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★未来(みく)様へのリクエスト作品★
(ルルーシュ=枢機卿猊下/枢機卿権限(皇帝を超える程のものと捏造)で日本を手に入れ、楽園を築く)
政庁にやって来た騎士団幹部達は、ラクシャータが「プリン伯爵」と呼んでいた白衣の青年に先導されて広間に向かっていた。
「あんたも本国に帰ったと思ったのにねぇ」
「どうしてぼくが?主のいないところなんてもういるつもりもないね」
「白兜の製作者でしょう?ゼロだって散々苦労させられたぁ」
「あれをデヴァイサーに選んでしまったのはー、確かに失敗だったけどさー。これでも色々制限かけてたんだよー、ぼくもー」
「制限ってぇ?」
「脱出装置付けてなかったりー。エナジーフィラーの消費量が倍だったりー、制御系にだって幅を限定してみたりとかー」
単に面倒だったとか、色々機能付けたらエナジーフィラー馬鹿食いしたけど「まあ良いか」でほっといたとかの事情は言わない。
「へぇえ。でもまぁあんたは肩身狭いと思うわよぉ、あのデヴァイサーの上司だったわけだしぃ」
「えぇ!?折角ランスロット取り上げたのにぃ?特派はこっちに残るから当然ランスもだし、丁度良いからデヴァイサーから外したってのにー」
「そんなの知らないわよぉ。すると元デヴァイサーは何に乗るのぉ?」
「知らないよぉ~、そこまではー。‥‥うー、ぼくだってお傍にいたいのにー」
広間に入りながらラクシャータに突っ掛かるロイドの言葉は、待っていたメンバーにも届いた。
「ロイド伯爵。不敬を咎められたいなら遠慮はいらないよ?」
聞こえてきたシュナイゼルの言葉にロイドは慌てて否定する。
「ぅわ、ダメです。すみません、ルルーシュ様。お連れしましたよー」
順次広間に入ってきた幹部達は奥に所在なげに椅子に座るルルーシュを真っ先に見つけた。
当然ながら仮面は付けておらず、その美貌に幹部達は見惚れつつも近づいて行く。
ルルーシュの両横にはシュナイゼルと神楽耶が立ち、周囲にキョウトのメンバーやらブリタニア人やらとかなりの人数がいるのに気付いた。
車椅子に乗った少女の嬉しそうな様子を見て和むルルーシュに、藤堂とカレン、ラクシャータもまた表情を緩める。
「へーホントに騎士団も来たのねー」
「てカレン!?貴女、騎士団だったの!?」
「おぉ『奇跡の藤堂』がいる。実はファンなんだよなーおれ」
「わたしはラクシャータ様が…」
学生である生徒会メンバーが、いやだけが賑やかに騒いでいる。
何度かシュナイゼルが注意を促していたが、気にしていないように、さっきまではルルーシュも巻き込んでわいわいやっていた延長のようだ。
リヴァル等はルルーシュから、「あの時の電話の相手だ」とシュナイゼルを紹介され、即行で開き直ったという経緯もある。
「間に合って良かったです、藤堂さん。‥‥みんなも来ると思っていた」
「なッ。どうして藤堂だけ敬語なのですか?貴方が一番ですのに」
神楽耶が藤堂を睨みながら意見する。
「ルルーシュも『奇跡の藤堂』に憧れてたんだから当たり前だろー。おれ達良く『奇跡の藤堂』の事で話してたもんなー」
「あぁ、そうだな、リヴァル。‥‥とにかく、正午まで時間がない。今後の事を話し合いたいと思うが」
「って話をしてた時に騎士団の方達が到着しちゃいましたからね~。それで、先程の話ですけど、ルルーシュ様」
セシルがロイドに対して非難の眼差しを向けてから、ルルーシュに問いかけた。
「まず、わたしは『日本人』になるつもりはない。まだ当面は枢機卿でいる必要があるからだ。それは宰相である義兄上も同様」
「だからー、ここにいるブリタニア人はみんなでー、当日はどこかの島にバカンスに行きましょうねー猊下」
ロイドはるんるんとどこから取り出したのか観光ガイドを広げて見せる。
「戻って来るのですよね?ルルーシュッ!」
「勿論だよ、神楽耶。『合衆国日本』が優しい国で有る限り、おれはここにいたいと思っている」
「‥‥優しい国じゃなくなったら見捨てるってのか?」
「何を言っている?玉城。優しい国じゃなくなれば、わたし自ら改革に乗り出すに決まっているではないか。自分だけの平穏に浸っていられなくなるからな」
「そんな事にはならないと約束します。貴方が平穏に過ごせる為にも、『合衆国日本』はわたくしが責任を持って導いてみせますわ」
「良くぞ申されました、神楽耶さま。わしら一同、その為の尽力は一切惜しまぬつもりでおります」
神楽耶に桐原を筆頭としたキョウトの面々が頭を下げる。
「お、わたし達黒の騎士団も、『合衆国日本』の為に出来る事はします。なぁ、みんな」
「‥‥おれ達は、レジスタンスだったわけだが、その事についてはどうするつもりだ?」
「何。『合衆国日本』に弓を引いたわけでもない。一月後、この地におれば国民だ。それまでに政府各所に取り込めれば問題はなかろう?」
「それについては既にルルーシュから案を頂いております。最終的な参加不参加は各人の判断と言われていますから後で調整致しましょう」
「猊下。そろそろお時間ですよ?」
シュナイゼルが口を挟み、それぞれが時計に目を向けると、正午まで後僅かになっていた。
「神楽耶。初めの宣言を」
「はい!ルルーシュ」
ポーンと時報が鳴る。
『わたくしは、旧日本の皇神楽耶と申します。今、この時を以って「合衆国日本」の建国を宣言致します!』
神楽耶はそう言った後、すぐにはマイクを置かなかった。
『「合衆国日本」は新しい国です。優しい国を目指します。過去に囚われず、未来へ進む国を目指します』
「一言、多かったみたいだね、姫君?」
「一言くらい宜しいでしょう?シュナイゼル殿下。建国早々ルルーシュの手を煩わせるなんて御免ですもの」
「なるほどね。その調子で頼むよ、姫君。さ、エリア11の総督も副総督もめでたく解任だ。そろそろ行きましょうか?」
「‥‥どこへ連れて行くつもりだ?」
藤堂がルルーシュの傍まで歩み寄ってシュナイゼルの前に立ち塞がる。
「邪魔をしないでくれないかな?『奇跡の藤堂』。わたしが弟と妹をどこへ連れて行こうとわたしの勝手だろう?」
「義兄上?藤堂さんに絡まないで頂けますか?第一、一緒に行くとは一言も言っていません」
「わたしはこの八年、随分と頑張って来たと思うのだけどね?」
「勿論感謝していますよ、義兄上。ですが、わたしは‥‥」
ルルーシュはそこで一度言葉を止めると、溜息を吐いてから続けた。
「おれは学園や生徒会が好きだし、騎士団の連中も気に入っている。この地には失いたくないものが沢山出来てしまいました」
ルルーシュの言葉に、ミレイとシャーリーとニーナがルルーシュに飛び付いた。
「あ、ずるいですわ」
と言って、神楽耶もルルーシュに抱きつく。
「お兄様、もててらっしゃいますね」
ナナリーはそれに対して嬉しそうにコメントして「宜しかったですね」と応じる咲世子と微笑みあう。
それにカレンが参加し、ディートハルトが参加しようとしたところを井上と千葉によって沈められ、その間にセシルとロイドと朝比奈が参戦しに行った。
「ってちょっと待て。どこを触ってる?やめないかっ。‥‥笑ってないで助けてください、藤堂さん」
「ならわたしが助けよう」
名指しで助けを求められた藤堂が動こうとしたところへシュナイゼルがそう言って動くから、藤堂はそちらの牽制に回る。
「‥‥こうして、『合衆国日本』建国第一日目がスタートしたのでした。‥‥か?」
千葉が小さく呟いたその言葉は傍にいた仙波と卜部だけが耳にしていた。
一月後、「合衆国日本」の国民たる「日本人」が彼の地にあふれた日。
本国に戻っていたシュナイゼルはコーネリアとユーフェミア、その騎士達を執務室に招いた。
「さて、色々忙しくてすまなかったね、ユーフェミア」
唐突に名指しされたユーフェミアは「え?」と首を傾げる。
「忘れたのかい?申請していた件が受理されたよ、と言っているのだよ?」
「シュナイゼル義兄様?」
「やれやれ、本当に忘れていたのかぃ?皇帝に直接申請したのだろう?『ブリタニア』の名前を返上する、と」
「あ、‥‥義兄上、そ、‥‥それは真なのですか?」
あまりの事にコーネリアの声が上ずっている。
「わたしもね。戻って来てから知ったのでね。取り消すのに尽力はしたのだけど、無理だったのだよ。結局ユーフェミアの申請通りになってしまった」
「で、でもわたしは‥‥」
「わたしが聞いていたのは『行政特区日本』についてだけだったから、そちらは白紙にしたけどね。わたしを飛ばして皇帝に持ち込まれては‥‥」
「‥‥では、ユフィは‥‥」
「あぁ、皇室を出て庶民として暮らす事になるね。‥‥当然。騎士は返上。枢木は騎士就任に依る昇進の為、位をいくつか落とす事になる」
コーネリアの問いに答えたシュナイゼルは、厳しい目を枢木に向けて言った。
「ん?返事は?」
「い、イエス、ユア、ハイネス」
こうして、元皇族の騎士にして現一等兵枢木スザク名誉ブリタニア人が誕生した。
了
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作成 2008.05.11
アップ 2008.05.27
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未来(みく)様へ。
お気に召していただけましたでしょうか?
リクエスト内容に合致しているかはいまいち不明ですが、
どうぞ、お受け取りください。
なんだか、有り得ないくらいに長くなってしまいました。
おかしい、どこで間違えたのでしょうか。(答:出だしですorz)