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(証言シリーズ/藤ルル??)
最近、藤堂さんが酷いんです。
最初にそう思ったのは数日前で。
月下のメンテナンスの合間に雑談してたんですけど。
藤堂さん急にコックピットのハッチ閉めて閉じ篭って。
何事かと思って心配して、でも通信全部オフにしていて応答なくて。
外で四聖剣が慌ててるのに出て来なくて。
幹部やゼロにも報せようとした頃になってやっと出て来たんだけど。
理由さえ教えてくれなくて。
以来、藤堂さんは良くいなくなるんだ。
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2008.07.02作成
2008.08.07-2008.08.14up
2008.08.27再録
(「父の日騒動」続編【12】/藤堂+ゼロ)
「先程も言ったな。行事なんて気にする必要はない」
藤堂は告げる。
「おれの存在がルルーシュ君の安らぎの場となるのならば」
そっと片手を持ち上げてルルーシュの黒髪を梳く。
「いつでも来ると良い。‥‥いつでも呼べば良い」
藤堂はそう言ってから、「いや」と言い直すことにした。
「いつでも来てくれ。‥‥いつでも呼んでくれ」
藤堂の言い直しにルルーシュは目を見張る。
「おれがそう望んでいる。君に安らいで欲しいと願っているんだ」
藤堂の言葉に嘘はなく、ルルーシュも嘘とは思えなかった。
だからルルーシュは潤みそうになるのを堪えて笑う。
「ありがとう、ございます。‥‥藤堂さん」
その笑顔を見て、藤堂もまた優しく笑ったのだった。
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2008.08.19作成
2008.09.02-2008.09.09up
2008.10.02再録
(「父の日騒動」続編【11】/藤堂+ゼロ)
「る、ルルーシュ、君?‥‥その、嫌だったか?こうされるのが」
急にルルーシュの様子が変わった事に気付いた藤堂は慌てる。
そう言って身体を離そうとして、しがみ付かれたままなので、断念して。
優しく、というか恐る恐るに近い状態でルルーシュの背中を撫でて宥める。
「‥‥ぃぇ。‥‥そうじゃなくて‥‥」
フルフルと微かに首が振られるのが藤堂の胸に伝わってきた。
「ルルーシュ君。おれの存在は君にとって安らげるものか?」
そうで有って欲しいと願いながら藤堂は尋ねる。
「ぇ?あ、はい。藤堂さんの側は安心出来て‥‥‥‥」
唐突の言葉に、ルルーシュは答えとなる言葉を捜しながら紡ぐ。
それが分かったのか、藤堂はルルーシュが言い終わるのを待った。
「‥‥だからおれは期待してしまったんです」
そう言って顔を上げたルルーシュはひたと藤堂の顔を見た。
「今まで『父の日』なんて何もしなかったのに‥‥‥‥」
ルルーシュの言葉に、藤堂は「あぁ‥‥」と納得した。
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2008.08.19作成
2008.08.29-2008.09.05up
2008.09.28再録
(藤ルル前提/騎士団/ギャグ?)
幹部会議の席で、ゼロの爆弾宣言を聞いた列席者は、頭が真っ白になるのを感じていた。
扇は元より、普段は煩い玉城も、慎重論やまともな意見を述べる事が多い杉山や井上も言葉もないようだ。
そんな中、四聖剣は笑いを堪えながらも哀れみの篭った視線をそっと藤堂に向ける。
ついでにその内の3人は朝比奈に非難の眼差しを向ける事も忘れていなかった。
藤堂はいつもならば真っ先に「関係ないだろう!?」と反対しそうなのに、どこか放心したように黙していた。
なので、最初に声を上げたのは、我に返ったカレンだった。
「‥‥なななななな。何故騎士団でそんな事をする必要があるんですか!?」
「突飛な事は学園だけで十分だわッ!」と内心で憤るカレンだが、それをそのままゼロに言うわけには行かず。
「‥‥ですが、ゼロ。この場合、当然ゼロも参加なさるのですよね?」
「そうなるな。正体を曝すつもりはないから、判らないように念を入れるつもりだが」
ディートハルトの問いに答えたゼロに、ディートハルトは満面の笑みを浮かべる。
「それでしたらわたしは反対など致しませんとも。どんな姿にでもなりましょう」
二つ返事で賛同を示したディートハルトに、一同戦慄を覚える。
「「「「「はんた~~~~い!!!断固反対する!!」」」」」
突然の大音声に、ゼロは驚き、思わずといった状態で身を引く。
「おれ達は『正義の味方』と言う名のテログループだ。そんな事をしている場合ではないと思う」
「そうだそうだ。そんな事する暇があるなら作戦の一つでもやった方が有意義だぜ」
「玉城に賛成!」
「ゼロ!お願いですから、ブリタニアのそれも学生の真似なんてやめましょう!」
カレンの言葉に一同頷く。
そうして、ゼロ発案の「黒の騎士団男女逆転祭<カレンの学園より転用>」は否決された。
藤堂と四聖剣がそれを喜んだ事は言うまでもない。
「う~む。不参加は認めないつもりだったのに、案自体がなくなるとは‥‥」とゼロが呟いていたとか。
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2008.06.05作成
2008.06.23-2008.07.01up
2008.07.06再録
(藤ルル/ギャグ?)
笑いの発作が収まらない四聖剣はよろよろと部屋を出て行った。
その状態で藤堂の傍にいると、藤堂が果てしなく落ち込み続けていくようだったからだ。
災難なのは腹を抱えてよろよろと進む3人とその後をとぼとぼと歩く1人を目撃した団員達だった。
普段からは考えられないような四聖剣の有様に、目を疑い、己を疑い、部屋に篭る者が続出したようであった。
藤堂が1人になって暫く、控えめなノックに続いて開いた扉からゼロが入ってきた。
「‥‥藤堂。‥‥1人か?」
いつもなら誰かしらいる四聖剣の姿がなく、ゼロは逆にそれを不思議に思う。
「‥‥‥認めたそうだな?」
藤堂がボソリと呟き、ゼロは首を傾げて「何を?」と聞き返す。
「朝比奈に。おれが‥‥」
「あぁ。あれは藤堂が話したのか?朝比奈の奴、『おれが皇子』だとか言っていたが‥‥」
ゼロの言葉に藤堂は顔を上げ、正面からゼロを見る。
どうやらゼロの中では「藤堂=姫」の図式は存在しないらしいと思って藤堂は心底ホッとした。
「いや‥‥。それに、『皇子』ではなく『王子』。‥‥例えの話だろう?」
そう説明した藤堂、それを墓穴だと人は言うのだろう。
「ん?‥‥‥あぁ、ならば朝比奈が言いたかったのは藤堂が姫だと言う事か?」
さらっと言ったゼロに、藤堂はがっくりと脱力して肩を落とした。
ゼロは珍しい藤堂の姿に仮面の下で破顔すると、藤堂を包み込むように優しく抱きしめた。
「どんな姿でも、おれには貴方が一番ですから」と言うゼロに、藤堂は身を預ける。
ゼロの胸の鼓動が心地良く、藤堂は暫くその音に耳を傾けていた。
その為、藤堂はゼロの「たまには羽目を外すのも良いかも知れないな」と言う呟きを聞き逃した。
藤堂がそれを後悔するのは、少しだけ先になる。
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2008.06.05作成
2008.06.18-2008.06.27up
2008.07.05再録
(藤ルル前提/藤+四/ギャグ?)
朝比奈が部屋に入ると、途端に視線の集中砲火を浴びて怯んだ。
ゼロと話をしてきたばかりだと言う事も有って、ダメージは大きい、かなり。
特に藤堂の視線がかなり怖く、朝比奈は逃亡したいと切望した。
「‥‥朝比奈、貴様‥‥」
低い、藤堂の声が、逃亡を未然に防ぎ、いや塞ぎ、退路を断たれて朝比奈はすごすごと進む。
「な、なんですか?藤堂さん」
へらり、と笑いながら朝比奈はそう尋ねる。
「誰がなんだと?」
完全に目が据わっている藤堂に、残る3人はほんの少しの同情を篭めた視線を朝比奈に向けた。
「えッ‥‥と。だってさっきゼロは認めましたよ?『知ってたのか?』って聞かれたくらいですし」
とゼロを持ち出してみた。
驚きに目を見開いた仙波、卜部、千葉はバッと藤堂を振り返り、再び笑い出してしまう。
藤堂は「それは違う」と言いたかったのだが、その後の説明が出来ないので黙るしかない。
藤堂は笑う部下を前に果てしなく落ち込んでいた。
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2008.06.04作成
2008.06.14-2008.06.23up
2008.07.04再録
(藤ルル前提/藤+四(-朝)/ギャグ?)
誰かが入ってくる音が聞こえて、仙波と卜部、千葉の3人は扉を振り返る。
やってきたのが藤堂と判り、堪える間もなく、思い切り噴き出した。
普段落ち着いた3人が見せる転げるような笑い方に、藤堂は入ってすぐに足を止めた。
有り得ないものを見るような目で見ていたが、一向に収まる様子を見せない3人に藤堂は口を開いた。
「‥‥何故笑う!?」
「も、‥‥申し、訳ありま‥‥せぬ」
笑い過ぎてまともに話せない状態でも何とか言葉を出そうとした仙波が謝るがそれも続かない。
「‥‥り、‥‥理由はッ‥‥朝比奈にッ‥‥‥聞いてください」
千葉が何とかそう言って、それでも笑いの発作は納まらないのかお腹を抱えていた。
卜部などは声もなく笑っていて既にかなり苦しそうである。
藤堂は「‥‥壊れたか‥‥」と内心呟くと、少し離れた場所に座った。
藤堂が事情を聞いて渋面を作るまでには、まだ少し時が必要だった。
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2008.06.03作成
2008.06.12-2008.06.18up
2008.07.03再録
(藤ルル前提/ゼロ+朝/ギャグ?)
朝比奈に「立場が逆じゃないですか?」と言われてゼロの仮面が傾いた。
「‥‥藤堂がリーダーになるべきだと言っているのか?」
藤堂至上の四聖剣である朝比奈の言葉だから、腹も立たずゼロは問い返す。
「違います。騎士団とは全然関係ないですよー」
「なら、なんの立場だ?」
不思議そうに尋ねるゼロに朝比奈は先程の怒鳴り声と説教を思い浮かべて押し黙る。
「‥‥‥朝比奈?」
「えっと。ですねー。ほら、最初に捕まっていた藤堂さんを助けてくれたじゃないですか」
名前を呼ぶ事で続きを促された朝比奈はそう言って話し始める。
「ああ。そうだな。‥‥それが?」
「で、普通助けを待つのはお姫様で、助けるのは王子様じゃないかなぁ~って」
朝比奈は何気なさを装い、そう言った。
「‥‥‥知っていたのか?」
しかし、少し驚いたようなゼロの言葉に、朝比奈の方が目を限界まで見開いて驚く事になる。
印象が強烈だっただけに、ゼロの肯定にも取れる返事に、「藤堂さんが姫‥‥ホントに!?」と思ってしまった為だ。
そして、それを尋ねてきっぱりと肯定されるのを朝比奈は恐れた。
その為、朝比奈は「話がそれだけなら行くぞ?」と言って立ち去るゼロの背中を呆然と見続ける事になった。
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2008.06.03作成
2008.06.10-2008.06.14up
2008.07.02再録
(藤ルル前提/四聖剣/ギャグ)
その疑問を最初に提示したのは朝比奈だった。
その場にいるのは四聖剣だけで、残りの3人は質問の意図が判らず首を傾げる。
「だから、藤堂さんとゼロですけど」
朝比奈は言う。
「朝比奈、何が逆だと言うんだ?」
千葉がはっきりしない質問内容に「いつもの事だが」と思いながらも尋ねる。
「えーとぉ。ほら藤堂さんとゼロって付き合ってるじゃないですか?」
朝比奈にいわれるまでもなく、四聖剣はその事を藤堂とゼロから知らされている。
その際、ゼロの素顔も見せられ、4人はその美貌に見惚れた。
そして、二人を祝福し他の妨害が入らないように協力する事にしたくらいだ。
卜部が「それで?」と先を促す。
「だから、‥‥立場?」
「朝比奈。判るように話せ」
溜息を吐いた仙波が命じた。
「普通、捕らわれているのは姫で、助けるのは王子ですよねって」
朝比奈の言葉に、3人は思わず想像してしまって噴き出した。
朝比奈が言っているのは、捕らわれた藤堂をゼロが助けた事だと察してしまったからだ。
「ばッ‥‥それやめろ!思わずドレス着た藤堂中佐を姫抱きするゼロが出てきただろう」
卜部が抗議しながら具体的に言ってしまう。
そこまで思い浮かべたわけではなかった仙波と千葉が「ぐッ‥‥」と喉を詰まらせて突っ伏した。
それから暫くした後、なんとか復活した3人から朝比奈が怒られている姿が有ったとか。
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2008.06.03作成
2008.06.08-2008.06.12up
2008.07.01再録
(「父の日騒動」続編【10】/藤堂+ゼロ)
暖かい。
藤堂の腕の中がとても暖かい優しいものに感じられて。
ルルーシュはそろそろと藤堂の背中に両手を回した。
思えば今まで、C.C.という共犯者はいたけれど。
安らげる場所はナナリーの傍だけで。
でも、ナナリーを守らなければという気概が心から安らげなくなっていたこの8年。
ルルーシュはずっと気を張り詰めていたのだと、初めて気付いた。
気付いて、そして安らげる場所を見つけてしまった。
軽く添えるだけだった両手に、藤堂の背中でしがみ付くように力が込められる。
「ルルーシュ君?」
途端に、藤堂の気遣うような優しい声が耳に届いて。
ルルーシュは不覚にも涙を零していた。
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2008.08.18作成
2008.08.25-2008.09.01up
2008.09.24再録