥‥彼は」
そう呟くように言う藤堂の声音には憤りと遣る瀬無さと諦めが混じっているようにゼロには感じられた。
「少しでも考えているのならば、お飾りの騎士にならなかったか、なったらなったでスッパリと学園から身を引くべきだったんです」
カレンは言い切り、「だけどあいつはそんな事考えもしないで残ったんです。絶対に許さないわ!」と声を荒げた。
ゼロはカレンと藤堂が自分の為に憤っているのを感じて、なんだか笑いたくなって仮面の下で少しだけ笑う。
「ゼロ。君は自分を『死せる者』と言った。だが、騎士団は『君と共に生きるか、君と共に死ぬか』なのだろう?おれ達も生きていないと思うか?」
急に変わった話題に、ハッとしてゼロは藤堂に視線を向けた。
「ゼロ。貴方もわたし達騎士団も生きています!貴方が生きているって事を認めない人なんて放っておけば良いんです。そっちが間違っているんだから」
「君は生きている。おれ達も。そしてここでならば君の望むモノは手に入るだろう。おれ達はその為にいる。違うか?」
カレンと藤堂の言葉は、ゆっくりとゼロの、ルルーシュの心に沁みて行く。
「‥‥ち、が‥‥わな、い」
心の中にわだかまっていた何かが溶けて消えて行くような感覚に戸惑いながらも、巧く綴れない言葉をもどかしげにルルーシュは紡ぐ。
「おれには、君が必要だ。君だからこそ必要なんだ」
「藤堂さんッ、そこ、『おれ』じゃなくて『おれ達』って言ってくださいね。わたしにだって、みんなにだって必要なんだから」
「おれの素直な気持ちだ。紅月達にも必要かも知れないが、おれにはゼロもだが彼自身も必要だ」
「だからッ。それはわたしも同じだって言ってるじゃないですかッ。大体さっきは『みな』って言ってたのにどうして?」
何故違うのかがわからないカレンが盛大にハテナマークを飛ばして喚く。
「‥‥今、ここには、わたしの正体を知る者しかいないから、だろう?藤堂」
「そうだ。今まで、気付かなくてすまない。これからは以前の約束通り、君と君の妹君を守ろう」
「‥‥覚えていたのか?7年前の約束まで?」
驚いたゼロの声。
「覚えている。あの時は悔やんだ。君の真意に気付かなかったおれ自身に。だが、こうして再会した今、おれは君を守ろう」
「ゼロッ!藤堂さん?一体どんな約束をしたんですか?」
「‥‥藤堂の言葉を聞いた時、『再び会う事が有れば』と、それを条件にしたのはわたしだった。それが7年前、最後に会った時の言葉だ」
「おれは‥‥『君を。君達を守る。おれに守らせてくれないか?』と言ったんだ。だから今、ここに改めて誓いを」
「なッ‥‥!ゼロの騎士はわたしよ。零番隊隊長のこの紅月カレンよ!?」
藤堂の言葉に、カレンは驚いて反論する。
今までゼロの騎士は自分だけだと自負してきたのだ、おいそれと負けてはいられない。
「喧嘩はするなよ。お前達がわたしの騎士だと認められなくなるだろう?」
からかいの口調でゼロは言うが、その声は晴れ晴れとしていた。
「藤堂鏡志朗、紅月カレン。お前達の存在は、言葉は、おれの心を癒してくれるものらしい。一度しか聞かないぞ?おれの騎士にと望むか?」
ゼロの言葉は、最早一片の疑いもない確信に満ちたものだった。
藤堂とカレンはそれに満足し、一瞬視線を見交わしてからゼロに向きなおり言った。
「「勿論!!」」
ゼロの心から光が消える事がなくなったのは、この瞬間からだった。
了
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作成 2008.04.14
アップ 2008.04.17
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零夜様へ。
お気に召していただけましたでしょうか?
リクエスト内容に合致しているかはいまいち不明ですが、
どうぞ、お受け取りください。
スザク糾弾が【前編】にしかないような...しかも糾弾者が生徒会だし....(汗
本人目の前にしてないと糾弾とは言いませんしね~....多分(汗