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生徒会室の前でカレンはミレイと行き違う。
「ミレイ会長?‥‥どちらへ?」
「ルルちゃんったら人遣い荒くって~。もぉ~やんなっちゃんわ~」
まずは大抵おどけた愚痴が零される。
「会長。自業自得って言葉覚えたほうが良いですよ。急ぎなんですから、さっさと行って来て下さい。‥カレン、来たなら入ってくれ」
部屋の中からルルーシュのかなり不機嫌そうな声が飛び出してくる。
「あちゃ~。じゃ、後はよろしく~」
結局ミレイはカレンの問いに答えることなく足早に立ち去っていった。
カレンは少しその背を見つめていたが、仕方なく生徒会室に入る。
みんなそれぞれ出払っていて、机に書類を満載にしたルルーシュだけが室内にいた。
‥‥これを手伝うくらいなら、少しくらい人遣いが悪かったとしても、あちこち動き回る方が良いかなと思う量である。
しかし、この量の書類仕事をしながら、生徒会メンバーや実行委員に指示を出しまくるとは、凄い事ではないかとカレンは少しルルーシュを認めた。
もっともカレンがここに来たのは、準備を手伝う為というよりは、とある事を聞く為だったりする。
カリカリと物凄い速さで何かを書き付けるルルーシュに声を掛ける雰囲気でもなく、暫く待っているとピタリと音が止まってルルーシュは顔を上げた。
「採点をしやすくする為、ゼッケンを採用する事になった。そこにゼロ用のゼッケンがある。カレンが預かっていて、当日ゼロ役に配ってくれ」
桐原公経由でゼッケンの話を既に知っていたカレンは、内心ほくそ笑みながら聞いていたが、ルルーシュの最後の言葉に驚く。
「‥‥良いの?誰がどの番号か、把握してなくて?」
「生徒会だけが知っていると不公平だろう?特にゼロ役は指示を出すほうだからな。知っていれば不正が起こりやすい」
そろりと尋ねるが、ルルーシュは軽く笑って肯定した。
「‥‥なら、‥‥団員の方は?」
カレンがさりげなく本題を切り出す。
「会長の指示でおれが管理している。‥‥言っておくが、おれのは教えないぞ?」
さらりと暴露したルルーシュがにやりと笑って付け加えた。
「だッ、誰があんたのなんか知りたいって言ったのよ」
カレンは頭に血が昇って思わず、素のままに怒鳴り返してしまい、バツの悪そうな表情で視線を逸らした。
「おれのなんか、‥‥か。誰か知りたい奴でもいるのか?手伝うなら一人くらいは教えないでもないが‥‥。勿論、おれ以外でな」
今のルルーシュにとって、人手を確保する事が最優先課題だった為、ついついそんな言い方をしてしまう。
カレンは迷って机の書類に目を向ける。
「‥‥手伝い‥って、それ?」
「そうだが?‥‥流石に会長達の手前、カレンにあちこち駆け回れ‥‥とは言えないからな」
これでも譲歩しているんだとばかりのルルーシュの言葉に、カレンは「駆け回る方が良いに決まってるじゃない~」と内心叫びながらも頷いた。
会長達を出されれば、例えルルーシュには本性が知られているとはいえ、病弱設定である以上、頷く以外の手は残されていないからだ。
「それは助かる。‥‥で?誰が良い?」
「‥‥あ、じゃあ‥‥枢木君を」
カレンは知りたい事でも有った事だしと、それ以上深く考えずにポロリと零す。
すると、ルルーシュは数瞬カレンを凝視した後、それはそれは人の悪い笑みを浮かべたのだ。
「へぇ~。カレンお嬢様のお気に入りはスザクだったのか。スザクに教えたら喜びそうだな」
「バッ、‥‥ちょ‥‥ちが‥‥。何言ってるのよ。誰もそんなこと言ってないじゃないの」
カレンは言われた意味に気づいて顔を真っ赤に染めて反論する。
だいたい、枢木スザクは敵なのだから、そんな邪推は迷惑以外のなにものでもない。
「これを並び替えて、こっちは集計、それとこれの統計を取ってくれ。終わったらまだあるから声をかけてくれれば良い」
トン、トサ、トスと紙の束が目の前に置かれるのをカレンは口をパクつかせながら見ているしかなかった。
カレンは声が出せない程驚いていたので、「こ、こいつ、なんだってこう変わり身が早いのよッ」と内心で思いっきり毒づいておく。
「‥‥‥‥どうした?手伝うんだろう?‥‥それとも気分が悪くなったのか?カレンお嬢様?」
「‥‥‥‥。やれば良いんでしょう、やれば」
動かないカレンに、ルルーシュは「一旦引き受けておいてやめるのか?」と言いたげな視線を向ける。
勿論、そんな視線を投げられたからには、カレンに引き受けると言う選択肢しか残されてはいない。
椅子に座ると、はがれかけた病弱設定をなんとかくっつけ直して、静々と作業をやり始めたのだった。
ミレイは途中まだ大量の書類を抱えて行きすぎようとするスザクと遭遇する。
「あれ、スザク君。あの後一度戻ったの?」
ミレイが生徒会室に入った時に出ようとするスザクの持っていた書類の量と同じくらいだったから、思わず声をかけていた。
「あ、会長さん。‥‥いえ、まだです。これは行った先で貰った物もあるので、減らなくて‥‥」
体力馬鹿と称されるスザクにとって、重さは大した事がなくても、いつ紙が飛ばないか、落ちないかと結構神経を使うので疲れてきている。
「大変ね~。軍の仕事は良いの?」
「あ、はい。このイベントが終わるまでは‥‥。何故かみんな、協力的で‥‥」
「豪華賞品に魅かれたかな~?」
ミレイは本当にに~っこりと笑う。
「‥‥えーと。会長さん。ところで、騎士団側はどうなったんですか?」
「あぁ。とりあえず打診はしておいたわよ。返答待ちってところかしら。でも、多分大丈夫だから安心していーわよ~」
お~ほっほと高らかにミレイは得意満面に笑って見せた。
「そうですか。一応、軍の方でも、学園の周辺に配備すると言う事になっているらしいんですけど‥‥来ないに越したことはないですからね」
「そ~ね~。‥‥あ、急いで戻らないとルルちゃんに叱られちゃうわ。スザク君も頑張ってね」
「は、はい。では、後で」
呼びとめたのはミレイだったが、そう言うと、二人は慌ただしく自分の仕事に戻って行った。
「は~い、もしもし~。誰かな~?」
ロイドは非通知の電話に出るとそう尋ねる。
『‥‥‥‥相変わらずね~、プリン伯爵ぅ?』
「げ、ラクシャータ。‥‥ど~したんだぃ?珍しい事もあるね~」
それまでそれなりに見た目機嫌の良さそうだったロイドは、眉を顰めて一気に不機嫌モードに突入してしまう。
『わたしだって、あんたなんかに連絡取りたいとは思わなかったんだけどね~。仕方なく~ってやつ~?』
「‥‥それで~?一体なんの用事なんだぃ?」
『ちょっとね~。あんたの名前を小耳に挟んじゃったから~?あんた白兜のデヴァイサーにおかしな指示を出したんだって~?』
「‥‥ハッ、まさか、君。そっちでも似たような事考えてるんじゃないだろうね?」
『なんの話~?』
「‥‥‥‥。むぅ。良いじゃないか少しくらい。君は常に傍にいられるようだけど、ぼくは現在敵側に立っているんだし~」
『‥‥‥‥‥‥。だから、プリン伯爵?一体何の話かって聞いてるじゃないの~?』
「へ?‥‥‥もしかして、君。知らない?全然?まったく?」
『わからないからき~てるんじゃないのさ~。だから、一体なんの話なわけ~?』
「‥‥‥‥。あは~。別に~。それならそれでいーんだ。‥‥それで?用事は?」
『ん~。「あれが出て来るとややこしい事にしかならない」って言うしぃ?大人しくしててくれるわよね~?プリン伯爵ぅ?』
「‥‥‥‥ラクシャータ、君ね?ホントのホントはわかってるのかぃ?それともわかっていないのかぃ?一体どっち?」
『またわけのわからない事を‥‥。返事は~?』
「‥‥仕方がないね~。その日だけだよ~。その日だけ、ぼくのランスのメンテナンスをエラーにしとくから。それだけだからね~?」
『ま、それでいーんじゃないかなぁ~?‥‥じゃ、ね~プリン伯爵』
ガチャン、ツー、ツー。
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。一体どっちなんだぃ?ラクシャータ?」
切れた電話を眺めて、ロイドは切なげにポツリと呟いたとか。
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作成 2008.01.26
アップ 2008.02.02
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学園イベント「黒の騎士団」【4】学園にて(ルル+ミレイ+カレン+スザク)。電話(とある会話)。
イベント準備の一コマ。
ルル事前準備に奔走中。
うちのルルはカレンをからかって遊ぶのが好きな模様....CPにはならないなぁ~(汗
とある電話はロイドとラクシャータ。
頭の良い奴は先読みしすぎますって話?かなぁ?
さて、ラクシャータは一体どっちでしょう♪....と書きながら考えてたり(汗