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コードギアスの二次創作サイト。 ルルーシュ(ゼロ)至上主義です。 管理人は闇月夜 零です。
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ゼロ(ルル)至上主義です。
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★霧崎睦月様へのリクエスト作品★
(藤.ル.ル/幼.少時/捏造)

親子との対面から暫く、藤堂は桐原の正式な要請により枢木神社へ通う日々が始まった。
なんでも、『閃光』の異名は伊達ではなく、軍人としての各種技能がずば抜けていると桐原が大いに喜んだそうだ。
これは是非にでも指導をと、いうなれば藤堂はその代わりとして差し出されたようなものだったが。
そう言った裏事情は内密に、と釘を刺されたので(というか、言えないだろ、それは)、仙波達には「桐原公の用事」とだけ言ってあった。
卜部曰く「藤堂中佐が居ない時に何度かすっごい美人が来たんですよ。勿体無い事しましたね」だそうだ。
千葉曰く「名前しか名乗らなかったので、『まり』という事しか判りませんが、‥‥とてつもなく強いんです。手も足も出ませんでした」と悔しそうだった。
仙波からは「対戦しておられないのはお偉方の他は、藤堂中佐を残すのみです。次は中佐のおられる時に参られると宜しいですな」と楽しみにされた。
仙波には悪いが、おれが戦ったとしても、言いたくはないがまず勝てないだろう。

ふと翳った気がして顔を上げると、心配そうな表情をした顔が間近に有って少し引く。
「ルルーシュ君‥‥どうした?」
「それはこちらの台詞です、藤堂さん。さっきからずっと呼んでいたんですが」
「そ、そうか。‥‥すまない。それで?」
初めは皇子、皇女という事もあり、敬語で話そうとしていたが、早々に「ぼく達は子供です。敬語でなくて構いません」と言われてやめてしまった。
「『雨が降りそうなので中に入りませんか?』と言ったんです。‥‥あの、どこか具合でも?」
「いや、すまない。少し考え事をしていたようだ」
藤堂は苦笑してそう応え、空を見上げると確かに黒い雨雲が広がっていてまもなく夕立が来そうだと判る。
翳ったと藤堂が思ったのは、何もルルーシュが覗いていたせいばかりではないらしいと気づいた。
「ナナリー君は?」
「先に戻らせました」
社を示しながらルルーシュが言うので藤堂も見ると障子の隙間から顔を覗かせて手を振る少女の姿が見えた。
頷いて立ち上がった藤堂はルルーシュと共にナナリーの元へと動き出したがその矢先に、ポツリと雫が当たった。
「急ごう、ルルーシュ君」
声を掛けるその間にも、雫は次から次へと落ちてきて、即座に叩きつけるような土砂降りへと変化した。
藤堂はルルーシュを雨から庇うような体勢で移動していたが、豪雨の前にはあまり役に立たなかった。
ナナリーのいる社に辿り着いた時には、藤堂だけでなくルルーシュも濡れ鼠になっていたからだ。
びしょ濡れの二人にナナリーがおろおろとしている。
「ナナリー。濡れるから触るなよ。えーっと。着替え、持ってきますね」
濡れて張り付く前髪を掻き揚げながら、ルルーシュはナナリーと藤堂に声をかける。
ナナリーはこくんと頷くが、藤堂はルルーシュを抱き上げた。
「ほあ‥‥ッと、藤堂さん!?」
突然の事に驚いて顔を赤くするルルーシュに、藤堂は諭す様に言う。
「身体が冷えている。お互い風呂場に行って温まった方が良さそうだ」
「あ、歩けますからッ」
「濡れる面積は少しでも少ない方が良いと、ルルーシュ君も思うだろう?」
だから暴れてくれるなよ、と藤堂はルルーシュに笑いかけながら風呂場へと向かった。

大人しくなったルルーシュは風呂から上がっても大人しいままだった。
頭からタオルを被り、髪を乾かす為に動かしている腕も緩慢で、「風邪でも引かせたか!?」と藤堂は不安になる。
「ルルーシュ君?」
「ぅわっはいっ!なんでしょうか?藤堂さん」
ルルーシュにしてみれば唐突だったのか、驚いて返事をしてから声のした方を振り仰いだ。
藤堂は雨に濡れた服の代わりに着流しを着ていた。
いつもとは違う雰囲気の藤堂が目に映った途端、ルルーシュの顔はぼんっと音を立てたように真っ赤になった。
藤堂は「やはり熱が出たのかッ!」と慌てた。
「すぐに休みなさい、ルルーシュ君。悪化したら大変だ」
藤堂はそう言うと、再びルルーシュを抱えあげた。
「ぅわ、あの‥‥?ぼくは平気ですからッ!」
わたわたと慌てるルルーシュに、藤堂は眉を寄せる。
「君が寝込めばナナリー君が悲しむだろう?大人しく横になるんだ」
藤堂の有無を言わさぬ様子に、「違うのに」と思いながらも言葉が出ずにルルーシュは大人しくなって俯いた。
藤堂はそのままルルーシュを部屋に運び、布団に寝かせ、タオルケットを掛けた。
「寒くはないか?ルルーシュ君」
髪を梳いて熱を見る為に額に手を乗せた藤堂が尋ねる。
病人の看病とか、あまりした事のない藤堂にはどうすれば良いのかあまりわからないが、わからないなりに気付いた事を尋ねてみたのだ。
「はい」
こっくりと頷くルルーシュにホッとした藤堂は手を引っ込めて、「ゆっくり休むんだぞ」と言って立ち上がった。
「あのッ‥‥!」
立ち去る気配を見せた藤堂にルルーシュは咄嗟に声を掛けていた。
ルルーシュの声に必死さを感じた藤堂は、再び座って「なんだ?ルルーシュ君」と尋ねてみた。
「‥‥‥あの。眠るまで、‥‥傍にいて貰っても良いでしょうか?」
どこか縋るような、ルルーシュの表情に、藤堂は知らず頷いていた。
「良いぞ。なんなら手も握っていてやる。だから安心して休め、ルルーシュ君」
そう言って差し伸べた藤堂の手に、ルルーシュは自分の手を重ね、嬉しそうに顔を綻ばせてからゆっくりと目を閉じた。
藤堂は思わずルルーシュの笑顔に見惚れていた。
掌にルルーシュの体温を感じながら、その寝顔を見続けていた藤堂は、いつしか聞こえてきた規則正しい寝息に我に返る。
一体どのくらい見惚れていたのかと、藤堂は自嘲気味に思う。
それから手を引っ込めようとして、しっかりと握られている事に戸惑った。
強引に解けば起こしてしまうかもしれない、と考えた藤堂は、ルルーシュが手を離すのを待つ事にした。

後編に続く

───────────
作成 2008.08.24
アップ 2008.09.07
 

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