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★nao様へのリクエスト作品★
(ゼロの騎士と推進会の続き/推進会の活動)
6月13日。晴れ。
【カレン】
今日も藤堂さんとゼロの部屋に訪れる。
やはり一日の始まりはここから始めるべきよね。
藤堂さんがゼロと今日の簡単な打ち合わせをしている間に、わたしはナナリーちゃんと挨拶がてら会話をするのよね。
「おはようございます、カレンさん」
「おはよう、ナナリーちゃん。今日も調子良さそうね」
「はい、こちらに来てからはとても体調も良いのですよ」
そう言いながらナナリーはわたしにディスクを手渡す、勿論最愛の兄に見つからないように、だ。
まぁ、ナナリーちゃんがそんなヘマをするはずが無いから、見つかるとしたら相手のミスだろうと、戦々恐々なのだけど。
わたしはディスクを受け取ると、「今日の予定は?」と尋ねる。
「今日はお兄様が騎士団のお仕事でお出かけになるから、咲世子さんとここで待っているんです」
「ナナリーちゃん‥‥。安心して、待っていてね。お兄さんはわたしや藤堂さんがちゃんと守るから」
「はい。お兄様の選んだ騎士ですもの、信頼しています、カレンさん」
「紅月、そろそろ行くぞ」
藤堂さんの合図で、わたしはナナリーちゃんから離れる。
「ではゼロ。また後で」
「あぁ。二人とも頼んだ」
「承知」「分かってるって」
ゼロの部屋を出ると、ナナリーちゃんから受け取ったディスクの内容を印刷するべく藤堂と別れたのだった。
【藤堂】
毎朝、名誉会長に何故か納まっているゼロの、ルルーシュ君の妹であるナナリー君から抹殺計画書が渡される。
良く尽きる事が無いものだと、最近は感心してしまうくらい、その計画書はバリエーションに富み、会員になった者は必死にその内容と自分の役割を覚え込む。
ナナリー君の凄いところは、会員の能力を全て諳んじているかのようなところだろう。
一度も会った事のない団員、もとい会員に対しても適材適所としか思えない役割を割り振っているのだ。
おれは会長とは言え、名ばかりなので、ナナリー君の計画書を読み、指示を出す事くらいしか役には立っていなかったが。
【扇】
最近、というか、推進会が発足して以来かな?ゼロの作戦内容が若干違ってきていると感じている。
え?勿論おれも入っているけど。
なんというか、推進会の活動の機会がさり気に与えられているというか、動く余地が残っているというか。
以前なら、「指示に従え」、「勝手な事をするな」、「想定外の行動を起こされたんでは策を練る意味が無い」とか言っていただろう。
なのに、今はその余地の範囲内で勝手に動いても怒られる事はない。
仕切っているのがゼロの騎士になったと宣言した藤堂さんとカレンだからだろうか。
そう、カレンは元々零番隊の隊長だったり、「紅蓮の騎士」などと呼ばれていたからそれ程驚く事は無かったけれど、藤堂さんが一緒だったのには驚いた、心底。
それは四聖剣も同じで、彼等にさえ一言も無く決めた事にも驚いていたりする。
そして今日も今日とて、推進会幹部からの指示が回ってくるのだ。
【朝比奈】
いつも通り何故か遅れて現れる白兜が戦場に姿を見せた時、藤堂の指令が伝わってくる。
今回は「28番。パターン13」だと言うから、おれは千葉さんと白兜の背後に回る。
はっきり言って白兜にというかそれに乗ってる枢木スザクに目にモノ見せてやれるのは望むところなんだ。
おれだって推進会に入っているわけだし?
藤堂さんが会長だっていうから、入らない手は無いしね。
ん?藤堂さんがゼロの騎士になった事について?
関係ないはずだけど?推進会にしては‥‥まぁ、藤堂さんが選んだ事だからおれ達は従うだけだよ。
藤堂さんがゼロを守りたいなら、おれ達だって全力を挙げてゼロを守るさ。
んー親衛隊みたいなもんだね、おれ達四聖剣や黒の騎士団はさ。
問題なのは日々増えていく抹殺計画書を付属パターン毎に自分の行動を覚えなければならない事、かな。
毎日計画書が作成され、そのパターンは少ない時でも5、多い時だと20以上ある事もあるからね。
玉城なんかは悲鳴上げてるし。
【卜部】
これくらいでネをあげてどうする、朝比奈。
紅月に比べれば、まだ良い方だぞ?
紅月は学園での計画書まで覚えているという話だからな。
まぁ、学園でやれる事と言えば、抹殺等ではないのかも知れないけどさ。
おれは白兜の左側面に回る。
事が始まったら、右側面に回った仙波大尉と連携して白兜の注意を引くのが役目だ。
今は紅蓮が白兜の正面で仁王立ちしているから、注意はそっちに向けられているけどな。
しかし、傍目に見ても仮面をつけた状態だったとしても、判る程あのゼロが愛情を一身に向ける、ゼロの妹が考えたんだよな‥‥これ。
毎日新しい抹殺計画書が届くから読むけどよ、なんつーか。
‥‥あ、これ提出有りか?
いや、ホント素晴らしい出来だよな、うん。
【仙波】
口は災いの元と言うくらいだ、もう少し気をつけよ、卜部。
とは言うものの、確かに少々堪えるのは確か。
藤堂中佐がゼロの騎士になったからと、わし等四聖剣を中心に、親衛隊なるものも構成しつつあるから、忙しさはそれでなくとも倍増している。
更には同じく正式に騎士になった紅月と共に、この推進会を発足させ、団員が次から次へと入会するものだから、会の運営も当然忙しい。
だが、そこまではまだ良かったのだ。
問題は‥‥‥、やはりゼロの妹がやって来てからといえよう。
尽きる事無く、次から次に作成されていく抹殺計画書を覚えるのが大変なのだ。
藤堂中佐の合図を受け、わしは白兜に向かってスラッシュハーケンを発射していた。
【カレン】
「あら?珍しい人がいるわね。何をしに来たの?枢木君?」
カレンは久しぶりに登校してきたスザクを目ざとく見つけて声を掛けた。
「あ、カレンさん。おはよう。うん、今日は暇が出来たから‥‥学校へ行っておいでって」
「あら、そうなの?あぁ、来たのなら丁度良いわ。裏庭の木に猫が登って降りれなくなったみたいで。今人を呼びに行こうと思っていたところなの」
「あ、じゃあぼくが行ってくるよ」
「お願いするわ。‥‥わたしがついていかなくても良いわよね?」
「うん、平気だよ?ちゃんと猫は降ろしておくから。‥‥その猫ってアーサー?」
「違うわ。アーサーなら生徒会室にいたと思うもの。じゃあ、よろしくね、枢木君」
そんな会話をカレンが枢木スザクと交わしたのは数日前だ。
その日、スザクはクラスに顔を出さず、当然授業も受けず、生徒会室にすら顔を見せる事はなかった。
昼休みに一度カレンが裏庭を覗きに行って見たのは、スザクが木の上で寛いでいる大量の猫をひたすら下に降ろそうとする姿だった。
猫はスザクが近づくと警戒し、手を伸ばすと引っかき、降ろされる間も暴れまくっていた。
降ろされた後、次の猫に取り掛かるスザクの視界の外で再び木に登る猫もいた。
スザクが全ての猫を降ろした時には、既に真夜中をとっくに過ぎて空が白み始めた頃だったとか。
「学園編、31番。パターン1(猫任せ。猫の調教は終了済み)」は成功かしら?
多分次に持ちかけても、頷いてくれないでしょうけどね。
紅蓮の右手を突き出して、輻射波動をぶち込む。
白兜はそれを剣で受け止め、紅蓮と白兜は暫しの睨みあい。
コックピットの中にいる、スザクがあちこちに猫による引っかき傷だらけかと思うと、哂えるものがあるカレンはそれを必死に抑えていた。
【ナナリー】総評
今日もお兄様が可愛らしく首を傾げていました。
「なぁ、藤堂。白兜が出てくると、途端にみんな作戦にない動きをするんだが‥‥何か知っているか?」
藤堂さんがチラとわたしを見た気がしたので、わたしはにっこりと笑みを浮かべてみる。
「‥‥いや、すまないな。やはり気に入らない‥‥か?」
「いや。ナナリーから『いつもの事なのでしたら、そうなると諦めてみたらどうでしょう』って言われたからな。半分諦めている」
お兄様は苦笑してそう言うのですが‥‥まだ半分だったのですか‥‥「後でもう少しお願いしてみましょう」とわたしは考えた。
「そう言えばカレン。昨日かな、リヴァルが2、3日前にスザクを見たはずなのにクラスにも生徒会にも顔を出さなかったって不思議がってたが‥‥知っているか?」
「‥‥来たの?最近見てないわよ?わたしは。‥‥大方、登校してすぐに呼び戻されたか何かしたんじゃないの?」
カレンさんはさらっとそんな事を言って誤魔化しているけれど、「学園編31番」が功を奏した事は既に報告を受けているので、わたしはくすくすと笑っていた。
やはりスザクさんにはもっともっと酷い目に遭って頂いてから、地獄巡りにご招待するべきですわね、とわたしは心に誓い、新たな計画を立案する事にした。
本日の収穫。
白兜の腕1本。
どこかでどなたかの悲鳴が聞こえた気がしましたけれど、きっと気のせいだと思いますわ。
了
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作成 2008.06.04
アップ 2008.06.15
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nao様へ。
お気に召していただけましたでしょうか?
リクエスト内容に合致しているかはいまいち不明ですが、
どうぞ、お受け取りください。
こんな感じで良かったでしょうか?
推進会メンバーの方が大変そうな感じになってしまいましたが....orz