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「「「「「「‥‥‥‥は????」」」」」」
アッシュフォード学園生徒会長ミレイ・アッシュフォードの言葉に、生徒会役員全員が揃って聞き返していた。
何かの間違いだ、聞き間違いだ、きっと耳がおかしかったんだ、とそれぞれ心の中で叫んでいたりするが。
ミレイがそんな事を斟酌する事はなく。
「だからぁ。来月初めに、『ゼロイベント』をするよ~って言ったのよ。全員一日ゼロに扮して行動するの」
「「「「「‥‥‥‥きゃっかぁ~~~~~!!!!」」」」」
ルルーシュ、スザク、カレン、シャーリー、ニーナの声が室内に響き渡る。
「う~む、けど会長~。ゼロの衣装って露出がないし誰が誰だか分らないし、面白みに欠けると思うんですけど~」
一人リヴァルは、唸り声を上げながら、ミレイの言葉を検討していた。
「そぉ?‥‥じゃぁね。『黒の騎士団イベント』にしましょう。十人くらいがゼロに扮して残りは騎士団の格好をしてゼロ役の指示に従うの。どぉ?」
「あ、それならなんとか。なぁ?」
変更したミレイの意見に賛成したリヴァルは、どうだお前等と言った様子で残りのメンバーを顧みた。
「どこがですか、会長。リヴァル、お前もだ。そんな事をして、軍や黒の騎士団に目をつけられたらどうする気ですか?」
「そうだよ。黒の騎士団は何をどういったところでテロリストなんだよ?それをイベントに取り上げようだなんて」
ルルーシュが危機感に訴えれば、スザクも頷いて非難する。
「イレブンでしょう?‥‥その真似事をするなんて‥‥」
「そうですよ、会長。正義の味方とか言っておいて、やる事はひどい連中なんだから」
ニーナとシャーリーもまた否定的な言葉を口にした。
「ノリが悪いわね~。みんな。‥‥カレンも反対?」
「え、えぇ。やめておいた方が良いと思うのですけど‥‥」
カレンは曖昧に頷いて応じた。
「だ、け、ど~。これは決定事項ね~。一番巧かった人には!なんと、豪華賞品をプレゼント!なのだよ、諸君」
「はいは~い。会長~。豪華賞品ってなんですか~?」
一人ノリの良いリヴァルが、ミレイの話に即座に喰いつく。
「ふっふっふ~。ゼロの写真と、騎士団が名乗った時の写真等、騎士団に関するデータ満載!のお得版よ」
「‥‥‥‥。会長、それ、どこで手に入れたんですか?」
「んー?それは~‥‥ひみつよ、ルルちゃん。‥‥あ。スザクくん。『是非、一番になって賞品を貰って帰ってくるように~』って連絡が有ったわよ?」
ミレイの言葉に、スザクはがっくりと項垂れてしまった。
「‥‥‥‥あぅ‥‥あの、ゼロはやりたくないですんでー」
それでも、これだけは譲れないとばかりに弱い口調でスザクは主張していた。
一方、カレンもまた内心で「そんなのブリタニア軍人のスザクに持ってかれたら大変じゃないの~~ッ」と奮起している。
ルルーシュはというと、カレンと似たような心境だったが、加えてカレンの心理も読み取れてしまい、頭痛を覚えるものの聞いておく事を尋ねる。
「‥‥スザク、会長。それ誰の言葉ですか?」
「あー‥‥ロイドっていう、ぼくの上司。‥‥ですよね?会長さん」
「大正解~。てことで、スザクくんも参加よね。後は~?」
「つまり、軍は既にこのイベントがおこなわれる事を認めているんだな?‥‥とすると残るは騎士団の方か」
「お?ルルちゃん、やる気になったのかな~?」
「どうせ止めたって聞いてくれないでしょう?会長は。ならなるべく安全を確保したいですからね。あ、言っておきますがおれもゼロはしませんよ?」
「うむうむ、流石頼りになる副会長だわ。ルルちゃんは~♪‥‥でもね~。ゼロ役の方が似合ってると思うけども?」
「しませんて」
「よし。なら衣装を用意してくれるっていうなら団員で良い事にするわよ?」
ミレイの交換条件に、ルルーシュは目を丸くする。
「ちょっ、‥‥学園に一体何人の生徒がいると思ってるんですか。そんな数、一人で用意できるはずがないでしょう?」
「ちゃんと他のみんなを使って良いからね~?それともゼロをやる?」
「‥‥‥‥わかりましたよ、会長。‥‥カレン、衣装のデザインは君に任せる。リヴァルとスザクは服屋を当たってくれ。黒の生地を確保しておかないと‥‥」
盛大な溜息を吐いたルルーシュは折れると、早速とばかりに指示を出した。
「ちょ‥‥っと待って、ルルーシュ。わたしはまだ」
慌てたのはいきなり話を振られたカレンである。
しかも、病弱設定の今、過激に否定できるはずもなく、言葉少なに反論を試みたのだが。
「参加、するんだろう?‥‥最近は調子良さそうだし、デザインだけならそう負担にはならないと思ったんだが?」
相手を思っているような言い方に、再度の反論は封じられてしまった。
勿論、ルルーシュの中にカレンの不参加は既に存在していない為、反論なんぞ取り合わない。
「流石ルルちゃん。良く考えてるわね~。じゃあ、カレン。よろしくね。あ、そうそう。カレンはどっちをやる?団員?それともゼロ?」
ミレイに問われてカレンは考える。
ゼロ役など大それた事ではあるけれど、騎士団が名乗った時の写真まであるとカレンも映っている可能性もあるわけで。
「‥‥あ、あの。‥‥では、ゼロを‥‥」
ついでに、ゼロになってみたいという、純粋な誘惑も確かにあったので、カレンはそう応じていた。
「おーーー。そっかそっか~。まぁ、カレンなら露出が無い方がいいかも知れないわね~。ニーナ、シャーリー。二人はどうする?」
「‥‥‥‥か、会長~。‥‥裏方をやるので、変装は勘弁してくださ~い。ダメなら当日休みますから~」
「あ、あの‥‥。わたしもそれで‥‥」
「んー‥‥仕方がないわね~。じゃあ、ルルちゃん。二人は裏方だそうだから、仕事の割り振りをよろしくね。‥‥言っとくけど、貴方達はもう裏方には回さないわよ?」
ミレイが裏方を認めたので、スザクとルルーシュとカレンが反応したところを、先手を打たれてしまい肩を落とした。
「‥‥会長。それで、騎士団の方はどうするつもりなんですか?イベントの最中に乱入されでもしたら、大変ですよ?」
ルルーシュが最大の懸念事項を尋ねる。
「ん?大変って?」
リヴァルが首を傾げて尋ね、ルルーシュに視線が集まる。
「遊びで騎士団の格好をするブリタニア学生に彼等が寛大とは思えない。それに、騎士団が出張ったと知れば軍だって動くだろう?見分けがつくと思うか?」
ルルーシュの言葉に、スザクやニーナ、シャーリーは頷き、けれどミレイは一人平然としている。
カレンはフイと視線を泳がせながら、病弱設定でなければ、「弱者の味方の騎士団なのよ。それに出張ってくる程暇じゃないわよ」くらいは言っていたかも知れない。
が、玉城がいる以上、本当に出張らないかどうかすら不明の為、病弱設定のまま、無言を通したのだった。
「平気よ、ルルちゃん。ちゃんと騎士団には申し入れしておくから。だ、か、ら。準備の方はよろしくね~♪」
ミレイは簡単に請け負うと、ヒラヒラと手をひらつかせて部屋を出て行ってしまった。
どうやって申し入れをするのか、尋ねる暇さえありはしない、早業だった。
「‥‥‥。ニーナ、シャーリー。全校生徒への告知、各クラスで一人、ゼロ役になる者の選出と、採寸を頼む」
ルルーシュが裏方に決まった二人に指示を出した。
あぁなったミレイは誰にも止められないのだ。
ミレイを良く知るルルーシュ、リヴァル、シャーリー、ニーナは、肩を落としながらも動き出す。
「えーっと‥‥。反論は終わり?なのかな?決定?」
スザクが首を傾げながら呟く。
「終わりだよ、スザク。もう会長は止まらないからな。とりあえずスザクはリヴァルと服屋を頼む。カレン、君も固まってないでデザインを」
ルルーシュの声の響きには、諦めがありありと表れていた。
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作成 2008.01.18
アップ 2008.01.30
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学園イベント「黒の騎士団」【1】生徒会室より。生徒会フルメンバー。
ミレイ会長発案突発イベント編序章。
会長に振り回される生徒会役員&最後には諦めが入るところとか好きv
ネタがこれになったのはアチコチ巻き込めるから‥‥と思ったのに巻き込みすぎた(汗
広げた風呂敷が畳めないです。
ルル大変そうなので、カレンに対してさり気に黒を混ぜてストレス発散させたりしてみました。