(「父の日騒動」続編【11】/藤堂+ゼロ)
「る、ルルーシュ、君?‥‥その、嫌だったか?こうされるのが」
急にルルーシュの様子が変わった事に気付いた藤堂は慌てる。
そう言って身体を離そうとして、しがみ付かれたままなので、断念して。
優しく、というか恐る恐るに近い状態でルルーシュの背中を撫でて宥める。
「‥‥ぃぇ。‥‥そうじゃなくて‥‥」
フルフルと微かに首が振られるのが藤堂の胸に伝わってきた。
「ルルーシュ君。おれの存在は君にとって安らげるものか?」
そうで有って欲しいと願いながら藤堂は尋ねる。
「ぇ?あ、はい。藤堂さんの側は安心出来て‥‥‥‥」
唐突の言葉に、ルルーシュは答えとなる言葉を捜しながら紡ぐ。
それが分かったのか、藤堂はルルーシュが言い終わるのを待った。
「‥‥だからおれは期待してしまったんです」
そう言って顔を上げたルルーシュはひたと藤堂の顔を見た。
「今まで『父の日』なんて何もしなかったのに‥‥‥‥」
ルルーシュの言葉に、藤堂は「あぁ‥‥」と納得した。
───────────
2008.08.19作成
2008.08.29-2008.09.05up
2008.09.28再録
PR