(「入.団試.験」設定/過去捏造/黒の騎.士団アジト/後日談)
「‥‥ゼロ?」
「あぁ、彼女か」と言ったまま押し黙ったゼロに、心配になった藤堂が声を掛ける。
「いや。確かにそんな覚えはあるな。彼女の料理は良く食べた」
寝返り組とラクシャータがありえないものでも見るかのような視線をゼロに向ける。
藤堂とディートハルトはそれを見て顔を見合わせた。
「‥‥その女性の料理とはどういうモノだ?」
「‥‥独創的ー?」
「ぁあ、それが一番近いですなぁ。しかしゼロ。『良く』とは‥‥どこもなんともかなったのですか?」
ロイドの尋ねるような回答に、ダールトンが同意してからゼロに安否を尋ねる。
「どこも?確かに不思議な味だったが美味しかったぞ?今はどんな料理の研究をしているのか楽しみだな」
「でッ‥‥じゃなくて、我が君!あああああのー、彼女に一体何を仰ったんですかー?」
「ん?あぁ、それか」
ゼロは笑う。
「『誰かの為に作る料理が一番美味しいって母も言ってたぞ』と『不思議な味だけど美味しいな』‥‥だったかな?」
平然と応えたゼロに、ロイドは特派での苦労の大部分がゼロの一言が原因だった事を知ったのだった。
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2008.06.14作成
2008.07.09-2008.07.14up
2008.08.08再録
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