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(「入.団試.験」設定/過去捏造/皇子i.n本.国/セ.シルi.n離宮厨房)
セシルは高い踏み台を持ち込んで手伝いを始めた皇子の料理の腕に感服した。
そして厨房には皇子専用の調理器具が用意されている事に驚いた。
この離宮では料理も皇族の嗜みのようであるのだと少々不思議に思いながら、皇子に見惚れる。
そして自分の料理を思い浮かべて穴があったら入りたくなった。
この皇子の腕の前では、何を出しても納得されないに違いないと、セシルは落ち込んだ。
「‥‥?どぅしたせしるつくらないのか?」
セシルを向いて問いかける皇子の手は休む事無く小さな手で小さな包丁を動かし続けている。
「殿下ッ余所見をしながらでは危ないですわ」
「へぃきだだけどありがとぅせしる。それでつくらなぃのか?」
「あの‥‥実はあまり上手ではないので‥‥」
「ん?ははうぇがいってぃたぞ?」
消え入りそうに俯くセシルを不思議そうに見上げた皇子が首を傾げて言う。
「だれかのためにつくるのがいちばんおぃしぃって。せしるがぼくにつくってくれるといぅからぼくはななりーとせしるにつくるんだ」
にっこりと微笑まれて、セシルは心を込めて一生懸命作る事に決めた。
そしてその日、セシルは皇子から「ふしぎなあじだけどおぃしぃなせしる」とのお言葉を賜ったのだった。
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2008.06.14作成
2008.06.29-2008.07.06up
2008.07.31再録
(「災厄は突然に」設定/藤ル.ル/C.C.)
‥‥‥‥暇だ。
溜息が一つ、二つ、‥‥そして三つ。
最近、あちこちで順調に事を運ぶ「共犯者」殿のお陰で、わたしは退屈で仕方がない。
なのに、あいつときたら、退屈しのぎも兼ねてピザを食べていれば怒る。
チーズ君で遊んでいれば小言を言う。
もう嫌だ。
退屈で、暇で、わたしは死にそうだぞ。
こうなったら娯楽を提供して貰おう。
今なら少しくらい騒動が起こったって大事になんてならないだろうし、そうしよう。
わたしは色々と計画を考えながらにんまりと笑ったのだった。
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2008.06.10作成
2008.07.05-2008.07.11up
2008.07.29再録
(「ナナリーi.n騎.士団」設定/ゼロ+桐原)
『折り入って相談がありまして』
唐突に連絡を寄越したと思えば、前置きも無くこれだ、と桐原は苦笑する。
「相談?」
『えぇ。実は二、三お力をお借りしたい事が出来ました』
「‥‥何か言うてみよ」
『ルルーシュ・ランペルージを抹殺します。ナナリー・ランペルージの保護をキョウトにお頼みしたい』
相手から出た言葉に、桐原は眉を顰める。
「表で何か有ったと?」
『‥‥表での居場所が崩壊に直面致しまして。早急に安全を確保したいのですが‥‥。足が付きそうでして』
自嘲気味な声音で相手が言うのを聞いて、桐原はますます眉を寄せる。
「‥‥良かろう。妹姫の安全はキョウトが保証いたそう。兄についても必要な事は手配しよう。‥‥構わぬのだな?」
『はい。ついてはキョウトまでは騎士団を経由しようかと考えていますので、その許可と、護衛に四聖剣を』
相手の既に決意した声音に、桐原はくつくつと嗤う。
「修羅の道を行くか?」と以前桐原が聞いたその通りに、歩む相手に我ながら酷い事を言ったものだと言う自嘲を込めて。
「良かろう。受入れの準備に少し掛かるが、いつなりと参るが良い。‥‥神楽耶様も喜ばれよう」
『‥‥感謝します、桐原公』
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2008.06.18作成
2008.06.28-2008.07.05up
2008.07.26再録
(「入.団試.験」設定/過去捏造/皇子i.n本.国/セ.シルi.n離宮)
セシルはすぐに皇子と皇女に打ち解けて貰えた。
皇女にせがまれて一緒に遊びながら、何か有れば困るとどこか気を張っていた。
セシルはだからすぐに気づいたのだろう。
皇族の住まう場所にしては人が少ないという事に。
「殿下。‥‥あの、使用人とか、いらっしゃらないのですか?」
セシルが尋ねた相手は皇子で、「もしかしたら聞いても判らないかも知れない」とも少し不安に思いながらだったけれど。
「いない。ははうぇがいないときにはひとはいないことになってる。でもせしるはははうぇがつれてきたからすきなだけいるといぃ」
幼い皇子の一生懸命な言葉を聞いて、セシルは「普通は逆じゃなかろうか?」と首を傾げる。
「あの、ロイドさ、‥伯爵とかは?」
「ろぃどはくるぞ?きょぅはははうぇがつれてぃくとぃってたからきてなぃけど。ぅんだれかきてる」
なるほど、とセシルは納得した。
今回は様子を見にやってくる人達がみんな都合がつかなかったから自分に白羽の矢が立ったのだという事を理解した。
「‥‥えーと、そうすると料理の仕度をした方が良いのかしら?」
にっこりとセシルは幼い皇子に微笑みかける。
皇子はこっくりと頷いてから一言、「てつだぅ!」と告げた。
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2008.06.14作成
2008.06.24-2008.07.02up
2008.07.28再録
(「災厄は突然に」設定/藤ル.ル/藤堂)
何故こんな事に‥‥。
困惑するおれをそのままに、おれ‥‥じゃなくてルルーシュ君は鏡の前から離れる。
「藤堂。ゼロの服、着方判るのか?」
すぐにそんな声が届くのだが、何故平気なんだ?ルルーシュ君‥‥。
おれは鏡に映る「ルルーシュ」に向かって口の中で呟いた。
普通はもっとこう‥‥、そう、おれのように驚かないか?
今日は厄日なのか?
朝から体力を使ったと思ったが、気力も既になくなりそうだ。
「藤堂、食べるだろう?」
再びおれの声でのルルーシュ君の言葉が届き、体力と気力を補充する為にも、おれは動き出した。
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2008.06.10作成
2008.06.30-2008.07.07up
2008.07.25再録
(「入.団試.験」設定/過去捏造/皇子i.n本.国/特.派の前身たる研究所+皇.妃)
「実は、頼みたい事があるのですが、みんな忙しそうだからどうしましょうか、迷っているのです」
「勿論、お引き受けいたしますともぉ。なんっでも仰ってください、マリアンヌ様ぁ」
ラクシャータばかりが受け答えしているのは、男性陣は見惚れるのに忙しく、残る1人は畏まってしまっているからだ。
作業に没頭しているロイドは論外である。
「お願いしたい事は二つ有るのです」
そう前置きを入れたマリアンヌは大人しく耳を傾ける一同に先を続けた。
「一つはナイトメアに関する事なので、ラクシャータとアスプルンド伯爵にと思っているのですけど‥‥」
マリアンヌの言葉にラクシャータはチラと同僚を顧みてから頷いた。
「プリン伯爵ならわたしが責任持って同行させますからご心配には及びませんよぉ」
「ではお願いしますね、ラクシャータ」
「‥‥それで、今ひとつの依頼というのはぁ‥‥?」
「実はその関連で数日、アリエスを留守にする事になったのですけど、子供達が心配で‥‥」
がばっとロイドが顔を上げて数歩で近付いてくる。
「留守番でしたらこのぼくが」
「あんたは既にマリアンヌ様と同行する事が決まってるのよぉ。あしからずぅ」
「なッ‥‥きみ、ラクシャータ。横暴すぎるよー最近特にー」
「ごめんなさいね、アスプルンド伯爵」
マリアンヌはまず、そう謝罪してから先を続ける。
「ルルーシュもナイトメアの新しいデータが欲しいと言っていたので今度遊びに行ってあげてくれるかしら」
「勿論ですよー。最新のデータを満載にしてお伺い致しますーとお伝え下さい」
不機嫌だったロイドは一瞬の内に上機嫌になっていそいそと戻っていった。
「セシルぅ。あんた数日アリエスの離宮に出張ねぇ。留守番してきなさぁい。皇子様方に無体な事をしちゃあだめよぉ」
「なッラクシャータさんッ‥‥‥。あ、あの。その」
「畏まらないで?二人とも優しい子達だから貴女もきっと気に入ってくれると思うのだけれど‥‥どうかしら?」
「よッよろこんでお引き受けいたします!」
「良かったわ。よろしくお願いしますね。セシル」
マリアンヌはにっこりと微笑み、こうしてセシルの離宮での留守番生活が始まる事になったのだった。
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2008.06.14作成
2008.06.19-2008.06.28up
2008.07.24再録
(「災厄は突然に」設定/藤ル.ル/ルル)
ルルーシュは暫く鏡を見つめていた(実際は見惚れていた(と言うのは内緒だ))が、溜息を吐くと鏡から離れる。
幾ら見つめていようがこの紛れもない事実は変わらないと察したからだ。
着ていた寝間着を脱いで軍服を手に取る。
「藤堂。ゼロの服、着方判るのか?」
ルルーシュが声を掛けてみるも、藤堂からの返事はなく、ルルーシュはもう一度溜息を吐くと先に着替える事にした。
軍服に着替え終わっても藤堂は戻って来ないので、そのまま台所に入って朝食に取り掛かる。
背の高さが違う事がこれ程不便なものなのだとは今まで気づかなかった。
高ければその分手が届く範囲が広くなるだろうと思っていただけだが、今は認識を改めた。
勝手知ったる間合いが違うと不便で仕方がない事がわかったからだ。
気をつけていなければ、すぐに今まで通りに動こうとしてあちこちにぶつける羽目になるのだ。
ルルーシュはそれをすぐに念頭に置いた。
「藤堂、食べるだろう?」
二人分の食事を並べた後に声を掛けたら、藤堂はやっと戻ってきたようだった。
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2008.06.10作成
2008.06.25-2008.07.03up
2008.07.22再録
(「入.団試.験」設定/過去捏造/皇子i.n本.国/特.派の前身たる研究所+皇.妃)
マリアンヌがその部屋に入った時、誰もが忙しそうに作業をしていて気づくまでに時間が掛かった。
それまでの間、マリアンヌはのんびりとその様子を楽しそうに眺めていたが。
ふっと顔を上げたラクシャータがマリアンヌの姿を目に留めて、慌てて駆け寄る。
「いらしていたのでしたら、お声を掛けて戴ければ宜しかったですのにぃ」
駆け出したり、声を弾ませるラクシャータに驚いた所員達は、来たのが誰かを知って、我も我もと集まった。
1人、ロイドだけは気づいた様子すらなく作業に没頭していたが。
ロイドの場合は、たった1人の幼い皇子以外に関心がないのか、気づかない事がままあるのだ。
「良いのですよ。忙しいのでしょう?」
「ヴィ家より優先したいものなんてないですわぁ」
ラクシャータはにこにことマリアンヌに応える。
マリアンヌはラクシャータの言葉に、嬉しそうに微笑みを浮かべ、周囲に集った所員達を魅了した。
『ヴィ家』と言う単語にロイドは顔を上げて周囲を見渡す。
目当ての人物『幼い皇子』がいない事を確認してから作業に戻った。
ロイドはそれを後で少し悔やむ事になるがそれはまた後のお話。
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2008.06.14作成
2008.06.15-2008.06.24up
2008.07.21再録
(「災厄は突然に」設定/藤ル.ル)
おれを抱き込んでいた者、それはどう見ても「藤堂鏡志朗」だった。
そう、いつも鏡に映るそのままの、しかし驚きに目を見開いているところだけが違う自分。
おれが抱き心地が良いと抱きしめていた者、それは猫などではなく‥‥おれ自身!?
何故、目の前に呆然と見返してくる「ルルーシュ・ランペルージ」がいるんだ?
「「‥‥‥なら、おれは!?」」
期せずして同時に呟かれた言葉に、おれ達はかなり慌てるようにして鏡の前へと移動した。
「「‥‥‥‥どういうことだ!?」」
藤堂は「ルルーシュ」の姿で眉を顰め、ルルーシュは「藤堂」の姿で首を傾げていた。
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2008.06.10作成
2008.06.21-2008.06.29up
2008.07.17再録
(「災厄は突然に」設定/藤ル.ル/ルル)
腕の中で何かが動いている。
‥‥猫か?
‥‥‥‥アーサーかな?
おれは寝惚けながらもそう思って余計に抱き込む。
しかしいつの間にベッドに潜り込んで来たんだ?アーサー。
そんな疑問が浮かびはしたが、抱き心地が良く、おれは再びまどろみ、眠りに落ちて行った。
覚醒した後、腕の中にいた正体に気づいて呆然とするまでにはまだ少し時を要した。
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2008.06.10作成
2008.06.16-2008.06.25up
2008.07.14再録