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──面接「ミレイ&リヴァル」編──
今回、面接に立ち会う事になったのは、カレンだけで、ゼロはカレン一人を従えてアジトを離れた。
「彼女一人だけ連れてくなんて、今回の入団希望者ってどんな人達なのかな~?我が君に危険な事は?」
未練がましく遠ざかるゼロの姿を見送りながら、ロイドは引き返そうとする藤堂に尋ねた。
藤堂は足を止めて振り返る。
四聖剣が立ち止まり、ロイドと一緒になって聞く体制になっていたダールトンとジェレミアはもとよりラクシャータとディートハルトも注目する。
周囲に残った面子に、藤堂はゼロの危惧が判る気がした。
「問題ない」
藤堂が返したのはその一言だけだった。
「だけどー。ゲットーって何かと物騒だしー?」
ロイドの心配は「外見はどうみてもブリタニア人に見える子ども二人では危険」というものである。
そう考えてから、ロイドは「おや?紅蓮のパイロットは知らないんだっけ?」と今更ながらに思ったが。
「問題ないな。今回の面接場所は租界だと言っていたからな」
藤堂は曖昧に応じたが、実際にはその「面接会場」が「生徒会室」で有る事も知っていた。
藤堂の言葉に、ディートハルトを除いたブリタニア人達は慌てた。
「主を誘き寄せる為の罠という事はありえないのかッ!?」
「租界で不審な行動を取るのは、流石に目に留まり易いと思われる。今からでも止めに行った方が‥‥」
「そうですよ。今は軍も殺気立ってるだろうしー?」
「う~ん、わたしはぁ。ゼロがわざわざ租界を指定してまで面接しようとしている今回の入団希望者に興味あるわねぇ」
その時、半数が騒ぐ一行の横を、C.C.が歩いて通り過ぎる。
「あれ?C.C.どこ行くの?」
「ゼロが出かけた事だしな。わたしも戻って休む。ここではゆっくり休めなくなったからな」
「いかにゼロの『共犯者』といったところで、現状租界が危ない事には変わりない。アジト内で大人しくしている事を勧めるが」
ダールトンがC.C.に真っ向から意見する。
「流石堅物だけの事はあるな。ゼロより口喧しい。だが、その案には従えない。わたしにはするべき事があるのだからな」
そう言ってC.C.が踵を返そうとするのを、ジェレミアが腕を掴んで止めた。
「ッ‥‥離せッ、オレンジッ!」
C.C.の勢いに気圧されたジェレミアは、掴んだ腕を離して数歩後退る。
「‥‥‥わたしに触れるな。わたしは誰の指示にも従わない。ゼロに関する事なら聞く事もあるが命令されるのは真っ平御免だし、触られるのも嫌だ。覚えておけ」
幾分抑えた声音で言った後C.C.は再び歩きだす。
辛うじて藤堂がその背中に「気をつけて行け」と声を投げただけでC.C.の姿は一同の視界から消えた。
「あ~あ、C.C.の機嫌損ねたねー、オレンジ卿。後であの子とゼロに謝っときなよー」
朝比奈がまだC.C.の消えた路地に視線を向けたまま、ぽつりと呟いた。
「ゼロにも、というのは?」
未だ衝撃から覚めないジェレミアに代わり、ダールトンが尋ねる。
「C.C.がやけ食いに走ると、ゼロの懐直撃だから?」
朝比奈の何故か疑問形な回答に、ダールトンとロイドがジェレミアの肩を叩き、ジェレミアは呆然と「はい」と呟いたのだった。
「へぇ~?やっと認めるってわけね?」
生徒会室に入ると既に待っていたミレイの声がかかる。
「おれ達、話してくれるのず~っと待ってたんだぜ~」
次いでリヴァルの声が恨めしげに飛んでルルーシュとカレンにぶつかった。
「‥‥‥‥リヴァル、ナイトメアの騎乗は?」
ルルーシュは肯定も弁解もせずに質問を投げる。
「おれ?ガニメデならまっかせなさ~い?」
リヴァルは首を傾げてからおどけた様子でそういって笑った。
「会長ですか?リヴァルにガニメデを教えたのは」
「あったり~♪アッシュフォードから四機つけちゃうわよ~。ガニメデ部隊ができるでしょー」
ミレイも笑う。
「四?また中途半端な数字だな、ミレイ。つまり騎乗者は既に決めているんだな?」
ルルーシュはそんな二人に苦笑した後、口調を変えてミレイに問い掛けた。
それと気付いたミレイもまた口調と態度を改めた。
「はい。わたしとリヴァル。後は咲世子さんと‥‥‥‥ナナリー様です、ルルーシュ様」
「そうか、わかった。その覚悟があるのなら、入団を認める。ガニメデを弄れるとなれば技術班が泣いて喜ぶだろうし?」
二人のまるで芝居がかったやりとりにリヴァルとカレンは驚き目を見張る。
「ありがとー♪ルルちゃん。でもねー、他はともかくロイド伯爵喜ばすってのはねー。誘ってもくれなかったしー?」
だが、ミレイは即座に元通りに戻ってしまい、二人はがっくりと肩を落とした。
「報復がしたいなら別の事でしてくださいよ、会長。あいつの技術力はナナリーの為にも必要なんですから」
「わかってるって。‥‥‥‥んー?驚いた?だぁてねー、これからルルちゃんの下で働くわけでしょー?これくらい出来なくちゃ?」
「会長のノリはころころ変わるってわかってるだろ?リヴァル。こんな事で驚いてたらこの先大変だぞ」
「てか、なんで平然としてるの?ナナリーちゃんをナイトメアに乗せるって言ってるのに!」
「とめてやめるならとめてる。本当に危険と判断したら絶対に乗せたりはしない」
そのルルーシュの言い分にカレンは勢いを削がれ続きを待った。
「だがな、カレン。ミレイがこう言った以上、ナナリー用にガニメデの調整は出来てるだろうし、そうである以上、ナナリーの腕はぴか一なんだ」
「「‥‥‥‥へ?」」
カレンとリヴァルの声が被る。
「調整はばっちりよ~♪ナナちゃんに合わせてるから他の人は乗れないけどねー」
「それで?二人は?奥か?」
尋ねるルルーシュの視線は会長室に向けられる。
するとカチャと扉が開いてナナリーの座る車椅子を押した咲世子が入ってきた。
「お兄様‥‥‥‥」
「すまない、ナナリー。黙っていて。いつ気付いたか、聞いて良いかぃ?」
「スザクさんが乗ってらしたランスロットが黒の騎士団に参加したと知った時からです。乗ってらっしゃるのはロイド伯爵でしょう?」
「あぁ、迂闊だったな。ナナリーは以前ロイド伯と何度か手合わせした事が有ったからな‥‥気付いて当然か」
「「「‥‥‥‥あの、ルルーシュ(様)。手合わせ、とは‥‥ナイトメア戦、(だよな?)」(です)よね?」」
「そうだ。流石に6歳の少女に白兵戦を挑もうとする愚か者はいなかったからな。‥‥で、ナナリーが勝てなかったのは一人だけだった」
「‥‥‥‥ナナリーちゃん?ルルーシュの言ってる事、ほんと?」
「はい♪お母様には一度も勝てませんでした。とっても強くって‥‥。いつかわたしもお母様のように強くなってお兄様をお守りしようってそう思っていました」
恐る恐る尋ねたカレンの言葉ににっこりと笑ってナナリーは応じたが、それはちょっとばかりズレた答えでもあった。
「しかし、‥‥一度に四人か‥‥」
「‥‥あの、ルルーシュ様?わたしは既に騎士団に所属しているのですが‥‥ご存知ではありませんでしたでしょうか?」
咲世子の控えめな問いに、ルルーシュとカレンは顔を見合わせる。
「あいつか」「それしかないでしょ」「何のつもりだ?一体‥‥」「戻ったらとっちめてやりましょう」「そうだな」と、ルルーシュとカレンはげんなりとした表情で言い合った。
「あ、そうだ、会長、それにリヴァルも!どうしてスザクの話流せって教えてくれなかったんですか?」
「あっら~。やっと気づいたの~てか教えたのルルちゃんね~?」
「んなの、ささやかな嫌がらせに決まってるじゃん。おれら出し抜いて騎士団に所属してるからだぜー?」
カレンはミレイとリヴァルの言葉に、がっくりと肩を落とした。
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作成 2008.05.13
アップ 2008.05.25
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黒の騎士団入団試験 【10】面接「ミレイ&リヴァル」編 ゼロ:「そうか、わかった。その覚悟があるのなら、」
入団試験にしては異色でした。
シリアスなC.C.と入団希望の書類を出してない人の入団が重なってしまいました。
まぁ、面接会場が生徒会室だとついて来ますよねぇと言う事で。
レッツ夜逃げ。