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※「転機」の続きです。
C.C.が「オレンジ卿」を連れて何処かへ去って暫く、団員達はガウェインから降りてこないゼロを気にしながら、それぞれの作業をこなしていた。
「オレンジ卿」のナイトメアモドキを気にするラクシャータを宥めすかして、治療班の指揮に当たらせ、怪我人を送り込んだ。
指揮の都合上、幹部が先に見て貰ったのは仕方がないことだったが。
そのラクシャータの治療が、幹部から平団員に移って暫くした頃、紅蓮弐式帰還の報告が届いた。
但し、付き従う零番隊のナイトメアが二機のみと言う事で、騎士団員に緊張が走った。
紅蓮弐式は先程と同じ場所に降り立ち即座に膝をついたが、二機はその後ろに控えるように直立していた。
幹部達が集まりだす中、紅蓮のハッチが開き、カレンが姿を見せた。
「おいッ、カレ‥‥ン?‥‥てか誰だそいつは」
玉城が叫ぶ中、続いて現れた人影に、音量を落とした訝しげな問いかけに変わった。
当然ながら、カレンは無視した。
「そっちお願いします」
メイド服を着た、おしとやかそうな日本人女性が、カレンと二人して、大きな車椅子を紅蓮のコックピットから下ろそうとしている姿は少し異様だ。
「力ありますね。平気ですか?」
「大丈夫ですわ。このくらい出来なくては勤まりませんもの。それよりも、このナイトメアで下に下ろしてもらえますか?」
「‥‥そうね。揺れるかも知れないので、落ちないように気をつけてください」
「承知しております」
カレンは返答を聞くと紅蓮のコックピットに戻り、ハッチを開けたままその腕を操作した。
紅蓮の手の平が女性の立つ肩口に近づけられると、器用に車椅子を操りながら、重さを感じさせない動きで手の平に移る。
それを見届けたカレンはそっと紅蓮の手の平を地面につけ、女性と車椅子を降ろすと、元の体勢に戻した紅蓮から下りてきた。
「それで、どちらに?」
「‥‥と、いうか、みんなと一緒に、先に部屋に行ってもらっても良いですか?そちらに連れて行きますから」
「承知いたしました」
カレンは周囲放置で女性と話をした後、後ろに控えていた零番隊の二機に手を上げて合図をした。
「‥‥ディートハルトは何処にいる?」
二機が膝をつこうと動く中、カレンは周囲を見渡して一人の幹部の名前を呼んだ。
「ここにおりますが。‥‥何故、その女性を?」
声を上げて進み出たディートハルトを、カレンはキッと睨みつける。
「貴様が言うな、貴様が。どうして、ゼロが知らない団員が存在してるわけ?後でキッチリ説明してもらうわよ」
カレンの剣幕に、周囲の幹部は驚いて彼女を見たが、その内容に視線はディートハルトに移される。
「とりあえず今は、彼女達を部屋に案内して。後でゼロが向かうわ」
「‥‥たち?‥‥と、言うと他にも?」
「彼女の連れよ。あなたに責任持って貰って構わないわよね?誰にも手出しさせるんじゃないわよ」
ディートハルトはカレンの怒りが本物である事を察し、頷く事にした。
「承知いたしましょう。‥‥それで?」
「じゃあ、咲世子さん、お願いしますね」
ディートハルトに対するものとは、態度も声音もコロッと変えて、カレンは女性にも頼んだ。
「はい。勿論でございますとも」
女性もまた頷いて返事をした時、賑やかな声と共に、二機のナイトメアから人が降りてきた。
「ふへぇ~。滅茶苦茶狭いじゃないか、ナイトメアに乗るのも考え物だな~」
「そうねぇ。あ、かいちょ~、ニーナ、平気そう?」
「ええ。ちょっと怖がってるけどね。ちゃんと手を握ってたし、平気よね?ニーナ?」
「う、うん‥‥ミレイちゃん。‥‥平気、みたい」
「すまないが、静かに歩いてもらえないだろうか?」
賑やか過ぎる学生達に、零番隊の一人が小声で注意したが、誰も聞いていない様子であった。
「‥‥って、カレン。何ブリタニアの学生なんて連れてきてるんだ?」
「煩いわね、少しは黙ってな、玉城。わたしはまだあんたへの怒りも納めちゃいないんだからね」
カレンは玉城を一喝して黙らせ、近づいてくる学生に声を掛けた。
「会長。とりあえず、みんなには部屋を用意しますから、そこで待ってて貰えますか?」
そしてまた、コロッと変わった声でカレンはそう尋ねるのだ。
「なんか、みんなの視線がとっても痛いんだけど?ホントに平気なの?カレン」
ミレイがこそっと囁いた。
「えっと、こいつはブリタニア人だからニーナも平気でしょう?後は、咲世子さんの傍から離れないようにしてくれれば‥‥団員からも守れます」
「カレン。これは一体‥‥」
「玉城が学園手放したりしなかったらここまで面倒な事しなくてすんだのよ。文句があるなら玉城に言いな」
「ってなんでおれ名指しなんだ?カレン、テメいい加減にしろよ」
「‥‥‥そういえば、オレンジ卿どうしたんですか?姿が消えてるみたいですけど?」
「呼ぶなっつたろ、カレン。‥‥C.C.が連れてったよ」
杉山が教えただろっと注意してから、尋ねられた事にも答えてやった。
「へ‥‥?じゃあ、ガウェインには‥‥。ったく、あんのピザ女~~」
しかし、一瞬呆然としたカレンが、立ち直った後、発したのは、C.C.に対する怒りの絶叫だった。
了
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作成 2008.03.10
アップ 2008.03.27
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合流 カレンの独壇場。
騎士団に合流する生徒会メンバー。
お~か~し~な~。
生徒会メンバーが見たら、絶対、「ぅお、オレンジ卿!?」とか良いそうだったので、
C.C.により強制退場後.....つまりまた出番なし^-^;;