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★明日咲様へのリクエスト作品★
(ロイルル/騎士設定/アジト/ゼロを信頼しない幹部に怒る話/ゼロ&皇族バレ)
「ちょっと待て」
藤堂が待ったを掛ける。
「何?」
盗聴器の件で叫ぶ幹部達を煩そうに見ていたロイドは、気のなさそうに藤堂に視線を向けて尋ねる。
「先程は粛清と言ったな?一体どの立場に立っての言葉だ?ブリタニアか?それとも軍か?」
「違うね。ぼくの主はゼロだから、ブリタニアも軍も関係ない。‥‥ゼロの為にならないなら、ゼロがやらなくたってぼくが粛清すると言っている」
きっぱりと言い切るロイドに、藤堂は「彼の言っている事は本当か?」と尋ねるようにラクシャータを見た。
「‥‥あぁまぁ、プリン伯爵の中ではぁ。ゼロを中心に世界が回ってるしぃ。後はナイトメアとプリンが有って、最後にちょろっとその他諸々がある感じだしぃ?」
「良く判ってるじゃないか、ラクシャータ。その『ちょろっ』にはゼロの為になる者しか置くつもりないから、残りはことごとく排除しようかなって思ってさ」
「あんた‥‥。言葉遣いからして変だ変だと思ってたけどぉ。キレてるわねぇ?よっくそれでセシルが黙ってたわねぇ?」
「あぁ。セシル君なら、快く送り出してくれたよ。彼女もゼロ一筋だし?」
「ラクシャータ。貴女とその男が会話をするとどんどん話がズレているように思う」
千葉が再び修正を試みる。
「そうかもねぇ。半分はわざとだものぉ。ガス抜きしとかないと後が怖くってぇ?」
団員達は「ラクシャータが怖いってどんだけだよッ!」と一層怯える。
「‥‥ゼロを主というが、どういう事だ?」
再び藤堂が問う。
「ん?昔、主であるゼロに忠誠を誓ったんだよ。次に会う時まで気持ちが変わらないなら騎」
「プリン伯爵ッ!」
ロイドの言葉を慌てたラクシャータが鋭く遮る。
「‥‥何?説明の邪魔しないでくれるかな?ラクシャータ」
「プリン伯爵ぅ。あんた、もしかしてゼロの素性まで暴露しに来たなんて言わないでしょうねぇ」
「良いかなぁと思って。隠したままだと折角主が作った組織なのに、安らげないだろ?それで離れるようなら粛清の対象のトップに上げるだけ。簡単じゃないか」
ラクシャータとロイドの会話に、幹部も団員も関係なく蒼褪める。
「だからってぇ、ゼロに無断で暴露したら、あんた嫌われるかもよぉ」
ラクシャータは一騒動起こる事がわかっているだけに止めに掛かるのだが、ロイドはそれでも引き下がらなかった。
「‥‥ぼくが嫌われたとしても、それで主にとって安らげる場所が手に入るなら、喜ばしい事じゃないか?」
真摯な瞳で言うロイドに、ラクシャータは白旗を揚げる事にした。
本当に主一筋で、自分の事を二の次にするロイドに、これ以上反論する言葉が見つからなかったからだ。
「‥‥ラクシャータ。今の話の流れからすると、君はゼロの素性を知っていると言う事になるが‥‥」
「その通りよぉ、藤堂。プリン伯爵が主と慕うなんて後にも先にも唯一人だけだものぉ。こぉんな側にいたってぇのに今まで気付かなかったなんてねぇ」
ラクシャータはそう言って溜息を吐くと「不覚だわぁ」と嘆いた。
「君は素性を知ってもゼロについていくと?」
「当然よぉ。ゼロが本国からいなくならなかったら、野に下ってなんてないわよぉ」
ラクシャータの答えに、もしそうならば紅蓮や月下は存在していなかったかも知れないと思った者が何名か。
「あぁ、時期的に考えてそうだろうなぁとは思ってたけど、やっぱりか。そぉれで主の下に辿り着くなんて羨ましいよ」
ロイドはそう言うと、溜息を吐いて視線を巡らせて入り口に主の姿を発見して固まった。
固まるロイドに、その視線を追ってゼロが来た事を知る。
「ゼロッ!呼び出してすまない。その‥‥」
扇が声を掛ける。
「‥‥来たのか。お前にしては随分とゆっくりしていたな。‥‥まったく。お前だと判っていれば、急ぐ必要はなかったんだがな」
ゼロはそう言うと、スタスタと歩いてロイドとその周囲を囲む幹部団員達の横を通り過ぎようとする。
「どこ行くんだよッ、ゼロ」
「扇から『ブリタニア人がアジトに接近している』と聞いて慌てて来たんだ。少しくらい休ませろ」
「いや、休むのは別に良いんですけど、この人どうにかしてからにしませんか?」
朝比奈がロイドを示して訴えた。
ゼロは一つ息を吐くと、ロイドに向き直った。
「‥‥ロイド。その服装という事は、もう戻る気はないのか?」
「はいー。ランスも持ち出して近くに隠してますしー。あ、これ、起動キーですー。あちらはセシル君が引き受けてくれるって言うし、任せてきちゃいましたー」
にこにこと、先程までの雰囲気はなりを潜め、がらりと変わったロイドが応じる。
それを見てラクシャータはホッと息を吐いた。
しかし、他の幹部団員達は余りの変貌振りに戸惑うばかりである。
「家と婚約者は?」
「あはー?やきもち焼いてくれてるわけじゃないですよねー。‥‥あー‥‥もしかして怒ってらっしゃいますー?」
「当たり前だろう?全く。もう少し手段を選べ。‥‥それで?どうしたいんだ?お前は」
「‥‥どうって。決まってるじゃないですかー。家は別にどうでも良いでーす。彼女の意志も変わらないそうですから、そのうち来ると思いますー」
呆れたように言うゼロに、にこにこと笑うロイド。
「で?本気でわたしの素性をバラす気だったのか?」
「あ、聞いてらしたんですねー。そうですよ?だってここは今、貴方にとって安らげる場所ではないじゃないですか。表の箱庭だって崩壊してるのに」
主と言い切るゼロの問いに、ロイドは真正面から頷いて答え、「ぼくは貴方が安らげる場所を手に入れたいんです。すぐにでも!」と言う。
騎士団の一同はゼロの答えを固唾を呑んで待つ。
場合によってはロイドとかいうプリン伯爵に粛清されかねないから一応と逃げ道を視線で確認する者もいたが。
ゼロは深く息を吐き出すと、すっと仮面に手を伸ばした。
「お前がその気ならば、隠していても意味がないな。バラされる前に自分で仮面を取った方が幾らかマシだろう」
そう言ってから仮面を外した。
もちろん、一騒動があったけどね。
何故か「奇跡の藤堂」が主の事を知っていたり、赤いナイトメアのパイロットだって言う少女が主につっかかったり。
少女に関しては、主が庇うので保留にしたのだけど、後日それを少しばかり後悔したりする。
何故って、婚約者殿がやって来て、「あら、カレン。やっぱり騎士団のメンバーだったのね」なんて話しかけたりしたからだ。
主と婚約者殿の両方が知っていて好意的な相手を粛清の対象になんてできるわけないじゃないか。
まぁ、その時には、主に対する態度から反抗的な要素は消えていて主から「紅蓮の騎士」なんて呼ばれるに相応しくはなってきていたけど。
ディートハルトとかいうブリタニア人が暴走して主に突進してきたのはその場で沈めて、今後も一層注意しようと思ったり。
結果としては主は未だにゼロを続けている。
素性を知った後も、誰も離れようとはしなかった事はここに記しておくけど。
それがぼくが睨みを利かせたせいなのか、そうじゃないのかはこれから判断しようと思う。
了
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作成 2008.07.06
アップ 2008.07.10
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明日咲様へ。
お気に召していただけましたでしょうか?
リクエスト内容に合致しているかはいまいち不明ですが、
どうぞ、お受け取りください。
............あれ?いつも思う事ですが、今回もやらかしましたorz。
バレが。バレた場面がすっ飛びました。
ご立腹ロイドは前半のみだし、+どまりな感じだし、バレがぁ。
一枚だと少し長いのでぶつ切りにしました。
切ったところがまた中途半端な気もしています。