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(「父の日騒動」続編【9】/藤堂+ゼロ)
急に抱き寄せられた事で、ルルーシュはパニック状態に陥る。
手に持っていた仮面がカタンと音を立ててコックピットの床に落ちる。
カラカラという音とともに一番低い場所まで転がるのが分かった。
「と、藤堂、さん?」
「ルルーシュ君。君はもっと人に甘えるべきだ」
藤堂の言葉に、ルルーシュはそれでなくても赤い頬を更に染める。
ここに来た目的を思い出したからだ。
「仮面をしていて、誰にも頼む事が出来ない、と云うのならば、おれに甘えろ。おれに頼れ」
ルルーシュが言い出す前に、藤堂がそう切り出し、ルルーシュは目を見開いた。
「行事にこだわる必要はない。いつでも時間の許す限り、おれに甘えれば良い。頼ってくれ」
藤堂の力強いその言葉に誘われるように、ルルーシュはそろそろと両手を藤堂の背中に回していた。
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2008.08.12作成
2008.08.20-2008.08.28up
2008.09.15再録
(「父の日騒動」続編【8】/藤堂+ゼロ)
「‥‥‥‥やはり、怒っているか?」
ゼロはそれまで藤堂の顔に仮面を向けていたが、ふっと俯いた。
「‥‥ッい、いや。怒っては、‥‥いない。ただ、少し考える事があって、だな」
仮面が逸らされた事で、まるで呪縛が解けたかのように我に返った藤堂が言葉を紡いだ。
「‥‥考える、‥‥事?」
再び藤堂に仮面を向けたゼロは、こてんと仮面を傾けて問う。
「ゼロ。君は、ルルーシュ君、だな?」
藤堂の言葉に、ゼロは一瞬息を呑み、それから詰めていた息を吐き出すと肩を竦めた。
「やはり、気付いてしまいましたか」
そう言って苦笑したゼロは、続ける。
「‥‥先程は、考えに没頭していた為に、言葉選びを間違えました」
「その。‥‥顔を、見せてくれないか?」
藤堂が願う。
ゼロはあっさりと首肯すると仮面を外した。
7年前の面影を残した少年が、色彩もそのままに現れた。
「あぁ、無事で良かった。‥‥綺麗に、なったな、ルルーシュ君」
安堵の色が籠った声音で無事を喜ばれ、ルルーシュの思いもよらぬ言葉を藤堂は続け。
今度はルルーシュが顔を朱に染めて固まった。
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2008.08.06作成
2008.08.08-2008.08.19up
2008.09.05再録
(「父の日騒動」続編【7】/藤堂+ゼロ)
「‥‥‥‥やはり、怒っているか?」
ゼロはそれまで藤堂の顔に仮面を向けていたが、ふっと俯いた。
「‥‥ッい、いや。怒っては、‥‥いない。ただ、少し考える事があって、だな」
仮面が逸らされた事で、まるで呪縛が解けたかのように我に返った藤堂が言葉を紡いだ。
「‥‥考える、‥‥事?」
再び藤堂に仮面を向けたゼロは、こてんと仮面を傾けて問う。
「ゼロ。君は、ルルーシュ君、だな?」
藤堂の言葉に、ゼロは一瞬息を呑み、それから詰めていた息を吐き出すと肩を竦めた。
「やはり、気付いてしまいましたか」
そう言って苦笑したゼロは、続ける。
「‥‥先程は、考えに没頭していた為に、言葉選びを間違えました」
「その。‥‥顔を、見せてくれないか?」
藤堂が願う。
ゼロはあっさりと首肯すると仮面を外した。
7年前の面影を残した少年が、色彩もそのままに現れた。
「あぁ、無事で良かった。‥‥綺麗に、なったな、ルルーシュ君」
安堵の色が籠った声音で無事を喜ばれ、ルルーシュの思いもよらぬ言葉を藤堂は続け。
今度はルルーシュが顔を朱に染めて固まった。
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2008.08.06作成
2008.08.08-2008.08.19up
2008.09.05再録
(「父の日騒動」続編【6】/藤堂+ゼロ)
目を見開いて固まっている藤堂に、ゼロは仮面を傾ける。
「その。‥‥折角来てくれたのに、追い返すような事をして、すまなかった」
ゼロは考えても分からないので、話を切り出す。
それでも藤堂からの反応がないので一方的に話しを進める事にした。
「それで‥‥詫びと言っては何だが、これを。良ければ食べてくれ」
ゼロはそう言うと持っていた袋を藤堂に差し出した。
それでも固まったままの藤堂にゼロは困惑する。
「‥‥その。来てくれたのは‥‥嬉しかったのだが‥‥少々考え事をしていて、だな」
ゆっくりと藤堂が反応を返すのを待ちながらも言葉を重ねていくゼロは、不安が増していく。
「‥‥‥藤堂‥‥?」
ゼロはとうとう訝しげに藤堂の名を呼んでから言葉をとめてしまった。
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2008.07.30作成
2008.08.06-2008.08.13up
2008.09.01再録
(「父の日騒動」続編【5】/藤堂+ゼロ)
月下の中で、藤堂の考えがぐるぐると何度目かの始まりに戻った時だった。
月下の外でコツコツと音がするのに気付いた。
どうやら月下の装甲をノックしているらしいと気付いた藤堂は、モニターを見て固まる。
ぐるぐると思い悩んでいた原因がそこに存在したからだ。
藤堂は何とか腕を動かして外の音声を拾う。
『‥‥先程は、‥‥すまなかった、藤堂』
ゼロが悪いわけではないのに謝らせてしまった事に藤堂の動揺は激しくなる。
そしてゼロの後ろ、少し離れた場所で四聖剣がそんなゼロと月下を見ている事に気付いた。
藤堂は慌ててハッチを開け、「入ってくれ」と言う。
ゼロは首を傾げてから、それでもその指示に従い月下のコックピットに乗り込んだ。
当然ながら、藤堂は再びハッチを閉ざした。
モニター越しに四聖剣の驚く姿が映るが、今は無視しておこう。
狭いコックピットでゼロを振り返り、その近過ぎる距離に藤堂は再び動揺していた。
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2008.07.24作成
2008.08.01-2008.08.04up
2008.08.28再録
(「父の日騒動」続編【4】/ゼロ+四)
ゼロは月下の側で四聖剣に足止めされていた。
「藤堂さん、追い返したのにまだ何か用?」
朝比奈が刺々しく尋ねる。
「朝比奈、もうちょっと穏便に話せって」
「無理ですッ!卜部さんは黙っててください」
「お前が黙れ、朝比奈。これ以上話をややこしくするな」
宥める卜部に反論する朝比奈を千葉が抑え、ついでとばかりに頭に拳を振り下ろした。
「ぃったぁ~千葉さん酷いじゃないですか」
頭を押さえて抗議する朝比奈を、しかし見ている者はいなかったので朝比奈は拗ねた。
「ゼロ。藤堂中佐は隊長機の中におられる。‥‥が、その、」
仙波がゼロに藤堂の居場所を教え、それから何と言ったものかと言いよどむ。
「諍いに来たわけではない。‥‥渡したい物が有って、だな」
ゼロの言葉に、四聖剣は脇に退き、月下隊長機までの道が開いた。
「足止めしてすまなかった、ゼロ。通ってくれ」
千葉の言葉に、ゆっくりと頷いたゼロは隊長機へと歩いていった。
「お前さ、朝比奈。追い返す気ないのに意地悪するのやめろって」
ゼロの背中を見ながら、小声で卜部が注意する。
「少しくらいなら良いじゃないですか。藤堂さんにダメージ与えたのは事実なんですから」
「おれは知らねぇぞ」
朝比奈の言葉に、卜部がボソリと呟いた言葉は、小さすぎて誰の耳にも届かなかった。
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2008.07.08作成
2008.07.28-2008.07.31up
2008.08.24再録
(「災厄は突然に」設定/藤ル.ル)
狭いコックピットの中で、藤堂が騎乗する姿は見慣れたものだ。
しかしゼロにとっては初めての事であり、やはり慣れない。
「‥‥‥‥ダメだな。すぐに操作を間違える。頭では解っているつもりなんだが‥‥」
悔しそうに言うゼロに藤堂は苦笑する。
「やはり身体を動かす事になるとついていかないか。指先の操作は器用なのにな‥‥」
「からかうな。今度ラクシャータに頼んで、キーボード操作で動かせるナイトメアを作らせよう」
そう言い切ったゼロに藤堂は呆れた。
「‥‥本気か?というか、それは技術的に可能なのか?」
「知らん。頼めばラクシャータなら何とかするだろう?」
ゼロは憮然として言い切り場所を譲る。
藤堂は替わりに座りながら「そうなのか?」と問う。
ゼロの騎乗する姿は慣れない。
だが藤堂にとっては少しばかり違和感を感じるものの慣れたものだ。
「あぁ。面白がって取り組むと思う」
きっぱりと頷いたゼロに藤堂は仮面の中で渋面を作っていた。
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2008.07.28作成
2008.08.03-2008.06.08up
2008.08.23再録
(「父の日騒動」続編【3】/ラク+卜+α)
カレンが連れてきたのは卜部と千葉だった。
「えっと、藤堂さんは?」
「中佐は今手が離せません。話は卜部さんに聞いてください。朝比奈は引き取ります」
千葉は扇にそう言うと、朝比奈の腕をむんずと掴んで抗議する声を物ともせずに引きずるように消えていった。
「悪かったな、ラクシャータ。そっちはどうだったんだ?」
残った卜部は何も聞かずにまずラクシャータへ詫びを入れ、尋ねる。
扇とカレンはいきなりの事に首を傾げる。
卜部が謝ったという事は、悪かったのは朝比奈だったのだろうか?と思うが経緯も不明なので口出しが出来ない。
「良いわよぉ、別にぃ。一言で言うなら、原因はあんた達が思ってるのとは違うってぇ事かしらねぇ」
「へ?違うのか?おれはまたてっきり‥‥」
「だぁからぁ。もう少し様子見てなさぁい。‥‥多分、後で馬鹿らしくなるからぁ」
ラクシャータはそう言うと立ち上がる。
「扇ぃ、もう言って良いでしょぉ」
「あ、‥‥‥‥あぁ。喧嘩しないんならそれで‥‥」
「だぁからぁ。‥‥もぉ良いわぁ。とりあえず戻るわねぇ」
ラクシャータはキセルをふらふらと揺らせながら立ち去って行った。
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2008.07.04作成
2008.07.23-2008.07.27up
2008.08.21再録
(「災厄は突然に」設定/藤ル.ル/+朝比奈)
ゼロと藤堂は連れ立って格納庫に顔を出す。
目指すは藤堂の月下隊長機だ。
しかし、目聡く見つけた朝比奈が驚きの声を上げる。
「藤堂さんッ!?今までどこに行ってたんですか?探したんですよッ!」
朝比奈のその大き過ぎる声に格納庫にいた幹部団員の視線が自然と集まる。
「‥‥ゼロと今度の作戦について話をしていた」
「そうですか。ゼロは表に戻ってるものだと思って捜索対象外にしてましたよー」
朝比奈はそう言いつつも「一言連絡欲しかったですよー」と愚痴を言う。
かなり心配していたので拍子抜けした為なのだろうが。
それが判るだけに、藤堂は「すまんな、朝比奈」と侘びの言葉を口にした。
「いえ、良いです。それで、話し合いは終わりですかー?」
あくまでも藤堂に話しかける朝比奈の気持ちは判る。
不機嫌オーラを発するゼロに「触らぬ神に祟りなし」と思ったらしい。
「いや。月下についてゼロに説明するところが出来たから一時中断しただけだ」
藤堂はそう言うと、ゼロに視線を向けて隊長機のコックピットへと入っていった。
それにゼロも続き、ハッチは閉じられた。
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2008.07.24作成
2008.07.29-2008.08.01up
2008.08.20再録
(「父の日騒動」続編【2】/扇+ラク+朝)
扇は途方に暮れていた。
たまたまゼロの部屋の近くで睨み合ってるラクシャータと朝比奈を見つけたのだ。
ゼロを煩わせるのはどうかと思い、何とか下まで連れ出したのは良いのだが、原因がさっぱりわからない。
とりあえず、朝比奈が突っかかるのは藤堂絡みだろうと、居合わせたカレンに藤堂か四聖剣を呼ぶように言った。
「‥‥それで、喧嘩の原因は?」
扇が二人に問いかける。
「あらぁ?喧嘩なんてしてないわよぉ。単に朝比奈が突っかかってきただけぇ」
「む。突っかかってきたのはそっちじゃないか」
途端に小馬鹿にしたようなラクシャータと喧嘩腰の朝比奈は言い合って睨み合う。
「ぅわ、待った。えっと言い合ってる原因は?」
扇は一度止め、尋ね方を変えてからもう一度問いかける。
「べっつにぃ。ただぁ、朝比奈がゼロの迷惑になるような事をしようとしてたからぁ?」
「違うだろ。ゼロが藤堂さんに仇をなすようならってちゃんと注釈入れたじゃないか」
「いつゼロが藤堂に仇なしたってぇ?勝手にあんたが思い込んでるだけじゃないのぉ」
「ぅわ、待った。ストップ。えっととりあえず待ってくれ。元はゼロと藤堂さんが原因なのか?」
再び止めに入ってから、扇はまたまた違う尋ね方をした。
その問いに対してはラクシャータも朝比奈も沈黙を守った。
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2008.07.01作成
2008.07.18-2008.07.23up
2008.08.18再録