(「入.団試.験」設定/過去捏造/皇子i.n本.国/特.派の前身たる研究所+皇.妃)
マリアンヌがその部屋に入った時、誰もが忙しそうに作業をしていて気づくまでに時間が掛かった。
それまでの間、マリアンヌはのんびりとその様子を楽しそうに眺めていたが。
ふっと顔を上げたラクシャータがマリアンヌの姿を目に留めて、慌てて駆け寄る。
「いらしていたのでしたら、お声を掛けて戴ければ宜しかったですのにぃ」
駆け出したり、声を弾ませるラクシャータに驚いた所員達は、来たのが誰かを知って、我も我もと集まった。
1人、ロイドだけは気づいた様子すらなく作業に没頭していたが。
ロイドの場合は、たった1人の幼い皇子以外に関心がないのか、気づかない事がままあるのだ。
「良いのですよ。忙しいのでしょう?」
「ヴィ家より優先したいものなんてないですわぁ」
ラクシャータはにこにことマリアンヌに応える。
マリアンヌはラクシャータの言葉に、嬉しそうに微笑みを浮かべ、周囲に集った所員達を魅了した。
『ヴィ家』と言う単語にロイドは顔を上げて周囲を見渡す。
目当ての人物『幼い皇子』がいない事を確認してから作業に戻った。
ロイドはそれを後で少し悔やむ事になるがそれはまた後のお話。
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2008.06.14作成
2008.06.15-2008.06.24up
2008.07.21再録
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