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★本樹様へのリクエスト作品★
(独占欲藤堂x周り牽制ルル/甘々)
「最近の藤堂さん、なんだか少しおかしくないですか?」
朝比奈はこのところ抱いていた疑問を、同じ四聖剣の三人にぶつけた。
「まぁ、‥‥そうだな」
仙波はまるで「何を今更」と言いたげな視線を朝比奈に向けてそう応じた。
「で?朝比奈は中佐のどこがどうおかしいって思うんだ?」
卜部もまた、どこか笑いを堪えているような表情で、朝比奈に尋ねる。
「え‥‥っと、ですね。ゼロに頼りすぎてません?」
問い返された朝比奈は、考えながらそう答えた。
「‥‥‥。そうか、朝比奈。お前には中佐のあれがそう見えるか」
千葉は呆れた様子で朝比奈に視線を向けた。
「え?え?え?あの、ちょっと千葉さん?だって藤堂さん。最近特に『ゼロ、少し良いか?』とか『ゼロ、作戦についてなんだが』とかって多いですよ?」
三人の、特に千葉の反応に、朝比奈は慌てながらも「前はそうでもなかったじゃないですかッ!」と言う。
「朝比奈。中佐がそうゼロに言う時の様子、思い返してみたらどうだ?」
卜部がそう言ってからやれやれと溜息を吐いた。
「えっと、さっきは、ゼロは扇さんと話をしてて‥‥。その前はディートハルトからの報告を聞いてました。でも、作戦の件だって急を要したりしますし‥‥」
「問題はそこじゃない、朝比奈。‥‥だが、判らなければそれでも良いとわたしは思う」
千葉が言うと、仙波と卜部も「そうだな」とか「それもそうか」とか言って同意し、一人混乱する朝比奈は答えを聞く事が出来なかった。
「なぁ、ゼロ」
「なんだ、扇」
「思ったんだけど、藤堂さんとの話ってここで出来ないのか?別にわざわざ移動しなくても良いと思うんだけど‥‥」
「あぁ、その事か。‥‥作戦は決まるまでの二転三転している途中経過は知らない方が混乱が減るだろう?」
扇の疑問に、ゼロはさも当然とばかりに答え、それがまた「なるほど」と納得出来てしまう内容なので扇も頷いた。
「うっかりボツにした作戦が耳に残っていて、それで動かれては堪らない」
それをソファに座って雑誌を読みながら聞くとはなしに聞いていたC.C.は危うく噎せるところだった。
もっともらしい事を言っているゼロが、自室で藤堂とかなり和やかな時間を過ごしていると知れば、「驚くだろうな、こいつ等‥‥」とC.C.は思う。
しかもこんな風に言っていれば、今後藤堂を自室に招いている時に邪魔に入ろうとする者は格段に減るだろう。
「ダメだ、笑いたい‥‥」と思ったC.C.は雑誌を放り出して立ち上がると、周囲の目などお構いなしに部屋を出て行った。
きっと暫く後にゲットーの何処かで少女の笑い声が響く事だろう。
藤堂を部屋に招き入れたゼロは、鍵を掛けると即座に仮面を取る。
藤堂を先に座らせて、緑茶と和菓子を出すのは既に恒例の事。
二人だけの時間が嬉しくて、ただ静かに同じ空間を共有する、穏やかな瞬間。
ノックが聞こえて来た時、ゼロと藤堂は同時に顔を顰めて扉を振り返った。
『話中すまない。ゼロ、少し見てもらいたいものがあるんだけど‥‥』
扇の声に、しかし応じたのは藤堂だった。
「ゼロは今奥の部屋に資料を取りに行っていて手が離せない。後に出来ないか?」
『‥‥‥そ、そうか、わかった。ゼロに伝えておいてくれ』
「そうしよう」
即答する藤堂はちらとルルーシュを見るだけで終わらせてしまう。
結局、この時の扇の「見てもらいたいもの」をゼロが見るのは日が沈んでからだった。
「朝比奈」
呼び止められた朝比奈が振り返るとゼロがいて少し驚く。
「なんですかー?」
「これを。提出された書類に不備がある。直しておけ」
渡された書類を受け取って示された場所を見てから「ぅわ、なんて間違いを‥‥」と朝比奈は青褪める。
「‥‥間違いは誰にでもあるから、そう気にする事はない。だが、明日の朝には出来ているか?」
「あ、はいッ。明日の朝には再提出しますッ!」
答えると朝比奈は一度藤堂のところへと戻り、事情を話して許可を貰ってから自室へと引き上げて行った。
残る四聖剣は、その光景を少し離れたところで見ていた。
「‥‥‥‥そろそろあるとは思ったけど、見事な追い払いっぷりだなぁー」
乾いた笑いを浮かべながら卜部が評した。
「まったくです。ある意味あからさまなのに、そう見る者が少ないせいか、気付いている者は少ないですね」
千葉も感心したように言って頷く。
「しかし‥‥朝比奈がミスをしていなければ、どうなっていたかと思うと、そちらの方が恐ろしいと思うのは気のせいか?」
「いえ、気のせいじゃないと思います、仙波大尉。わたしもそれは見たいとは思いません」
「当面、朝比奈を忙しくさせとくか?‥‥おれ達の精神衛生上の為に」
「ふむ。それが良かろう」
「賛成です、卜部さん」
三人が頷きあった時、ゼロの仮面が三人を見たので、慌てて首を振った。
すると満足げに頷いた仮面は別の方向、藤堂へと向かい遠ざかっていった。
「‥‥やっぱり朝比奈を忙しくさせとこう」
卜部が言うと、仙波と千葉は声もなく頷いた。
朝比奈に入れ替わるように近付いてきたゼロに、藤堂が先に声を掛ける。
「ゼロ、朝比奈が迷惑を掛けた」
するとゼロはゆるりと仮面を振って側に他に誰かいるでもないのに声を低めた。
「いや、渡りに船と言う奴だ。実はそれ程急ぎではなかったんだが‥‥」
その内容に、上司としては苦情を言うべきなのだろうが、藤堂は笑みを見せて尋ねる。
「そうか。なら今夜は時間があるのか?」
「あぁ。藤堂さえ良ければ‥‥」
「伺おう」
「わかった」
ゼロにみなまで言わせず藤堂が答えると、ゼロは苦笑してから短く答えた。
「‥‥ところで月下について少し尋ねたい事があるのだが‥‥」
「ラクシャータはどうした?」
「先程医務室の方へ行った。暫く戻らん」
真面目に言う藤堂に、一瞬言葉を詰まらせたゼロはくすりと笑って頷いた。
「‥‥そうか。コックピットだろう?」
そう言うと藤堂とゼロは並んで月下隊長機のコックピットへと消えていった。
「あ、千葉さん。ゼロ知らないか?」
「‥‥‥先程までは居ましたが‥‥忙しい人ですから既に移動したのかも知れません、扇さん」
千葉は二人が月下隊長機のコックピットへと消えるのを目撃していたが、しれっと答える。
「そうか。ありがとう」
そんな事は知らない扇は礼を述べてからゼロの姿を求めて格納庫を後にしたのだった。
了
作成 2008.06.29
アップ 2008.06.30
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本樹様へ。
お気に召していただけましたでしょうか?
リクエスト内容に合致しているかはいまいち不明ですが、
どうぞ、お受け取りください。
あれ?なんか変?甘々?甘々?どこが??
ゼロの牽制の道具に四聖剣(朝比奈除く)が使われてます....orz
てか気づかせる事なく牽制するのが難しく3人しっかり気づいてますし.....。
しかも甘々ならず。
激しくリク内容と掛け離れた気がしてなりません。
こ、こんな感じで宜しかったでしょうか~~~?