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「承知」と応えてしまったが、それでも四聖剣は悩んでいた。
「仙波さん、やっぱり会わせてあげたいんですけど‥‥」
まずは朝比奈がそう言った。
当然ながら側には四聖剣しかいない。
「‥‥しかし。紅月には関わらせる気はないとはっきりと仰られている。何か理由が有るのかも知れぬ」
仙波が藤堂の言葉を無視するのはまずかろうと朝比奈を抑える。
「なら、おれ達が直接」
「ダメだろ、それは。相手はブリタニアの学生だぜ?イレブンが近くをうろちょろしてたら迷惑掛けるだろ」
卜部が諌め、更に「第一、ゼロから租界には出るなって言われてるだろ」と付け加える。
「んー‥‥と、ならブリタニア人って事で、ディートハルトに頼」
「ダメだ」
代案を考える朝比奈の言葉をみなまで言わせず千葉が却下する。
「あの少年にディートハルトを関わらせるのは危ない気がするから、それは却下する」
「むー‥‥。ならC.C.はどうかな?彼女ならピザでつれるかも知れないし。ついでにゼロに言わないように口止めも出来るかもだし」
朝比奈の次なる代案に、千葉は詰まって仙波と卜部を見て「‥‥‥‥どう致しますか?」と尋ねる。
「‥‥‥‥‥‥他に任せられる奴いねぇし‥‥なぁ?」
卜部も渋々と言った様子でそう言って仙波に視線をやり、三人の視線を受けた仙波はこれまた渋々と頷いた。
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥致し方あるまい」
最早心境は「背に腹は代えられない」というやつであろう。
ゼロが来ていない事を確認してから四聖剣はゼロの部屋を訪れる。
旨くすれば、C.C.がいるかも知れないと思って、代表で卜部が扉をノックする。
そして扉は開かれ不機嫌そうなC.C.が顔を出した。
「何だ?‥‥ゼロならば来ていないぞ」
「うん、それは知ってる。ちょっとC.C.に話っていうかお願いが有るんだけど‥‥」
眉を寄せるC.C.に朝比奈がさっくりと用件を切り出し、C.C.は改めて四聖剣の顔を見渡す。
「わたしに?言っておくがゼロの素性とかは話さないぞ。後、話は聞くが、願いは必ず叶えるとは約束できない」
C.C.は眉を寄せたままそう言うと、「それでも良いなら入れ」と言って扉を大きく開いた。
「あー‥‥うん。ゼロの素性とかは知りたいけどそれはまた今度って事で、今回は別件だから入れて貰うねー」
朝比奈はそう言って残る三人を振り返り、頷きが返ってきたのを見届けてから中へと入った。
千葉が続き、仙波が続き、卜部が入るとC.C.は扉を閉ざし、ロックを掛けたのだった。
「‥‥で?」
C.C.は一人どっかとソファに座り、チーズ君を抱え込むと四聖剣に椅子を勧めもせずに尋ねた。
そんならしいといえばらしい行動に四聖剣はそれぞれ苦笑を浮かべる。
「んーと。座って良いかな?てか座るねー?」
そして朝比奈はこちらも我が道を貫くのか、そう言ってから返事も待たずに向かいのソファにさっさと座ってしまう。
「図々しい奴だな。‥‥まぁ適当に座れば良いさ。わたしとしてはさっさと話しなんだか願いなんだか言って引き上げて欲しいところだがな」
一応の厭味だか許可だかの言葉を受けて仙波達もソファに落ち着いた。
「その。租界への使いを頼まれて欲しいのだが」
千葉がそう切り出した。
「租界?何故わたしに?それならばカレンとかディートハルトにでも頼めば良いだろう?」
チーズ君に軽いパンチを喰らわせながら、C.C.はやる気なさげに反論する。
「紅月は事情が有って頼めなくて、ディートハルトは事情がないけど頼みたくないっていうか、なんというか‥‥でな」
卜部が名前の挙がった二人に頼まなかった理由を説明する。
「‥‥なんだそれは。‥‥まぁ、後半は分からなくもないが。それで?」
卜部の説明に呆れながらも理解を示したC.C.は先を促す。
「‥‥‥‥。引き受けて下さるにしろ、引き受けぬにしろ、これからの話は他言無用は是非とも守って頂きたいのですが」
仙波が真面目な表情でC.C.に迫る。
「ふむ。‥‥ならばまずはその口止め料を請求するべきか?」
「お前さぁC.C.。おれ等が言う事じゃないだろうけど、あんまピザばっか喰ってると身体に悪いぜ?」
当然のようにピザを要求するC.C.に卜部は呆れた口調ながらも忠告を入れる。
「ふんっ。ピザの良さが分からん奴は黙ってろ。それで?」
「当然ゼロにも内緒って事で、3枚!」
朝比奈が3本指を立てた手をC.C.に向けながら言う。
「あいつにも内緒なら5枚、だな。あいつは変なところで鋭いからな」
C.C.はにやりと笑って応酬する。
「一体最終的に何枚請求されるんだ?」とは四聖剣の共通の思いだったりするが、誰も口には出さなかった。
「間を取って4枚だな。‥‥良いだろう?C.C.」
千葉が一枚でも減らすべく、そう切り替えした。
「まぁいいだろう。さぁ、時間切れで追い出される前にさっさと話せ?」
C.C.の合意を得て最初の交渉が一段落着くと、四聖剣は頷きあって話を進めた。
「租界にある紅月の通う学園の生徒に言伝を頼みたいのだが」
そう言ったのは仙波で、C.C.はその仙波の顔をマジマジと見ながら内心で心底驚いていた。
しかし四聖剣には呆れているとしか見えず、卜部は苦笑し、朝比奈はへらりとした笑みを見せた。
結果を言えば、C.C.は説明を聞いた後、にやにやとした笑みを見せながら引き受けた。
要求したピザの数は諸々有って大量の20枚。
四聖剣はC.C.に対し、何とか交渉し、合計で20枚のピザを、ピザの代金を支払う事になったのだった。
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作成 2008.08.19
アップ 2008.09.12
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Ⅲ.ばったり遭遇「藤堂+α」編 【5】四聖剣+α。
四聖剣の企みというか目論見というかお節介というか.....。
なんだかんだでC.C.を巻き込みました。
C.C.のほくほく顔が目に浮かびそうです。