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★未来(みく)様へのリクエスト作品★
(藤.ル.ル or 朝.ル.ル or ナ.ナル.ル/女性陣に守られる)
その日、生徒会室には見事に女性陣しかいなかった。
ルルーシュとリヴァルはミレイ会長の命令で買い出しに出かけており、スザクは軍務で朝から来ていない。
やる事も無く、みんなでお茶をしていると、扉が開いて車椅子でナナリーがやってきた。
「あら、ナナちゃん。ルルーシュなら今ちょっと買い出しにだしちゃってるんだけど‥‥」
「はい、先程連絡を頂きました。ですから来たんです。みなさんにお願いが有って‥‥」
「あ、とにかくナナちゃん、入って入って。一緒にお茶しましょ」
シャーリーがナナリーに声を掛け、みんなして場所を確保する。
ナナリーが輪に入り、カップを渡してから、ミレイが尋ねる。
「‥‥えっと、ナナちゃん、それで?早速だけど、お願いって聞いて良い?」
「はい、あの。‥‥スザクさんの事なんです」
ナナリーの口から出てきた名前に、ナナリーの目が見えないのを良い事にそれぞれ顰めた顔を見合わせた。
「‥‥スザク君がどうかしたの?」
そろっと尋ねたのはシャーリーだ。
「あの。あまり、お兄様の傍に近づけないで欲しいんです」
「「‥‥へ?」」
カレンとシャーリーの声が重なる。
ニーナは意味が分からず首を傾げ、ミレイは一人納得顔になって頷いた。
「それは良いんだけど、ルルちゃんに何か有ったの?」
「会長、良いんですか?そんな安請け合いしちゃって」
「いーからいーから。それで?」
「実は、お兄様に恋人が出来たんです。それをスザクさんが知ったら、祝福してくださるかどうか心配で‥‥」
「「「「‥‥恋人ッ!!?」」」」
「はい。ここ数日とても幸せそうなんです、お兄様。わたしはずっとあんなお兄様だと嬉しいのですけど」
「あぁ、そう言われてみればここ数日ルル機嫌良かったわよね」
「てっきり枢木君が来ていないからだと思ってたけど」
「今日もミレイちゃんの用事をそんなに嫌そうにせずに引き受けてたし」
「てかあっさり引き受けてリヴァル引きずって出てッたわよね」
「恐らく、買い出しが終わった後、荷物をリヴァルさんに預けてデートするんですわ、お兄様」
「「‥‥はぁ~あ!!?」」
「ちょッ‥‥。ナナちゃん?ルルーシュの相手って学外の人なの?」
「はい。学園の方でしたら、お付き合いを始める前に分かると思うんです。『今度紹介してくださいね』ってお願いしたら、お兄様テレてました」
ナナリーの言葉に4人が4人とも「まだ教えてもいない身内にいきなりそんな事言われたら驚くだろうな‥‥」と少しルルーシュに同情する。
「良いわ。じゃあ、これからスザクとルルの間を徹底的に邪魔する方向で行きましょう」
「賛成~!二人っきりとかにさせないようにすれば良いんですよね?会長」
「そうそう、シャーリー。そんな感じね」「もし迫るような素振り見せたら引き剥がせば良いのかしら?」
「なんなら殴っちゃっても良いわよ、カレン。生徒会長のわたしが認めちゃうから」
「分かりました。ではその方向で」
「‥‥わたし、薬作っても良い?」
「そーねぇ。彼、あんまり効かなさそうだからちょっと強めに作ってくれる?ニーナ」
「わかった、ミレイちゃん。強めで作るね」
「後は~。女生徒達にだけ、伝達しましょうかぁ?『騎士様は主以外に惚れるべきではないわよねぇ~』って?」
「あ、それ良いですね」
「うん、それ賛成。じゃないとユーフェミア様もお可哀想だし」
ミレイの提案に賛成して盛り上がるシャーリーとニーナ。
「ありがとうございます、みなさん。お願いしに来て良かったですわ。テレたお兄様がとっても可愛くて、もっと愛でていたかったんですよね、助かります♪」
ナナリーはそんな様子に嬉しそうに礼を述べていた。
「もしもし、藤堂さんですか?ナナリーです」
『‥‥何か有ったのか?』
「いえ。学園でのスザクさん対策は完璧ですとお伝えしたくて‥‥」
『そうか。ありがとう。助かった。流石にそちらには手が出せないからな』
「そんな‥‥。わたしの方こそ、騎士団での事は何も出来ていません」
『気にするな。ここでなら、おれが守るから』
「藤堂さん‥‥。お兄様を、よろしくお願いします」
『わかった』
「千葉、少し良いだろうか?」
珍しく千葉が一人でいると、敬愛する藤堂が話しかけてきて、千葉は慌てて立ち上がる。
「何でしょうか、中佐」
千葉に座るように指示し、藤堂は向かいに座るとすぐに話を切り出した。
「千葉は、ゼロをどう思っている?」
「‥‥は?あの、中佐。それを尋ねられるのは、中佐がゼロと付き合い始めた事と関係がありますか?」
唐突だったと自覚のある藤堂の問いに、しかし千葉は面喰らいながらもそう切り替えした。
「なッ‥‥」
藤堂は二の句が継げないままに、千葉を見返した。
「やはり、ですか。最近の中佐の様子を見ていてそうではないかと。‥‥それで、中佐は一体何を懸念しておいでなのですか?」
「‥‥‥‥ゼロを目の敵にしている、白兜に乗るスザク君だ」
「中佐。幾らかつては弟子だったからとはいえ、今現在敵であるのですから、その呼び方は改めた方が良いかと思いますが」
「‥‥そうだな」
「枢木がゼロに仇なす事を案じておいででしたら、わたしが何とかしますが?」
納得顔になって頷く藤堂に、千葉はさらっとそんな事を言い切った。
「‥‥何とかとは?こう言ってはなんだが、枢木は強いぞ?」
「判っておりますが、ゼロを討たれては中佐にダメージが出る以上、わたしはゼロも守りますよ」
千葉はそう言ってくすりと笑った。
「紅月はゼロを案じているし、井上やラクシャータも協力してくれるでしょう」
「千葉、一つ尋ねるが、何故女性ばかりの名が挙がる?」
首を捻る藤堂は、千葉が名を挙げるのなら同じ四聖剣だと思っていたから不思議だったのだ。
千葉はそれについては沈黙を通した。
まさか藤堂に言えるハズがなかったのだが、千葉が藤堂とゼロが付き合いだしたと知ったのは、本当は女性陣だけでの会話からだったのだ。
ラクシャータと井上がそう言い合っているのを、千葉とカレンが聞く羽目になり、千葉は一瞬、カレンはかなり茫然とした後開き直ったのだ。
曰く、藤堂とゼロを祝福しよう、と。
カレンは「似たような話があちこちにあるわね‥‥」と思うものの、繋げることはなかった。
こうして当人達が知らぬ間に、女性陣達を味方につけていたのだ。
藤堂はそうとは知らずに、最良の相談相手を選んだ事になる、と千葉は内心で笑う。
「とにかく、白兜からゼロを守れば良い、と言う事ですね。‥‥C.C.にも手を借りて、万全を期します、中佐」
藤堂は結局どういう事かわからなかったが、「よろしく頼む」と千葉に頭を下げた。
千葉から話を聞いた女性陣は「そう言う事なら」とはりきり完璧に計画を練り、実行に移したのだった。
枢木スザクはここ数日、かなりストレスを溜めまくっていた。
学園に行っても、何故かルルーシュの傍に行けないから、癒されたいと思いながらもそれが果たされず。
ランスロットに乗って出動してもゼロを倒そうにもゼロのナイトメアに近づく事すら出来ずに終わってしまう。
オープンチャンネルを開いてストレス発散させる為にゼロを思いっきり非難しようとしても何故か妨害電波がでまくり自分の耳が痛くなるだけに終わる。
かと言って、他のナイトメアのオープンチャンネルは無事らしく、訳がわからないのだ。
癒されず、ストレスは溜まる一方のスザクはランスロットとの適合率も右肩下がりにどんどんと低下の一途を辿っているのが現状だ。
まさかそれが全て女性陣がルルーシュをゼロを守る為に故意にやっているとは思わないスザクは、最後の手段に出る事にした。
「ルルーシュがダメならナナリーに癒して貰おう‥‥」そう思ってスザクはクラブハウスを訪れたのだ。
最悪の相手を選んでしまったスザクは、満面の笑顔のナナリーからルルーシュに恋人が出来た事を知らされたのだった。
枢木スザク───再起不能。
了
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作成 2008.05.23
アップ 2008.06.06
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未来(みく)様へ。
お気に召していただけましたでしょうか?
リクエスト内容に合致しているかはいまいち不明ですが、
どうぞ、お受け取りください。
有り得ない......ルルもゼロも名前しか出て来ないなんて....orz
しかも藤ルルなんだかナナルルなんだか疑問が残る話になりました。
(一応、ナナが「恋人が出来た」と認めているから藤ルルなのでしょう...と思います)