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★無焔様へのリクエスト作品★
(ルルーシュにやさしい話/黒の騎士団が戦場でスザクを追い詰め、学園でも生徒会が容赦ない)
スザクは重い身体を無理やり動かして学園を目指していた。
やっと見え始めた学園を見ながらも、深々とした溜息が出る。
そして、スザクは昨日の事を思い返してみた。
例によって黒の騎士団が現れたという情報を受け、特派にも出動要請が有った。
スザクは今度こそゼロを捕まえる気満々でランスロットを発進させ、黒の騎士団が現れた場所へと向かったのだ。
ランスロットが現場に着いた時、その場のブリタニア軍側は既に壊滅状態で、黒の騎士団は撤退しようとしていたところだった。
どうせまたゼロが卑怯な手を使ったのだろうと、苦々しく思いながら、スザクはランスロットを突進させていった。
『スザク君。無理はしないでね』
「はい、わかっています」
セシルからの通信に、そう応じ、見つけた騎士団のナイトメア「無頼」にスラッシュハーケンを発射した。
だが、まるで動きが読まれていたかのように、無頼はその場から動きスラッシュハーケンをかわしたのだ。
スザクは紅蓮弐式や藤堂の乗る月下以外からかわされるとは思ってもいなかったので、目を見張り、慌てて後を追いかけた。
何時しか市街地を抜け、それなりの広さの荒野へと差し掛かったところで、無頼を見失ってしまい、スザクはランスロットを止めた。
『スザク君。‥‥一旦戻った方が‥‥』
控えめに言うセシルに、「大丈夫です」と応じたスザクは、更にランスロットを進ませた。
スザクは学園の門前にたどり着くと再び深~い溜息を吐き、それから目を丸くした。
普段は開いている門が、今日は何故か閉じられていたからである。
「えーと、この場合は確か、学生証を通すんだったよね‥‥?」
カードキーになっている学生証を取り出して、門の横に備え付けられているカードリーダに通したスザクはエラー音に泣きたくなった。
スザクが学園に来た時はいつも開いていた門、その為にスザクはまだカードリーダを使用した事がなかったのだ。
やり方が拙かったのかと思ったスザクは、再び、今度はそっとカードを通すが、やはりエラー音が鳴るだけで、門が開く様子はない。
『警告!警告!不法侵入者は処罰!不法侵入者は処罰!』
更に警告まで鳴り出し、スザクは数歩後退する。
すると、ピタと警告は鳴り止んだ。
スザクは唯でさえ疲労した心と身体に更なるダメージを受けた事を自覚していた。
荒野の中程まで来た時、騎士団の紅蓮弐式が襲い掛かってきて、慌てて跳んで逃げた。
だが、着地地点には、月下が踊りかかってきて、いつかの戦いを髣髴とさせて、スザクは焦る。
前と違う回避行動、前と違う‥‥と言い聞かせながらでは、動きが鈍って当然で、前回は藤堂の月下以外は完璧に避けられていたというのに掠りまくった。
ランスロットのあちこちに傷を作り、動揺したスザクは藤堂の月下の繰り出した三段突きをよけ損なって、ランスロットの首を飛ばされてしまった。
更に背後から襲ってきた四聖剣の攻撃により片手と片足を持っていかれ、脱出装置がつけられていないと散々聞かされていたというのに思わず動かしていた。
だが、何故か脱出機能は作動し、スザクはランスロットを残して脱出する事に成功していた。
もっとも狙い済ましたような大量に繰り出されるスラッシュハーケンの攻撃に晒されたコックピットは、飛来している間にも、衝撃を受け続けていたが。
騎士団のナイトメアが追ってくる様子はなかったが、スザクを乗せて飛んで行ったコックピットはかなりの衝撃を持って地面に激突した。
衝撃に次ぐ衝撃に、スザクはかなりのダメージを受けたのだった。
通信装置はランスロットにしかなく、移動手段は己の足しかないスザクが特派のトレーラーに戻ったのは夜中を過ぎた頃だった。
スザクは心配して迎えてくれると思っていたのだが、誰もが厳しい顔をしてスザクを睨んでいた。
「ぼく、あれ程ランスロットを壊さないでねって言ってたのに、まさか大破された上に、置いて来ちゃうなんてね」
ロイドが冷たく言った。
「わたしは無理をしないようにとも、一度引いた方が良いとも言ったわよね?『大丈夫‥‥』、そう言ったのはスザク君だったのに‥‥」
セシルが悲しそうに言う。
「ランスロットがなくなったら、おれ達失業でしょうか?」
「さぁなぁ。万が一の為に、身の振り方、考えておいた方が良いかも知れないな」
特派のメンバーもまた、口々に暗い未来予想を述べた。
「あー‥‥。とにかく、スザク君。君さ、暫く謹慎だからねー」
ロイドはそう言うと、手を振ってスザクを追い払うような仕草をしてからモニターに向き直った。
「あれー?騎士様じゃね?‥‥何してるんだ?こんなところで?」
不意に聞こえたリヴァルの声に、スザクはホッと顔を綻ばせて振り返った。
「あ、うん。校門が閉まっててどうしようかと。学生証通してもエラーになってしまって‥‥」
「なんだ、連絡回ってなかったのか?まぁ、騎士様だしなぁ、スザクは。今学園休みだぜ?寮生以外は入れない事になってる。お前通いだろ?」
リヴァルはあっさりと答えると自分の学生証をカードリーダに通して門を開ける。
サイドカーを押して門を潜るリヴァルに続いて入ろうとするスザクに、リヴァルが声を掛けた。
「おいおい、聞いてなかったのか?寮生以外は立ち入り禁止だって言ったばっかだろ、おれ。門潜ると警備来るぞ?」
リヴァルの言葉にスザクの動きが止まる。
「あ、‥‥そうか。‥‥なら、ルルーシュを呼んで来て欲しいんだけど」
「そいつも無理。あいつ今いないし。出かけるとか言って、おれまでおいてったから、戻ったらとっちめてやるけど。じゃあな、騎士様。お仕事頑張れよ」
リヴァルがそう言うと門は再び閉ざされ、リヴァルはサイドカーに乗って後ろも見ずに遠ざかっていった。
取り残されたスザクは、「なんで!?」と首を傾げつつ、行くあてもないのにとぼとぼと来た道を戻っていった。
ルルーシュは騎士団幹部の前で宣言した。
「今度という今度は、スザクを許さない」
ゼロの格好すらしていない、制服姿のまま、やって来て早々のルルーシュの宣言に、幹部達は「「「そうこなくっちゃ」」」と賛同する。
「「「なんっでも言ってくれッ!!!」」」
そう口を揃える幹部達に頷いたルルーシュだが、まずした事はどこかへ連絡を入れる事だった。
「おれだ。‥‥‥ああ、今度という今度はおれもキレた。‥‥そうだな、それはラクシャータに。あぁ、それについてはおれが検討する。後は任せた」
短いやり取りの後、通話を切ったルルーシュはまっすぐに朝比奈を見た。
「今回は無頼に乗って貰うぞ、朝比奈。囮役だ。白兜を誘い込む」
「まっかせて~。白兜の攻撃なんて全部避けてあげるから♪」
「藤堂。朝比奈の月下にはC.C.を乗せるが、連携に問題はないか?」
問われた藤堂は四聖剣に視線を向けると、それぞれ頷くので「大丈夫だ」と応じる。
「ラクシャータ。白兜のデータをロイドから受け取れ。今回スザクが乗る白兜は似せた別の機体にするそうだ。徹底的に叩いても問題ないとも言われた」
「って、プリン伯爵まで巻き込むんですかぁ?徹底してますねぇ。一応敵ですよぉ、彼」
「当たり前だ。それに奴もかなり腹に据えかねているようだから渡りに船だとも言われた」
呆れるラクシャータに、ルルーシュは平然としたものである。
「良いデータは欲しいが、スザクの言い分にはうんざりする、といったところらしいぞ」とルルーシュが言えば、ラクシャータは渋々頷いた。
ルルーシュはそこでふと思いついた表情を見せ、再び携帯を取って何処かへ連絡を入れた。
「あ、会長。おれです」
というルルーシュに、相手がミレイだと気付いた。
「少しお願いが。‥‥えぇ、その件です。良くわかりましたね。‥‥明日から数日学園を休みに‥‥。話が早い。その通りです。では任せます、会長」
話が纏まったのか、携帯を切ったルルーシュは今度はカレンを見た。
「と、言う事なので、カレンには悪いが数日登校は控えてくれ。明日から数日、寮生以外の出入りが出来なくなるからな」
ルルーシュの言葉を聞いた幹部一同は、ルルーシュの怒りの深さを思い知り、全力でスザクを懲らしめ、苦しめる事を誓うのだった。
了
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作成 2008.04.16
アップ 2008.04.24
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無焔様へ。
お気に召していただけましたでしょうか?
リクエスト内容に合致しているかはいまいち不明ですが、
どうぞ、お受け取りください。
特派が混ざりました。
ロイドから話が通って本物のランスロットはシュナイゼルのところに預けられていたりします。
「枢木スザク苦しめ虐め懲らしめ抹殺し隊」
略して「苦しめ隊」構成員。(今回関係者のみ抜粋)
総本部。
・ルルーシュ(ゼロ)。
・C.C.。
学園支部。
・ミレイ・アッシュフォード。 (支部長)
・リヴァル・カルデモンド。
特派支部。
・セシル・クルーミー。 (支部長)
・ロイド・アスプルンド。
・他、全技術者。
皇族支部。
・シュナイゼル・エル・ブリタニア。 (支部長)
騎士団支部。
・藤堂鏡志朗。 (支部長)
・四聖剣を筆頭とした幹部全員。