(「入.団試.験」設定/過去捏造/黒の騎.士団アジト/後日談)
既にいつものメンバーで通じるだろう、藤堂+ブリタニア陣営幹部達とゼロ。
不意にラクシャータがゼロに尋ねる。
「そういえばゼロぉ。今ちょぉっと思い出したんだけどぉ」
「ん?どうした、ラクシャータ」
ゼロは唐突だったから質問の内容に思い当たる節も無く、心底疑問そうに尋ねる。
「むかぁしぃ、あの子に『美味しかった』って言ったんですってぇ?」
藤堂は「むかぁしぃ」と言う単語に他人事だと割り切って考えるのを放棄し、ゼロとブリタニア人達の様子を見る事にした。
ラクシャータの言う『あの子』に思い当たる節がなく、それぞれ眉根を寄せて考え込んだが。
唯一人だけ、素早く思い当たる者に行き当たったのか、ロイドは驚きの表情を浮かべてゼロから身を離しつつ凝視する。
「あらぁ。プリン伯爵ならぁ、そぉんなリアクションすると思ってたわぁ」
ラクシャータはしてやったりとにやりと笑う。
そしてロイドの態度から、該当する人物に気づいた順に、似たような驚愕の表情をゼロの仮面に向けたのだった。
判っていないのは、藤堂とディートハルト、それにゼロ本人だけだ。
「『所員の女の子ぉ』ってぇ言えばわかるかねぇ?」
ラクシャータが言葉を足すと、やっと「あぁ、彼女か」と思い至ったゼロは疲れた声を出したのだった。
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2008.06.14作成
2008.07.04-2008.07.10up
2008.08.04再録
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