(「父の日騒動」続編【1】/ラク+朝)
ゼロの私室の前を離れたラクシャータは階段に差し掛かる前に足を止めた。
「立ち聞きぃ?四聖剣も行儀悪いわねぇ」
廊下の先に投げたラクシャータの声に、角から朝比奈が姿を見せる。
「まぁね。それに聞いてたって言ったって半分だけだよ。ゼロの声は拾えなかったし」
「ふぅん?」
ラクシャータは相槌を打ちながら、何かまずい事を話してないか思い返し、「それでぇ?」と尋ねる。
「藤堂さんにダメージを与えるって言うなら、ゼロでも赦さないかなぁって?」
「あらぁ?ゼロに何かしようって言うならぁ。わたしが容赦しないわよぉ」
二人は暫く睨み合う。
先に攻勢に出たのはラクシャータだった。
「朝比奈、退きなさぁい。でないと月下に悪戯しちゃうわよぉ」
ふふふ~んと鼻で笑ってラクシャータが脅しに掛かった。
「あ、‥‥って、それを言う?別だろ、それは。それに、そんな事して困るのゼロじゃないか」
「ちゃんと言って置くわよぉ?『月下の調子が今ひとつなんですぅ』ってさ」
「むぅ。ならおれだってストライキ起こすよ?」
「良いのぉ?そんな事してぇ?困るのは藤堂とお仲間の四聖剣よねぇ?」
「藤堂さんや仙波さん達には事前に言っておくさ」
「真似しないでくれるぅ?」
険悪な雰囲気で睨み合う二人に気づいて引き離したのは、ゼロに用事が有ってやってきた扇とカレンだった。
───────────
2008.06.17作成
2008.07.13-2008.07.18up
2008.08.13再録
PR