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コードギアスの二次創作サイト。 ルルーシュ(ゼロ)至上主義です。 管理人は闇月夜 零です。
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ギ ア スの小説を書いています。
ゼロ(ルル)至上主義です。
騎士団多め。
表現力がなく×ではなく+どまり多数。
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「中佐ァ~、今日は『父の日』なんだからゼロんとこ行かなくて良いのか?」
卜部が藤堂にそう声をかけたのは、月下周辺に藤堂と四聖剣しかいないまだ朝の内だった。
昨日、有った作戦の終了が遅かった為か、アジトに泊まったゼロは、まだ姿を見せていないから自室にいると思われる。
藤堂も今日が「父の日」であることは知っていた。
と言うか、昨夜眠る前にも「明日は父の日だな‥‥」と呟いていたりする。
いや、更に数日前から幾度となく「後何日で父の日か‥‥」と思ったりもした藤堂である。
なのにゼロの部屋に向かうのを躊躇っているのは、昨夜、最後に会った時にもゼロが何も言わなかったからだ。
単に忘れているだけかも知れないが、それでも藤堂は二の足を踏んでいた。

それが四聖剣には不思議でならない。
母の日ですら「母親役」としてゼロのところへ行った藤堂がまさか「父親役」として行くのを渋るとは思わなかったのだ。
「あ、でも『父親役』なら仙波さんとかの方が適任じゃないですか?」
朝比奈が提案してみる。
勿論、「母親役」が藤堂に適任だったとは思っていないのは言わなくても判っているのだが。
「わし‥‥か?」
指名された仙波はどうしたものかと思い藤堂を窺う。
藤堂はますます悩んだ。
藤堂は「自分が行くか、誰も行かないか」と言う選択肢しか考えていなかったのだ。
まさか他にお鉢が回る事があるとは思わなかった藤堂は「迂闊なのだろうか?」とも悩む。
しかし藤堂は、結局ゼロの部屋に向かう事に決めた。
たとえ四聖剣の仙波とはいえ、この役を譲る気にはなれなかったからだ。
四聖剣に「行って来る」とだけ言い置いて、藤堂はゼロの部屋へと向かったのだった。
藤堂が格納庫から消えて程なく。
ラクシャータが珍しくも少し慌てた様子でやって来て四聖剣は何事か生じたのかと身構えた。
「早いわねぇ、あんた達はいつもぉ。‥‥んで?藤堂はぁ?」
ラクシャータはそう言って月下隊長機の方を透かし見て「コックピットの中ぁ?」と尋ねる。
「えっと‥‥今、ゼロのところに向かったけど?」
朝比奈が言うと、ラクシャータは本当にらしくない程に慌てた。
「ちょッ‥‥すぐに連れ戻してきなさい。今日はダメなのよッ!」
一瞬四聖剣は驚き、まず千葉が身を翻し、次いで卜部がその後を追った。
「‥‥ダメ、とは。いかなる理由か聞いても構わぬか?」
藤堂を連れ戻すのは卜部と千葉に任せてその場に残った仙波がラクシャータに問いかける。
朝比奈が残ったのはラクシャータが慌てる程の行動を藤堂に嗾けた事に愕然としていてまだ動けないでいるからだ。
「えぇ!?わたしはぁ。ゼロの母親とは交流有ったしぃ、尊敬してたけどぉ。父親とは直接会った事もないからねぇ」
答えるラクシャータの表情に嫌悪の色が見て取れて仙波は戸惑った。
「ゼロはその、両親についてはどのように?」
「‥‥‥‥。わたしが言ったなんて他言したら赦さないわよぉ」
ラクシャータが脅しの言葉を紡ぐと仙波どころか、落ち込み中の朝比奈も慌てて頷く。
「母親の事は尊敬して、憧れて、愛してたでしょうねぇ。‥‥‥父親に関しては、ブリタニアよりも憎んでるんじゃないかしらぁ?」
ラクシャータの言いように、仙波と朝比奈は目を見開いて驚く。
ゼロがブリタニアを憎んでいるのはその言動の端々から窺い知る事が出来ていて、或いは騎士団にいる誰よりもと思うことすら有った。
なのに、「更に父親に対する憎しみの方が上なのか?」と二人は驚いたのだ。


やがて、藤堂が戻ってきた。
しかしその様子はとてもいつも通りとは言えない。
卜部が藤堂の背を押すようにしながら強引に引き連れてきたというべきだろう。
千葉が周囲に視線を走らせ、誰にも見られないように気を配っている。
仙波は「間に合わなかったか‥‥」と嘆息し、朝比奈は「どうしようどうしようどうしよう‥‥」と「すみませんすみませんすみません‥‥」だけが脳内で踊っている。
ラクシャータは一人、「藤堂をあんな風に呆然とさせちゃうなんてぇ、なぁに言ったのかねぇ、ゼロはぁ?」と面白そうに呟いた。

藤堂は何も説明せずに「暫く一人になる‥‥」と言って、月下隊長機のコックピットに消えていった。
ラクシャータは「つまらなぁい」と呟いてから、仙波と朝比奈に今一度口止めをするとのんびりと立ち去っていった。
残った四聖剣の内、卜部と千葉は何の事かと二人に視線を向けるが説明は得られなかった。
仙波は約束したからで、朝比奈はそれどころではないというのが理由だったが。
また、逆に卜部と千葉にも言うべき事がない。
二人がゼロの私室の前に着いた時には、既にあの状態の藤堂が一人ぽつんと佇んでいたからだ。
四人は同時に溜息を吐くと、月下隊長機へと視線を向けたのだった。


コックピットに篭った藤堂は、ただいま絶賛混乱中だった。
ゼロの部屋の前で、それでも往生際悪く暫く悩んでから藤堂はノックをした。
「ゼロ。‥‥藤堂だが‥‥」
そこまで言った藤堂は、中から投げられた言葉によって口を閉ざす事になる。
半分以上突っぱねられる事を想定していたから、ぴしゃりとした言葉が飛んできていても藤堂はここまで無防備な姿は晒さなかっただろう。
だが、結果的に藤堂は、卜部と千葉がやって来るまで、いや、やって来てさえ、無防備な状態から脱出できずにいた。
藤堂を案じる四聖剣に気づいていたのに何も言えずに、こうやって篭っているわけだが。
距離が近くなったと思い不用意に踏み込み過ぎた事に恥じ、まさかゼロがあんな風に言うとは思わず藤堂は混乱する。
そしてラクシャータが知るというゼロの素性に藤堂自身、思い当たる人物がいた事についても「どうすれば‥‥」と悩んでいたりした。
藤堂は一旦狭いコックピットの中を見回してから、「当分出れそうに無いな」と溜息と共に吐き出していた。


ゼロは、‥‥いや、この場合はルルーシュと言うべきか。
ルルーシュは悩んでいた。
勿論、悩むのにもわけがある。
昨年まではここまで悩まなかったと自信を持って言えるし、実際ちょっとした鬱憤晴らしをするだけで済んでいたのだ。
だが、今年はかなり盛大に悩んでいた。
原因は藤堂鏡志朗にある、‥‥いや、その言い方もまた語弊があるだろう。
簡単に言うならば、単にルルーシュが味を占めてしまっただけの話である。
すなわち「行事の日には藤堂が甘えさせてくれる」というものだ。
既に「こどもの日」と「母の日」によってそれは証明されていて、だからこそルルーシュは現在悩んでいるのだ。
ルルーシュにとって「父の日」とは今まで鬱憤を晴らす日でしかなかった。
最近ではリヴァルとどこぞへ出かけたり、ミレイと料理を作ったり馬鹿な話をしたりして余り考えないようにしていた。
ナナリーと二人だけではどうしても「あれ」を思い出してしまうので、大勢でいるようにしたりと工夫もした。
なのに、今年は少しだけ期待して、その事に驚いて自己嫌悪に襲われる。
「母の日」や「父の日」とはそれぞれに対し感謝する日だが、「あれ」に対して感謝したい事など欠片もないのだ。
ならばそんな日がある事自体を無かった事にすれば良いのだとずっと無視してきたのだ、今までは。
なのに、今年は期待してしまった。

そして、ルルーシュが何かを言う前から、藤堂がやってきてくれたのに。
ルルーシュは考えすぎて混乱したままに、藤堂を追い返してしまったのだ。

ルルーシュは余計に落ち込み、悩み事が増えてしまった。

そこへ再びノックが聞こえて、ルルーシュは抱えていた頭を上げる。
『そのままで良いですからぁ聞いてくださいますかぁ?』
続いて聞こえたのはラクシャータの声で、ルルーシュは失望している自分を見つけて自嘲する。
つまりは「藤堂が戻ってきたのではないか?」と期待しているのだ、ルルーシュは。
『今日が何の日だろうと、関係ないですよぉ?人が誰かに甘えたいと思うのは自然ですしぃ。貴方には必要な事ですからねぇ』
「‥‥‥しかし‥」
ラクシャータの言葉に、迷うルルーシュに対して、扉の向こうで笑う気配が伝わってくる。
『理由が必要ですかぁ?』
「‥‥‥必要だ。少なくともわたしにはッ!」
『ならぁ。別の理由を作っちゃえば良いんですよぉ。行事に拘るから動けなくなってしまうんですよぉ。「傍にに居たい」それだけでも理由としては十分ですって』
ラクシャータの言い分に、ルルーシュは戸惑い躊躇う。
『行事なんて気にしたくないなら気にしなければ良いんですよぉ。それともぉ「妹の日」にしか妹に会えない、なんて言わないですよねぇ?』
「待てッ!そんな日は初めからないだろう!?」
ナナリーに会えないなんてとルルーシュは慌てて反論する。
『まぁそうですけどねぇ。‥‥だからぁ関係無く藤堂に甘えてきなさいなぁ?』
「関係無く?‥‥‥‥しかし、ラクシャータ。それでは藤堂に迷惑だろう?」
ルルーシュはますます混乱する。
『‥‥‥‥ゼロぉ?‥‥ま、まぁ一度藤堂に言ってみれば良いと思うわねぇ、わたしはぁ?』
ラクシャータは何か問いた気だったが、続いたアドバイスに混乱していたルルーシュは頷いた。
「わかった。そうする。‥‥先程の件も謝らなければならないし‥‥」
『それならぁ。何か作って持って行ってやればぁ?‥‥‥‥ちなみにぃ、なんて言ったか聞いて良いかしらぁ?』
ルルーシュは「そうか、詫びに和食でも‥‥」と思っていたので、ラクシャータの問いかけに素直に答えていた。

「ん?わたしは、『すみません、藤堂さん。今は一人にしておいてくれませんか?』と‥‥あ、‥‥」
その言葉の意味に気付いてルルーシュは固まった。


(あらぁ‥‥もしかして藤堂のあれって‥‥バレたのかしらねぇ?殿下の素性?)
とりあえずは大丈夫だろうと判断したラクシャータは固まったままのルルーシュをそのままに部屋の前から離れたのだった。



───────────
作成 2008.06.15 
アップ 2008.06.15 


───────────
父の日騒動 ゼロ+藤堂+四聖剣+ラクシャータ。

母親役選出の後日設定。
すれ違い~~。
「父の日」は初めから行事物らしくなく酷い話にする気満々でした。
なのになんかそれともまた違った方向へと進んでいますねぇ。
タイトル程騒動起こりませんでした。(でも変える気力もないのでそのままでorz

二の足踏んだ藤堂が全く動いてくれず苦労しました。
どうにか進めたら今度は思った以上に長くなって.....orz
とりあえず、気力が尽きました。

後日談はあるかも知れないしないかも知れません。
てかあっても書かないかも。
書く暇ない内に忘れてるという可能性が大ですね。

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