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※「難解な君」の続きです。
G1ベースの一室で、C.C.はソファに座って壁際に立つメカオレンジを観察していた。
部屋に入って立ち位置を決めるなり、閉じた扉を見つめたまま直立不動の体勢で身動ぎ一つしないのだ。
「おい。いい加減座ったらどうだ?『オレンジ君』」
ピクリ。
メカオレンジの身体が揺らいで放つ空気に刺々しさを纏う。
C.C.は「これはもしかすると面白いおもちゃか?」と思ってにやりと笑った。
勿論、C.C.としてもゼロ=ルルーシュを倒されては困るのだが、このどっちつかずの状態が気に入らないのも確かだったのだ。
「‥‥ゼロから『オレンジ』で暴走すると聞いたが、本当か?」
ピ、ピクリ。
またもやメカオレンジは身動ぎ、刺々しさも増した。
メカオレンジはギギギ‥‥と、扉からC.C.へと首を巡らし、ギロッと睨む。
「ゼロの何様!?」
「‥‥‥は?」
C.C.は目を点にしてメカオレンジを見返した。
ゼロが藤堂に支えられるようにG1ベース内の廊下を歩いている。
その後ろに朝比奈が続き、千葉と卜部と仙波も話を聞きつけてやってきて従っている。
少し間を置いて、玉城とディートハルトが続いた。
残りの幹部もついてきたいと思わないでもなかったのだが、どうしても手持ちの作業が押していて抜ける事が出来ず泣く泣く諦めた。
「‥‥ゼロ、平気なのか?」
藤堂が気遣わし気にゼロに問いかける。
「‥‥残念だが平気とは言い難いな。全く、C.C.の奴。あそこまで『オレンジ君』を挑発してどうする気だ?」
この場にいない相手に向かって悪態を吐いた後、ゼロはチラと後ろを見た。
「ついて来るのは勝手だが、部屋に入る時は気をつけた方が良いぞ。この様子だと、扉を開けた途端ズドンと来るかも知れないからな」
ゼロの物騒な言葉に、玉城とディートハルトの足が鈍って距離が更に開いたが、四聖剣は意志の力で更に近づいた。
「ゼロ。部屋に入らない、と言う選択肢はないのか?」
「わたしはこの耳鳴りをなんとかしたい。‥‥考えが纏められないのは致命的だ」
頭脳派のゼロにそう言われては確かに致命的だと思ってしまった(←失礼)ので、それ以上の反論は出なかった。
部屋の前で、藤堂は足を止めるとゼロに「開けるぞ?」と確認を取った。
しかしゼロが反応する前に、室内からの声が届いてきた。
「ゼロの何様!?」
「しつこいぞ。バカの一つ覚えのように‥‥。それしかいえないのか?『オレンジ君』?」
C.C.の言葉に、玉城とディートハルトは真っ青になって踵を返した。
「後は任せたッ」
「わたしは戦闘要員ではありませんし、出直しましょう」
それぞれ一言残すなり、後ろも見ずに脱兎の如く駆け去った。
ゼロと藤堂は初めから眼中になく、四聖剣は唖然としてその様子を見送った。
立ち直った四聖剣は、小声で藤堂とゼロを宥めすかして、少し下がらせて前に出る。
扉の両脇に千葉と朝比奈が張り付き、ゼロと藤堂を庇うように仙波と卜部が立つと朝比奈がノックする。
「‥‥C.C.、わたしだ。入るぞ」
ゼロが後ろから声を出し、千葉が扉の開閉ボタンを押した。
「貴方様はゼロぉ~!?」
「馬鹿者。部屋から出るなと言っただろうが。戻れ『オレンジ』」
「貴方様は貴方様は貴方様は貴方様は貴方様は貴方様は貴方様は貴方様はぁ!!」
C.C.の言葉も聞かずに廊下に飛び出したメカオレンジは、キョロキョロと首と視線を動かしてゼロの姿を探す。
藤堂と仙波、卜部の影に隠れてメカオレンジの視界に入らなかったようである。
「‥‥‥煩いぞ、ジェレミア卿。少し黙れ」
ゼロが疲れた口調でポツリと呟くように言った途端、ピタリ、とメカオレンジが止まる。
止まった事に、藤堂と四聖剣は驚いた。
「説得したとか言ってたけど、本当だったのか‥‥」と言うのが彼等の共通した思いである。
「廊下で騒ぐな。中に入れ」
ビシッと直立しなおしたメカオレンジは、そのままキビキビとした動きで部屋に戻っていく。
ホッと息を吐き出したゼロは、藤堂の腕を断わると先に立って部屋に入り、藤堂と四聖剣がそれに続いた。
「‥‥C.C.。貴様、からかい過ぎだ。暴走するとあれ程言っておいただろうが」
部屋に入り扉が閉じると、ゼロはC.C.に向かって苦情を言う。
「ん?なんだ。気付いていたのか。つい面白くてな。悪く思うな」
しかしC.C.はいつも通り悪びれる事無く応じて笑った。
「十分悪い。反省してろ」
しかしさっきまで耳鳴りとそれによる頭痛に悩まされていたゼロは取り合わず、聞かないだろうと思いながらも突き放したように付け加えた。
「貴方様はゼロ!何様!誰様!如何様!!」
すると「黙れ」と言った少しの時間が終わったのか、またぞろメカオレンジが叫ぶ。
「お前こそ、この『オレンジ君』を何とかしろ。これしか言わないんだ。いい加減うんざりする」
心底うんざりした様子を見せてC.C.が言う。
「それはちゃんと質問に答えないからだろう?」
「質問?あれがか?」
なんでもない事のように言うゼロに、C.C.は目を丸くした。
「何様!無礼が抹殺!」
「するな、危ない奴だな。こいつはC.C.と言って、わたしの『共犯者』だ。こいつはいつもこんな感じだからお前も気にするな」
「‥‥‥理解はシアワセ。‥‥誰様!如何様!!」
渋々と言った様子を見せてメカオレンジは頷いた後、再び叫ぶ。
「『厳島の奇跡』の藤堂鏡志朗と四聖剣だ。仙波、卜部、千葉、朝比奈。‥‥多分すれ違いばかりで戦場では会ってないんじゃないか?」
「‥‥ゼロの誰様、如何様」
「‥‥‥ふむ。藤堂、四聖剣、お前達ならなんと答える?」
ゼロは直接答えず、藤堂と四聖剣を振り返った。
ゼロの視線の先には、唖然としてゼロとメカオレンジを見る5人がいた。
「えーと、ですな、ゼロ。まずは質問から言って頂きたいかと」
仙波が遠慮がちに言葉を投げた。
ゼロは「ん?」と首を傾げる。
「あんなおかしな言葉で受け答えできる貴様の方がおかしいと思わないのか?」
C.C.が助け舟のつもりか口を挟んだ。
「‥‥あぁ。なるほど。つまり、わたしとの関わりを聞いている。C.C.の事は『共犯者』でとりあえず納得したらしい」
「関係って‥‥黒の騎士団のリーダーと構成員?くらい?」
了
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作成 2008.03.13
アップ 2008.04.23
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会話 メカオレンジとC.C.の部屋に向かうゼロと藤堂と四聖剣。
やっと出た~!!!メカオレンジ登場。
メカオレンジとゼロ、藤堂、四聖剣、C.C.かな。
....ま、まぁ、C.C.にイジメられてるっぽいけど。
う~ん。藤堂とか四聖剣の反応があんまりないなぁ。