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黒の騎士団、何故かいつもは夜おこなわれる幹部会議が朝も早くから招集された。
まだ眠そうな幹部達が集まり、ゼロの話を静かに聞いていたのだが。
話を聞き終わった時、その場にいた誰もが固まった。
そう例外はない。
藤堂も四聖剣もだ。
「‥‥‥‥ぜ、‥‥ぜろ?あ、あぁぁぁあああのさ」
扇がどもりまくってゼロに声を掛ける。
「どうした?扇」
「いぃぃぃぃいまの!もう一度ぃぃぃいってくれないか!?」
「なんだ、聞いていなかったのか?」
そう言って再びゼロは同じ事を口にする。
当然ながら、幹部達の耳にも同じ内容が届く、聞き間違いじゃなかったのか‥‥と遠い目をする幹部達。
「ちょッ‥‥‥‥っとまてよ、ぜろ。そそそそれはおれたちきしだんんんのしごとじゃねえだろお」
と何故か動揺しまくったまま玉城は反論し、「よっしよく言った玉城。伊達に楯突いてるわけじゃなかったんだな」と褒める(褒めてるのかこれは)。
「何故だ?我々は正義の味方だと言ったはずだな?ならば当然、すべき事だろう?」
心底不思議そうに玉城に仮面を向けるゼロに、これはこのまま黙っていては流されると幹部一同慌てた。
「ちょっと待てゼロ。一体何故こんな事を言い出した?正義の味方とはいえ、我々はテロリストだぞ?ボランティアグループでもなんでもない」
「ボランティア?何を言ってる千葉。こんな事は当たり前の事だし、本来は毎日でもすべき事だろう?」
千葉の抗議の言葉にもゼロはやっぱり不思議そうに言い返すのだ。
そして「確かに正論なのだが、どこかズレてる!」と思うのだが、もうどうして良いかわからず頭を抱える者多数。
「‥‥ゼロ。質問して良いか?本来は毎日‥‥とそう思っているのならば、何故今日そんな事を言い出す?しかも朝早くにやってきてまで」
藤堂が問いかける。
「決まってる。今日は────」
ゼロの返答に、一同はズッこけたのだった。
しかしゼロの説得に失敗した幹部達は、泣く泣く団員に指示を出し、ゼロの言う「作戦」を決行に移した。
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「何?騎士団がおかしな動きをしている?‥‥なんだそれは」
報告を受けたコーネリアは訝しげに聞き返して首を傾げた。
「はぁ。シンジュクゲットーのあちこちに出没しているとの報告が上がって来ているのですが‥‥」
主に問われて、しかしギルフォードは曖昧にこちらも首を傾げながら報告する。
「‥‥また毒ガス作戦でもおこなう気か?」
コーネリアはエリア11に赴任前に起こった事件を例に上げてみる。
「お言葉ですが、姫様。毒ガス事件は黒の騎士団の仕業ではありませんが」
ダールトンが訂正するが、確かに黒の騎士団の仕業ではないが、幹部の一部が関わっていたりするからむ関係とはいえない(実際には毒ガスではなかったが)。
「‥‥それで?出没して何をしているのだ?」
コーネリアはダールトンの言葉に頷いてから、気を取り直してギルフォードに尋ねる。
「‥‥‥‥‥はぁ、それがその‥‥」
またもや歯切れの悪い返答をするギルフォード。
「良いから言ってみろ」
「それが‥‥掃除と、ゴミ拾い‥‥です、姫様」
ギルフォードの答えに、コーネリアとダールトンの目が点になったのだった。
***********
『ゼロッ!ブリタニア軍が接近しています!』
第一報はカレンだった。
『だぁからナイトメアまで持ち出すのはやめようって言ったんだッ!』
玉城が慌てて泣き言を言う。
玉城の言葉通り、ゼロのガウェイン、カレンの紅蓮、藤堂と四聖剣の月下他、数機のナイトメアがこの「作戦」に駆り出されていた。
『カレン。指揮を執っているのは誰か解るか?』
しかしゼロは慌てず、軍を発見したカレンに尋ねる。
『グロースターが見えるからコーネリアが騎士連れて来てるみたいです、ゼロ。‥‥どうしますか?』
『恐らく、すぐに戦闘に突入する事にはならない。‥‥わたしが行く。お前達はその場で待機していろ』
『なッ!一人でなんて危険過ぎます!!』
『ゼロ。おれも紅月に賛成だ。せめておれと四聖剣をつけろ』
カレンが反対し、藤堂もまたそれに便乗する。
『‥‥藤堂だけで良い。他は待機だ。行くぞ、藤堂』
改めての指示に、これ以上は言っても無駄だと一同は渋々頷いていた。
『‥‥わかった』
藤堂もまた反論を諦めて了承した。
***********
『ゼロッ!貴様一体何を考えている!?』
コーネリアの第一声。
『おやおや。コーネリア皇女殿下御自ら、協力しに来てくださったのですか?』
しかしゼロは平然とそう言ってのけた。
コーネリアのグロースターのすぐ後ろに控えるダールトンとギルフォードのナイトメアも、その後ろに続く親衛隊機も更に後ろに控えるサザーランドもお構いなく。
『ふざけるな。わたしを愚弄する気か?』
『まさか。‥‥貴女こそ今日が何の日かご存じなくやってこられたのですか?』
ゼロは驚きさえ声に乗せ、問い返し、藤堂は「通じるはずがないだろう?」と頭を抱えた。
『今日‥‥‥?』
コーネリアは訝しげに呟き考える。
『今日は5月30日ですね』
『‥‥はっ、まさか!?』
ギルフォードもまた日付を口にして考えていたが、それでコーネリアが思い至ったらしい。
『やっとわかりましたか?コーネリア皇女殿下』
『すまない。‥‥そうだな。今日だけは停戦し、協力してよう』
コーネリアの言葉に、それを聞いていたゼロ以外の者が当然ながら驚く。
『『姫様ッ!一体どういう事ですか?』』
『ダールトン、ギルフォード。手分けして隊を振り分け、周辺のゴミ拾いをさせよ』
コーネリアの命令に、騎士二人を筆頭にブリタニア軍将兵はことごとく驚愕した、顎が外れるのではないかというくらい驚いた。
その様子を間近で見ていた藤堂は朝の自分達を見ているようで、ブリタニア軍に同情した。
そんな部下達に目を向けて、コーネリアは平然と言ってのけた。
すなわち、
『今日は5月30日。つまり530。ゴミゼロの日だッ!』
そうして終日、敵味方入り乱れてゲットーのゴミ拾いに終始したのだった。
了
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作成 2008.05.30
アップ 2008.05.30
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今日はゼロの日(違) ゼロ+騎士団+ブリタニア軍。
バカ話。当然ギャグです。
なんか思いついてしまったので。
これってなんか違うような‥‥とか思いながら。