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コードギアスの二次創作サイト。 ルルーシュ(ゼロ)至上主義です。 管理人は闇月夜 零です。
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★小柳様へのリクエスト作品★
(藤.ル.ル/手料理/藤堂のみバレ済み)

それは、とある昼休みの事だった。

「飯だ飯だ~」
一際煩い玉城の声に少し遅れて時報が鳴るのはいつもの事。
仕事にキリをつけた者から食堂へ向かって行く。
「藤堂さん、行きましょう」
朝比奈もまたいつものように藤堂に声をかけ、そこに仕事を終わらせた四聖剣も集まって藤堂を待った。
だが‥‥。
「すまないが、今日は四人で行ってくれ」
藤堂は作業中の手を止めて上げた顔で四聖剣を見て言った。
「珍しいですね、中佐の作業が終わっていないのは」
「待ちますよ、藤堂さん。おれ、藤堂さんと一緒の方が良いですし」
千葉は軽く驚き、朝比奈は真面目に提案する。
「‥‥‥‥いや、今日は食堂へは行かないから、お前達だけで行って来い」
藤堂はどこか困ったように首を振って言った。
「藤堂中佐。どこか具合でもお悪いのですか?‥‥食欲がないとか‥‥?」
仙波が気遣わし気に尋ねる。
「‥‥そうじゃない。ただ弁当を貰ったから、食堂に行く必要がないだけだ」
藤堂は言葉にはそう言ったが、実際には質問責めに合う事が予想されるので行きたくなかったと言う本音を自覚している。
「べっ弁当ぉ!?」とかなりの音量で叫びそうになっていた朝比奈の口は卜部が塞いで止めた。
「中佐、どなたから弁当等を?」
千葉の問いに藤堂は「やはりか‥‥」と思い溜息をついた。
「各自食堂で自分の分を調達して来い。‥‥部屋で話す」
藤堂の言葉に四人は顔を見合わせてからそれぞれ返事をして食堂に向かった。
四人の姿が見えなくなるまでを見送った藤堂は「嬉しいが説明に困るな‥‥」と呟くと作業を終わらせて部屋に向かった。

仙波と卜部が日替わり定食、千葉と朝比奈がA定食を手に藤堂の部屋にやって来たのは、藤堂が部屋に入ったすぐ後だった。
「早かったな‥‥」
扉を開けて迎え入れた藤堂は、疲れた口調でそう評した。
長ソファに二人ずつ定食のトレイを前に座った四人の視線は、自然と斜めに座る藤堂の前に置かれた弁当の包みに注がれてた。
「‥‥‥‥開けないんですか?藤堂さん」
中身が気になる朝比奈が尋ねる。
「お前達、内容については何も言うなよ」
藤堂はそう念を押し、四人が躊躇いがちながらも頷くのを待ってから包みを解いて中身を広げた。
藤堂の念押しがなければ、声を上げていた自信のある朝比奈は息を呑んだ。
千葉は「中佐、何か祝い事でも?」と赤飯を見て言いかけたが堪える。
仙波と卜部も和食な煮魚や和え物や玉子焼きやら別に取り出された湯気のたつみそ汁を目の当たりにして絶句した。
「‥‥それで、どなたから?」
気を取り直し千葉が尋ねる。
「‥‥‥‥ゼロ、だ」
四聖剣は思わず己の耳を疑った。
視線をかわし合い、確認しあう。
数瞬の後、四人は一斉に驚きの声をあげていた。
「ゼロぉ~!?ゼロが料理?見た目は良いけどホントにそれ美味いの?」
「てかあの仮面で料理するのか?」
「ゼロが料理をするのはともかく、それで何故中佐に弁当を?」
「‥‥ゼロが弁当‥‥‥‥」
それそれ驚きのポイントがズレているのはご愛嬌であろう。
「馬鹿を言うな、朝比奈。味は今までで一番美味い。料理の種類も驚く程多い、卜部。以前作戦の話をした後に口を滑らせたら用意してくれたんだ、千葉」
藤堂は順に答えた後「‥‥何に驚いているのかわからんぞ、仙波」と呆れた視線を向けた。
「一口!藤堂さん一口下さい!」
「ダメだ、朝比奈」
藤堂はそう来ると分かっていたのか即座に却下してのけた。
考えた形跡さえない藤堂の即答に四聖剣は驚いた。
「‥‥あの、中佐?」
「やらんぞ、千葉」
「いや、あの、だからさ、中佐」
「やらんと言ってるだろう、卜部。聞こえなかったのか?」
「藤堂中佐、弁当の事ではなく、」
「やらんと‥‥‥‥ん?なんだ?仙波」
やっと会話が成り立つ事に、四聖剣は安堵しつつも「この人は、本当に藤堂鏡志朗なのだろうか?」と思う。
ここまで物(しかも弁当)に執着する藤堂を見るのは、四聖剣ですら初めてだった。
執着心がないとは言わない。
勝利への執念は凄まじいし、一途なところがあるから気に入った人へも執着しそうではある。
「藤堂中佐がわし等に対してまでそれ程頑なになられる理由が知りたいかと思いまして」
「‥‥‥‥‥‥」
押し黙る藤堂に、仙波は折れて「あー‥無理に聞き出そうとは思いませんが」と付け足した。
「てか、おいしいって既に知ってるって事は、これが初めてじゃないんですか?藤堂さん!?」
朝比奈の疑問に、三人の同僚は「あッ」と声を上げ、藤堂は「失言は何処だ?」と内心呻く。
「と、とにかく冷めるから、食べるぞ」
箸を持つ藤堂に、朝比奈は「答えてくれてませんけどッ」と抗議をするものの、確かにいつまでも昼休みが続くわけでもないので渋々頷いたのだった。

後編に続く。

───────────
作成 2008.05.18 
アップ 2008.06.08 
 

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