(「ナナリーi.n騎.士団」設定/神楽耶)
神楽耶は待ちわびていた。
ナナリーが来ると桐原に聞いてから、それはもう実際にやって来る日を心待ちにしていた。
キョウトにいるのは年寄りばかりで、ずっと退屈だったのだ。
少し年上になる従兄がいるにはいたが、現在名誉になんぞなりおったから絶縁を申し渡した。
それに反発したからか知らぬが、今では軍に入り、「日本」を攻撃していると言う。
あのような不甲斐無い従兄を慕っていた昔の自分が呪わしい。
いや、今はもう絶縁した奴の事などどうでも良い。
ナナリーは本当に年の近い同性の友達だったから、その兄ともども亡くなったと聞いた時には泣いたものだ。
二人は「ブリタニア」とそして「日本」によって殺されたのだと、ずっと思っていたから。
神楽耶と従兄が唯目先の事に囚われていた為に、大切な友人を失ってしまったのだと。
だから神楽耶は頑張った。
幼い身で、お飾りと言われようとも出来るだけ見聞を広め、己の意思をしっかりと持つように心がけた。
遅い‥‥そう思わないでもなかったが、だからこそしっかりとしようと決めていた。
今では多少の発言権はあり、黒の騎士団への援助を決めたのも神楽耶だ。
それが結果的に失ったと思っていた友人の役に立った事が純粋に神楽耶は嬉しかった。
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2008.06.20作成
2008.07.08-2008.07.13up
2008.08.06再録
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