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(「災厄は突然に」設定/藤ル.ル)
ふとルルーシュ君が時計に視線を向けたのに気付いた。
同じように視線を向けると夕方になっている。
今日は色々と有って、結局四聖剣の誰にも会わずじまいだった。
所謂所在不明で心配しているだろうか、と今更ながらに思う。
それからハッとしてルルーシュ君を見る。
「表に、連絡をしなくても良かったのか?確か昼には表に戻ると昨日‥‥」
本当に色々と有って忘れていた。
「メールは入れておいた。流石に藤堂の声で連絡を入れるわけにはいかないだろう?」
「おれが‥‥」
「いや。目が見えない分、鋭いからな。多分バレる」
「なら、周囲の人にでも‥‥」
「それもダメだな。揃って聡い連中ばかりだからやっぱりバレそうで」
おれの提案に、ルルーシュ君はことごとく首を振り続け、結局連絡はなされなかった。
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2008.07.22作成
2008.07.24-2008.07.28up
2008.08.17再録
(「父の日騒動」続編【1】/ラク+朝)
ゼロの私室の前を離れたラクシャータは階段に差し掛かる前に足を止めた。
「立ち聞きぃ?四聖剣も行儀悪いわねぇ」
廊下の先に投げたラクシャータの声に、角から朝比奈が姿を見せる。
「まぁね。それに聞いてたって言ったって半分だけだよ。ゼロの声は拾えなかったし」
「ふぅん?」
ラクシャータは相槌を打ちながら、何かまずい事を話してないか思い返し、「それでぇ?」と尋ねる。
「藤堂さんにダメージを与えるって言うなら、ゼロでも赦さないかなぁって?」
「あらぁ?ゼロに何かしようって言うならぁ。わたしが容赦しないわよぉ」
二人は暫く睨み合う。
先に攻勢に出たのはラクシャータだった。
「朝比奈、退きなさぁい。でないと月下に悪戯しちゃうわよぉ」
ふふふ~んと鼻で笑ってラクシャータが脅しに掛かった。
「あ、‥‥って、それを言う?別だろ、それは。それに、そんな事して困るのゼロじゃないか」
「ちゃんと言って置くわよぉ?『月下の調子が今ひとつなんですぅ』ってさ」
「むぅ。ならおれだってストライキ起こすよ?」
「良いのぉ?そんな事してぇ?困るのは藤堂とお仲間の四聖剣よねぇ?」
「藤堂さんや仙波さん達には事前に言っておくさ」
「真似しないでくれるぅ?」
険悪な雰囲気で睨み合う二人に気づいて引き離したのは、ゼロに用事が有ってやってきた扇とカレンだった。
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2008.06.17作成
2008.07.13-2008.07.18up
2008.08.13再録
(「災厄は突然に」設定/藤ル.ル)
藤堂は感心する。
「人前に出てバレない程度の演技は必要だ。要はなりきれば良いのだが‥‥」
ルルーシュはそう言って、「おかしいところが有れば言ってくれ、藤堂」と言った後、藤堂になりきったルルーシュ。
外見は藤堂なのだから、なりきると確かに「藤堂鏡志朗」にしか見えない。
見えないのだが、問題はやはり有るもので。
「‥‥何も無いところで転ぶのはやめてくれないだろうか‥‥‥」
「す、‥‥すまない。間合いは把握したのだが‥‥気をつける」
ルルーシュはそう言うしかない。
いつも通りではダメなのだと再度己に言い聞かせた後、今度は藤堂の演技を見ることになった。
なった、のだが。
ゼロは普段は大人しいが演説をするとなると弁が立つ、それはもう恐ろしい程。
逆に藤堂は普段大人しいというか無口で、そこは同じだが、話すとしても弁が立つと言う訳ではない。
となるとゼロのような弁論をしなければならない藤堂の負担たるやかなりなものになる。
「‥‥藤堂。とりあえず不機嫌オーラ出しておけ。そうすればそんなに話す必要はなくなる」
ルルーシュからの助言で、藤堂はそう言えば確かにと思い出す。
不機嫌オーラ全開のゼロにあえて近付こうとする者は少数だ。
仮面を向けるだけで固まる者がほとんどで、「なるほど良い手だ」と頷いた。
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2008.07.01作成
2008.07.20-2008.07.24up
2008.08.11再録
(「ナナリーi.n騎.士団」設定/桐原)
これまでとは格段に違う忙しい日々を送る羽目になった桐原は、合間にそっと息を吐き出す。
「あやつめ。確かに『必要な事は手配しよう』とは言うたが、ここぞとばかりに用を言うて来おる」
大抵は「こういう事にしてありますので、口裏合わせをよろしくお願いします」というものだ。
それに紛れて「あれが欲しい」、「それを送れ」と言いおる。
挙句の果てには「出発が数日遅れる事になりました」と来た。
お陰で神楽耶様が不機嫌になって仕方がない。
だが、妹姫の具合が悪くなったというのならばそれも致し方あるまい、と桐原は再び溜息を吐いたのだった。
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2008.06.24作成
2008.07.12-2008.07.17up
2008.08.12再録
(「入.団試.験」設定/過去捏造/黒の騎.士団アジト/後日談)
「‥‥ゼロ?」
「あぁ、彼女か」と言ったまま押し黙ったゼロに、心配になった藤堂が声を掛ける。
「いや。確かにそんな覚えはあるな。彼女の料理は良く食べた」
寝返り組とラクシャータがありえないものでも見るかのような視線をゼロに向ける。
藤堂とディートハルトはそれを見て顔を見合わせた。
「‥‥その女性の料理とはどういうモノだ?」
「‥‥独創的ー?」
「ぁあ、それが一番近いですなぁ。しかしゼロ。『良く』とは‥‥どこもなんともかなったのですか?」
ロイドの尋ねるような回答に、ダールトンが同意してからゼロに安否を尋ねる。
「どこも?確かに不思議な味だったが美味しかったぞ?今はどんな料理の研究をしているのか楽しみだな」
「でッ‥‥じゃなくて、我が君!あああああのー、彼女に一体何を仰ったんですかー?」
「ん?あぁ、それか」
ゼロは笑う。
「『誰かの為に作る料理が一番美味しいって母も言ってたぞ』と『不思議な味だけど美味しいな』‥‥だったかな?」
平然と応えたゼロに、ロイドは特派での苦労の大部分がゼロの一言が原因だった事を知ったのだった。
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2008.06.14作成
2008.07.09-2008.07.14up
2008.08.08再録
(「災厄は突然に」設定/藤ル.ル)
「‥‥これは?」
藤堂はルルーシュが取り出してきてローテーブルの上に置いた小さな機械の群れに首を傾げた。
「小道具、だな。集音器とその受信機。離れている間に、伝え切れていない事を聞かれると困るだろう?お互いに」
ルルーシュは「お互いに」と言ったが、頭の良いルルーシュは藤堂が説明した事は既に頭に入っているようだ。
とすれば藤堂の伝え漏れを気にしているのかも知れないな、と藤堂は苦笑した。
「おい。おれは何をどう言っても突発的な事には弱い。こう言うのが有った方が気分的にも楽なんだ」
ルルーシュは「今、邪推してなかったか?」と鋭い眼差しで藤堂を見る。
お互い自分の顔に浮かぶ表情を見ているからか、かなり正確に藤堂の心情を言い当てたルルーシュに藤堂は唸る。
「‥‥なんと言うか、自分を外から見るというのは‥‥」
「言うなそれは。おれだって変な感じがしているんだ。‥‥それより説明を続けるぞ?」
ルルーシュは藤堂が頷くのを待って口を開いた。
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2008.06.30作成
2008.07.14-2008.07.20up
2008.08.05再録
(「ナナリーi.n騎.士団」設定/神楽耶)
神楽耶は待ちわびていた。
ナナリーが来ると桐原に聞いてから、それはもう実際にやって来る日を心待ちにしていた。
キョウトにいるのは年寄りばかりで、ずっと退屈だったのだ。
少し年上になる従兄がいるにはいたが、現在名誉になんぞなりおったから絶縁を申し渡した。
それに反発したからか知らぬが、今では軍に入り、「日本」を攻撃していると言う。
あのような不甲斐無い従兄を慕っていた昔の自分が呪わしい。
いや、今はもう絶縁した奴の事などどうでも良い。
ナナリーは本当に年の近い同性の友達だったから、その兄ともども亡くなったと聞いた時には泣いたものだ。
二人は「ブリタニア」とそして「日本」によって殺されたのだと、ずっと思っていたから。
神楽耶と従兄が唯目先の事に囚われていた為に、大切な友人を失ってしまったのだと。
だから神楽耶は頑張った。
幼い身で、お飾りと言われようとも出来るだけ見聞を広め、己の意思をしっかりと持つように心がけた。
遅い‥‥そう思わないでもなかったが、だからこそしっかりとしようと決めていた。
今では多少の発言権はあり、黒の騎士団への援助を決めたのも神楽耶だ。
それが結果的に失ったと思っていた友人の役に立った事が純粋に神楽耶は嬉しかった。
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2008.06.20作成
2008.07.08-2008.07.13up
2008.08.06再録
(「入.団試.験」設定/過去捏造/黒の騎.士団アジト/後日談)
既にいつものメンバーで通じるだろう、藤堂+ブリタニア陣営幹部達とゼロ。
不意にラクシャータがゼロに尋ねる。
「そういえばゼロぉ。今ちょぉっと思い出したんだけどぉ」
「ん?どうした、ラクシャータ」
ゼロは唐突だったから質問の内容に思い当たる節も無く、心底疑問そうに尋ねる。
「むかぁしぃ、あの子に『美味しかった』って言ったんですってぇ?」
藤堂は「むかぁしぃ」と言う単語に他人事だと割り切って考えるのを放棄し、ゼロとブリタニア人達の様子を見る事にした。
ラクシャータの言う『あの子』に思い当たる節がなく、それぞれ眉根を寄せて考え込んだが。
唯一人だけ、素早く思い当たる者に行き当たったのか、ロイドは驚きの表情を浮かべてゼロから身を離しつつ凝視する。
「あらぁ。プリン伯爵ならぁ、そぉんなリアクションすると思ってたわぁ」
ラクシャータはしてやったりとにやりと笑う。
そしてロイドの態度から、該当する人物に気づいた順に、似たような驚愕の表情をゼロの仮面に向けたのだった。
判っていないのは、藤堂とディートハルト、それにゼロ本人だけだ。
「『所員の女の子ぉ』ってぇ言えばわかるかねぇ?」
ラクシャータが言葉を足すと、やっと「あぁ、彼女か」と思い至ったゼロは疲れた声を出したのだった。
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2008.06.14作成
2008.07.04-2008.07.10up
2008.08.04再録
(「災厄は突然に」設定/藤ル.ル)
藤堂はとうとう待ったを掛けた。
「ん?早かったか?」
ルルーシュは説明を一旦切るとそう言って首を傾げた。
「い、‥‥いや、そうではなく。すまないが、多過ぎてとてもこなせそうにない」
藤堂は慌てたように否定してから、疑問点を尋ねた。
「一体どれだけ仕事をしていたんだ、君は」
「どれだけ‥‥。後はこれとこれにそっちのもだが‥‥」
ルルーシュは少し考えてから書類の束を三つ程指した。
「‥‥‥‥」
「わかった。なら、とりあえず団員の前でしなければならない事を重点に説明する。裏方は今まで通りおれがやる」
きっぱりと言い切るルルーシュに、藤堂は「それはそれで‥‥」と呟いてから反論する。
「ならば、おれの作業もおれが、」
「無理をする事は無い。慣れ‥‥るまでこのままではいたくないが、それからでも‥‥」
「しかし‥‥」
渋る藤堂をルルーシュは片手を上げて制する。
「それよりも問題はナイトメアだ。言っておくが、おれに月下を扱い切る自信はないぞ」
これまたきっぱり言い切るルルーシュに、藤堂は「確かに‥‥」と思ってしまった。
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2008.06.25作成
2008.07.10-2008.07.15up
2008.08.01再録
(「ナナリーi.n騎.士団」設定/桐原+神楽耶)
「‥‥‥ナナリーが!?」
驚く神楽耶に桐原は笑みを浮かべて頷く。
「はい。この度、キョウトを頼りたい、と申されましてな」
「無事だったのか‥‥良かった。‥‥ならばルルーシュも一緒だな?」
心底ホッとした様子の神楽耶に、しかし桐原は笑みを引っ込めて首を振った。
「聞いておりますのは妹姫の事だけです、神楽耶様」
「ルルーシュが一緒でないなどと言う事は有り得ぬ。何故じゃ、桐原」
訝しげな声を上げる神楽耶に、桐原は声を落とすように言う。
「これは内密の要請。声が大きいですぞ、神楽耶様。キョウトへの要請は、お一方の身の安全。宜しいな?」
「‥‥要請をしてきたのがルルーシュなのだな?無事だと判れば良いと、今は思う事にする」
自分に言い聞かせるように言って頷く神楽耶に、桐原は一層声を低めた。
「彼の皇子は聡明な方でしたからな。黒の騎士団を経由して護衛をつける手はずまで整えているとの事」
「そうかッ!流石ですね。その為ではありませんでしたけど、援助をした甲斐がありましたね。騎士団には更なる援助を」
「出来る限りの手配は致しましょう」
喜ぶ神楽耶に、「あやつ、一石二鳥でも狙っていたのか?」と内心で訝りながらも桐原は素直に頷いておいた。
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2008.06.18作成
2008.07.03-2008.07.09up
2008.08.02再録