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「藤堂!」
ゼロが藤堂の名を呼びながら近づいて来るのを見て、四聖剣は嫌な予感を覚えた。
藤堂とゼロが藤堂の部屋で待ったり過ごしていたのを目撃してからそう日が経っていなかったからだ。
四人が「まさか‥‥またッ!?」と思ってもそれは不思議ではないだろう。
「どうした?ゼロ」
「‥‥今日は時間が取れるか?」
「って待った、ゼロッ!藤堂さんはおれ達とこの後話があるんだから、時間なんてないよッ」
朝比奈があれはもう見たくないと横から慌てて割って入った。
「そうか、わかった。‥‥ラクシャータ」
ゼロはあっさり引き下がり、背中を見せていたラクシャータに話を振った。
藤堂は口を開こうとしたまま固まっており、朝比奈は千葉から殴られた。
「んー?なぁに?事と次第によっちゃ、時間作ってもいーけどぉ?」
振り返ってそう応じたラクシャータは完全にゼロではなく藤堂を見てにやにや笑っている。
「少し出かけたいところがあるから、それに同行を頼もうと思ったんだが」
「わたしにぃ?それとも藤堂にぃ?」
「‥‥都合がつけば両方に、と思っていたが、藤堂は時間が取れないらしいからな。‥‥ラクシャータはどうだ?」
ゼロの言葉を聞きながら、「それを本人のいる横で言うか?普通‥‥」とラクシャータと四聖剣は頭痛を覚える。
というか、邪魔をした朝比奈さえもが頭に手を置いているのは何も千葉に殴られたせいばかりではないのだ。
「いぃわよぉ。ちょっと煮詰まってたところだしぃ、気分転換も必要よねぇ。だけど、後で相談に乗って貰うわよぉ」
「中佐。話は戻ってからでも構いませんが。今ならまだ間に合うかと」
千葉がこれまたゼロにも聞こえるように声も落とさず藤堂に話しかけ、チラとゼロを見る。
「お、おれも千葉さんに賛成~。千葉さんに殴られた頭が痛くなってきたしぃ‥‥」
「む、それはいかんな。部屋で休んでくるか?朝比奈」
「あ、じゃあおれが運んでやるよ。てことで藤堂中佐。話は夜か明日以降って事で」
反応のないゼロと藤堂に、朝比奈と仙波と卜部が揃って藤堂を後押しした。
「‥‥と、言う事だが。ゼロ」
「そ、そうか。では二人とも一時間後にゲットーR出口で。ラクシャータ、相談は戻ってから聞こう」
そう言ったゼロはそのまま踵を返して去って行った。
「‥‥て、もしかしなくても仮面外すとか?」
ポツリと言った朝比奈の言葉に「あッ‥‥」と言う呟きが重なる。
「R出口と言う事は目的地は海岸方面。浜か港か岬か‥‥沖にまで出るとは思わないけどよ‥‥」
確かにその辺りで仮面したゼロの姿のままでは目立ちまくる事請け合いだ。
何と言っても隠れる場所がないのだから。
「‥‥では余程の用事と言う事か‥‥」
「‥‥‥‥。余程と言うか‥‥」
千葉の言葉に、藤堂は思い当たる節が有って、言いかけて口篭る。
「藤堂中佐?何か心当たりでもお有りなのですか?」
「‥‥今日、団員が少ないわけがわかったというか」
「それなら母の日だから親孝行とか墓参りとか、あ‥‥て事はもしかしてゼロも?」
「ブリタニアは遠いからねぇ。それで海かぁ。お墓がこっちにあるとは思えないしぃ」
「ておい、ラクシャータ。墓限定なのかよ?」
「あらぁ、だって亡くなってるもの、ゼロのお母様」
「ラクシャータ。お主、ゼロの素性を?」
「知ってるわよぉ。だから、わたしに声をかけたのよ、ゼロもぉ。わたしとしてはぁ、藤堂に声をかけた事の方がよっぽど驚いたけどねぇ?」
あっさり首肯するラクシャータに驚き、その言葉に四聖剣の視線が藤堂に流れる。
「おれは知らない。ただ、ゼロは『家族はたった一人しかいない』と言っていたからな‥‥」
「へぇ、ゼロがかぁなり気を許してるなんて、あんたやるわねぇ藤堂。さぁてとぉ。早く行かないと時間までに辿り着けないわねぇ」
ラクシャータは伸びをするとキセルをひらつかせて立ち去って行く。
「どこに寄る気だ?」
「お花屋~。母の日だものぉ。カーネーションくらい有った方が良いでしょー。まぁさか藤堂に買いに行けなんて言うわけにはいかないしねぇ?」
「やっぱりここにいらしたんですねぇ。ルルーシュ様」
花屋から出て来たルルーシュを見つけ、ラクシャータは声をかける。
「‥‥来たのか。藤堂は?」
「別行動。花屋に寄るって言ったからついて来てないはずですよぉ。買いに行かされると困るでしょうしぃ?」
「違いない。すまなかったな、ラクシャータ」
「構いませんよぉ。てより誘って戴けて嬉しかったくらいですしぃ?でも何故藤堂も誘ったんですかぁ?てかわたしより早く声をかけてましたねぇ?」
「‥‥あーその、だな。‥‥‥‥と、とにかく行くぞ。おれが遅れてはまずいだろう」
「そうですねぇ」
くすくすと笑ったラクシャータはルルーシュの後について行った。
了
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作成 2008.05.11
アップ 2008.08.04
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カーネーションとゼロ ゼロ+ラクシャータ+藤堂+四聖剣。
鯉のぼりと団欒の後日設定。
再び、即席作成(しかし途中で断念)。
「母親役選出」の前に書いてボツにした一品。
この先書き続けていても藤堂落ちよりラク落ちになる可能性大だったので、ボツに。
折角「鯉のぼりと団欒」の後設定なのだから藤堂落ちにしたかったので。
整理していたら出てきたので、(今更ですが)アップしようかな、と。